年末が近づくと、パートで働く配偶者の年収が会社の「家族手当」の基準を超えないか、気にする家庭もあるでしょう。
所得税の扶養の基準は、令和7年度税制改正で103万円から123万円に、令和8年度税制改正で136万円に引き上げられました。一方、勤務先が独自に支給する配偶者手当の基準は、税制とは別に会社ごとの規程で決まっています。
この記事では、人事院の「職種別民間給与実態調査」をもとに、民間の家族手当で配偶者の収入に制限を設けている割合と、その基準額の内訳を確認します。
1. 配偶者に家族手当を支給する事業所の88.0%が配偶者の収入で制限
人事院の令和6年職種別民間給与実態調査では、家族手当の支給状況と、配偶者の収入による制限の状況を調べています。割合は、事業所の従業員数を重みにして計算されています。
1.1 家族手当制度がある事業所は74.5%
家族手当制度がある事業所は74.5%でした。配偶者に家族手当を支給する事業所は、家族手当制度の有無を回答した事業所全体の53.5%です。
家族手当制度がある事業所に限ると、配偶者に支給する割合は71.8%、配偶者には支給しない割合は28.2%でした。
1.2 配偶者の収入による制限がある事業所は88.0%
配偶者に家族手当を支給する事業所のうち、配偶者の収入による制限があるのは88.0%でした。制限を設けずに支給している事業所は12.0%にとどまります。
企業規模別に見ると、収入による制限がある割合は、500人以上で91.8%、100人以上500人未満で84.2%、50人以上100人未満で76.8%です。
2. 配偶者手当の収入制限の額は「103万円」が43.4%で最も多く、130万円が34.4%
配偶者の収入による制限がある事業所を100とすると、制限の額は103万円が最も多くなっています。
【配偶者の収入による制限がある事業所での、収入制限の額の内訳】
- 103万円:43.4%
- 130万円:34.4%
- 150万円:7.4%
- その他:14.8%
2.1 企業規模500人以上は103万円が43.7%、50人以上100人未満は130万円が46.4%
企業規模別に見ると、500人以上の事業所では103万円が43.7%、130万円が27.7%でした。
50人以上100人未満の事業所では、130万円が46.4%で、103万円の42.2%を上回っています。勤め先の規模によって、多く使われている基準額は違います。
3. 収入制限がある配偶者手当は2016年の57.1%から2024年は47.0%に、103万円の基準は37.6%から20.4%に
厚生労働省のリーフレット「『配偶者手当』の在り方について」(令和8年6月更新)は、人事院の調査をもとに、収入制限がある配偶者手当の割合の推移を示しています。
3.1 家族手当の有無を回答した事業所全体で見ると、収入制限がある配偶者手当は約10ポイント低下
ここでの割合は、家族手当制度の有無を回答した事業所全体を100としたものです。収入制限がある配偶者手当は、2016年の57.1%から、2020年は51.4%、2024年は47.0%に下がりました。
【家族手当制度の有無を回答した事業所全体を100とした割合】
- 収入制限がある配偶者手当:2016年57.1%、2020年51.4%、2024年47.0%
- うち収入制限が103万円:2016年37.6%、2020年23.1%、2024年20.4%
3.2 国家公務員の配偶者に係る扶養手当は、令和8年度から支給されない
同じリーフレットでは、国家公務員の配偶者に係る扶養手当が段階的に廃止され、令和8年度以降は支給されないことにも触れています。本府省の管理職等以外の職員では、月6500円(令和6年度)から3000円(令和7年度)に下がり、令和8年度は支給されません。
あわせて、子に係る扶養手当は月1万円(令和6年度)から1万1500円(令和7年度)、1万3000円(令和8年度)に引き上げられました。
民間の家族手当で配偶者の収入に制限を設けている事業所は、配偶者に支給する事業所の88.0%にのぼり、制限の額は103万円が43.4%で最も多い状況です。2016年と比べると、103万円を基準にする割合は下がっています。
自分の勤め先の基準が何万円なのかは、就業規則や給与規程の家族手当の項目で確かめられます。
ここからは、元公務員の立場から、配偶者手当の見直しがどこまで決まっているのかと、勤め先の規程で確かめたい点を見ていきます。