4. 【年末の「あの日」】もちの支出は大みそかの前日に集中

12月の食料には、年末ならではの買い物も含まれます。総務省統計局の「家計簿からみたファミリーライフ」によると、2025年12月のもちの支出金額を日別にみると、クリスマスが終わったころから増え、最も多いのは12月30日の131.9円でした。年間を通じた1日当たりの平均支出金額の約25倍にあたります。

同じ資料では、大みそかの前日に多くなる理由として、お供えとして飾る鏡もちが含まれることや、いわゆる「一夜飾り」を避ける風習も一因かもしれない、と説明されています。

131.9円という金額は、もちを買わなかった世帯も含めた、二人以上の世帯の1世帯当たり1日当たりの平均です。1日のうちに買う家庭が集中するため、平均にするとこうした金額になります。もちのような年末の食品も、12月の食料の支出に含まれています。

年末の買い出しは、日付が決まっている分、前もって予定に入れやすい支出です。家計簿をつけている場合は、12月の食費を「年末の準備」と「ふだんの食費」に分けて記録しておくと、翌年の12月の予算を考えるときの手がかりになります。

5. 【手取りのうち使った割合】12月の平均消費性向とボーナスの手取り

家計調査には、可処分所得(手取り収入)に対する消費支出の割合を示す「平均消費性向」という指標があります。勤労者世帯の2025年12月の平均消費性向は37.0%で、2025年平均の65.0%を大きく下回りました。2025年の各月の中で最も低い値です。

12月の勤労者世帯の消費支出は37万4127円と、年平均の34万6297円より2万7830円多くなっています。ただ、2025年の勤労者世帯で消費支出が最も多かったのは3月の38万2959円でした。12月は使う金額も増えますが、それ以上に手取りが増えるため、手取りのうち使った割合は低くなっています。

12月の可処分所得101万407円から消費支出37万4127円を差し引くと、63万6280円が残ります。2025年平均では、可処分所得53万2408円から消費支出34万6297円を差し引いた残りは18万6111円でした。

勤労者世帯の12月と年平均の収支(2025年・二人以上の世帯のうち勤労者世帯)2/2

勤労者世帯の12月と年平均の収支(2025年・二人以上の世帯のうち勤労者世帯)

出所:総務省統計局「家計調査結果」をもとにLIMO編集部作成

ボーナスの手取りは、年末年始の支出に使う分、ふだんの月の不足を補う分、1年以内に使う予定がある分というように、使い道ごとに分けて書き出してみると、12月に残ったお金がこの先の1年のどこで使われるかが見えてきます。夏のボーナスがある場合は、夏と冬の2回分をあわせて1年の家計の中で考えてみるのも一つの方法です。これから12月を迎える前に、使い道の計画を先に立てておくと、振り込まれたあとに迷いにくくなります。

6. まとめにかえて

家計調査でみると、2025年12月の二人以上の世帯の消費支出は月35万1522円で、1年で最も多い月でした。勤労者世帯の実収入も120万7545円と最も多く、世帯主の臨時収入・賞与が47万7514円を占めています。支出の内訳では食料が年平均より2万円あまり多く、年末の買い物も含まれる月です。

12月は、収入も支出も1年の中で大きく動く月です。まずは、ご自身の給与明細や賞与明細、家計簿や通帳の記録で、前の年の12月にいくら入り、何にいくら使ったかを確かめてみてはいかがでしょうか。

そのうえで、今年の12月の予算を、年末年始の準備とふだんの支出に分けて立てておくと、ボーナスの手取りの使い道を落ち着いて決めやすくなるでしょう。家計の数字は毎月公表されているので、総務省統計局の家計調査で最新の結果を確かめながら、自分の家計の記録と並べてみてください。

これから迎える12月に向けては、ボーナスの手取りのうち、年末年始に使う分と、来年に残しておく分を先に決めておく計画が立てやすくなります。12月に残したお金を翌年のどの月の支出にあてるかまで見通しておくと、1年を通した家計の予定にもつながります。

7. 編集部よりコメント

宮野 茉莉子
平均消費性向は、手取りのうちどれだけを使ったかを示す割合です。ボーナスが入る月は手取りが大きく増えるため、使う金額が増えていても、割合としては低く出ます。割合が低い月は、お金が残りやすい月であると同時に、残ったお金の行き先を決めておきたい月でもあります。

年末は、まとまった収入と、年末年始の準備などの支出が同じ時期に重なります。入ってくるお金と出ていくお金の両方を、同じ表に並べて見ておくと、どちらか一方だけを見ていたときには気づきにくい家計の動きが見えてきます。たとえば、収入が増えた月に支出がどれだけ増えたか、その差がどこに残ったかは、両方を並べて初めて分かります。家計簿の付け方は家庭ごとにさまざまですが、12月だけは収入と支出を一緒に振り返る時間をとってみるのもよいのではないでしょうか。

参考資料

宮野 茉莉子