毎月の生活費が平均と比べて多いのか少ないのかは、家族の人数によって比べる相手が変わります。2人暮らしと4人家族を同じ「平均」で比べても、目安にはなりにくいからです。

総務省の家計調査(家計収支編)によると、2025年平均の二人以上の世帯の消費支出は1か月31万4001円でした。また、総務省が2026年10月2日に公表した東京都区部の消費者物価指数(2026年9月中旬速報値)では、総合指数が前年同月比2.7%上昇しています。

この記事では、世帯人員別の生活費の平均と費目ごとの違い、1人当たりに直した額、東京都区部の物価の動きを確認します。

1. 家計調査の生活費の平均は、2025年の二人以上の世帯で月31万4001円

家計調査で「生活費」にあたるのは消費支出です。まず、消費支出に何が含まれるのかと、二人以上の世帯の平均がどのような世帯の数字なのかを確認します。

1.1 家計調査の消費支出は生活費にあたり、税金や社会保険料は含まない

家計調査の消費支出は、食料・住居・光熱・水道・家具・家事用品・被服及び履物・保健医療・交通・通信・教育・教養娯楽・その他の消費支出の10大費目に分けて集計されています。

所得税や住民税、社会保険料は「非消費支出」として、消費支出とは別に集計されます。給与明細から天引きされるお金は、ここでいう生活費には入っていません。

1.2 二人以上の世帯の平均は、世帯人員2.87人・世帯主の平均年齢60.7歳

2025年平均の二人以上の世帯は、平均の世帯人員が2.87人、世帯主の平均年齢が60.7歳です。世帯主が勤めている勤労者世帯と、無職世帯などの両方が含まれています。

月31万4001円という平均は、こうした世帯全体をならした数字です。自分の家計と比べるときは、世帯人員をそろえた数字を見るほうが比べやすくなります。

2. 世帯人員別の生活費の平均は、2人世帯の月28万1014円から6人以上の世帯の月38万7505円まで

家計調査では、二人以上の世帯の消費支出を世帯人員別にも集計しています。2025年平均の世帯人員別の消費支出は次のとおりです。

世帯人員別にみた1か月の消費支出(二人以上の世帯・2025年平均)1/2

二人以上の世帯の1か月の消費支出を、2人世帯から6人以上の世帯まで世帯人員別に比べた横棒グラフ

出所:総務省「家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 詳細結果表 2025年」を参考にLIMO編集部作成

【二人以上の世帯・2025年平均の消費支出(1か月)】

  • 二人以上の世帯の平均:31万4001円
  • 2人世帯:28万1014円
  • 3人世帯:32万4047円
  • 4人世帯:36万2923円
  • 5人世帯:36万4255円
  • 6人以上の世帯:38万7505円

2人世帯の世帯主の平均年齢は68.5歳で、4人世帯の48.9歳より20歳近く高くなっています。世帯人員の違いには、世帯主の年代の違いも重なっている点に注意が必要です。

2.1 2人世帯と4人世帯の生活費の差8万1909円は、教育と食料で約7割

4人世帯の消費支出は2人世帯より月8万1909円多くなっています。10大費目ごとに差を見ると、大きいのは次の費目です。

  • 教育:2人世帯417円、4人世帯3万3198円(差3万2781円)
  • 食料:2人世帯7万9340円、4人世帯10万3384円(差2万4044円)
  • 交通・通信:2人世帯3万9516円、4人世帯5万3213円(差1万3697円)
  • 教養娯楽:2人世帯2万8411円、4人世帯3万6710円(差8299円)
  • 被服及び履物:2人世帯7257円、4人世帯1万3523円(差6266円)

教育と食料の差を合わせると5万6825円で、全体の差の約7割にあたります。一方、住居(2人世帯2万739円、4人世帯1万7245円)や保健医療(2人世帯1万6280円、4人世帯1万4392円)は、4人世帯のほうが少なくなっています。

2.2 家計調査の生活費を1人当たりに直すと、4人世帯は月9万731円

世帯の消費支出を世帯人員で割ると、1人当たりの額は人数が増えるほど小さくなります。LIMO編集部で計算した結果は次のとおりです。

  • 2人世帯:14万507円
  • 3人世帯:10万8016円
  • 4人世帯:9万731円
  • 5人世帯:7万2851円
  • 6人以上の世帯:6万1509円(平均の世帯人員6.3人で割った目安)

住居や光熱・水道のように家族で共有する費目は、人数が倍になっても倍にはなりません。2人世帯から4人世帯で、光熱・水道は2万2691円から2万5942円への増加にとどまっています。

3. 東京都区部の消費者物価指数(2026年9月中旬速報値)は、総合で前年同月比2.7%上昇

生活費の金額は、物価の動きにも左右されます。総務省が2026年10月2日に公表した東京都区部の消費者物価指数(2025年=100)の2026年9月中旬速報値で、費目ごとの値上がりを確認します。

3.1 東京都区部の総合指数は102.5、生鮮食品を除く総合指数は102.6

東京都区部の2026年9月中旬速報値は、総合指数が102.5で前年同月比2.7%の上昇でした。生鮮食品を除く総合指数は102.6で2.7%、生鮮食品及びエネルギーを除く総合指数は103.0で3.0%の上昇です。

前月の2026年8月は、総合指数の前年同月比が1.9%の上昇でした。上昇率は8月から0.8ポイント高くなっています。

3.2 食料は前年同月比3.2%、生鮮食品を除く食料は3.6%の上昇

10大費目の前年同月比は次のとおりです。食料は3.2%の上昇で、そのうち生鮮食品を除く食料は3.6%、外食は4.7%の上昇でした。

消費者物価指数 10大費目の前年同月比(東京都区部・2026年9月中旬速報値)2/2

東京都区部の消費者物価指数2026年9月中旬速報値について、総合と10大費目の前年同月比を比べた横棒グラフ

出所:総務省「2025年基準消費者物価指数 中分類指数(東京都区部)」を参考にLIMO編集部作成

【東京都区部・2026年9月中旬速報値の前年同月比】

  • 総合:2.7%
  • 食料:3.2%
  • 住居:2.1%
  • 光熱・水道:3.8%
  • 家具・家事用品:5.5%
  • 被服及び履物:1.2%
  • 保健医療:2.4%
  • 交通・通信:3.3%
  • 教育:2.0%
  • 教養娯楽:4.1%
  • 諸雑費:マイナス2.1%

家計調査で消費支出に占める食料の割合(エンゲル係数)は、2025年平均で2人世帯が28.2%、4人世帯が28.5%、6人以上の世帯が31.8%です。人数の多い世帯ほど、食料の値動きが家計に占める比重は大きくなります。

なお、この消費者物価指数は東京都区部の速報値で、全国の値とは異なります。

家計調査の2025年平均では、二人以上の世帯の消費支出は月31万4001円で、4人世帯は36万2923円、2人世帯は28万1014円でした。差の約7割は教育と食料で、1人当たりに直すと人数が多い世帯ほど小さくなります。

自分の家計と比べるときは、同じ世帯人員の数字と、家計簿の食費・教育費の欄を並べると、どの費目で平均と違っているかを確かめられます。

ここからは、働く世帯の収入と生活費の関係と、家族の人数が変わるときに見直したい費目を見ていきます。

和田 直子

生活費の平均は、世帯の人数と世帯主の年代がそろって初めて自分の家計と比べられる数字です。総額だけでなく、食費や教育費など費目ごとに並べてみると、見直す場所が見えやすくなると思います。