4. 私立大学の授業料の平均96万8069円なら、多子世帯の減免を受けても年26万8069円が残る

減免の上限は国が定めた額なので、授業料がそれを超える大学では、差額を家計で払います。文部科学省の調査で、私立大学の令和7年度入学者の平均額を使って試算しました。

私立大学の平均額で試算すると、減免を受けても家計で用意する額は年44万619円2/2

私立大学の授業料の平均96万8069円のうち減免の上限70万円を超える26万8069円と、施設設備費の平均17万2550円を合わせた、家計で用意する額の試算

出所:文部科学省「私立大学等の令和7年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」をもとにLIMO編集部が試算

4.1 授業料の上限70万円を超える分は、毎年の家計の負担になる

私立大学の令和7年度入学者の授業料は、平均で年96万8069円でした。多子世帯の減免の上限70万円を差し引くと、年26万8069円が残ります。

入学料の平均は24万365円で、上限の26万円を下回ります。平均的な私立大学なら、入学金は減免の範囲に収まる計算です。

4.2 施設設備費の平均17万2550円も合わせると、年44万619円になる

多子世帯の減免の対象は、授業料と入学金です。私立大学の施設設備費は平均で年17万2550円で、授業料の残り26万8069円と合わせると年44万619円になります。

4年間で見ると176万2476円です。教育資金は入学前のまとまった費用に目が向きやすいものですが、減免を受けていても在学中は毎年この額が出ていきます。学年ごとの納付時期に合わせて、預金を分けておくと資金繰りが立てやすくなります。

5. 学生世代のきょうだいの年収は、123万円と160万円で数え方が変わる

大学生や専門学校生のきょうだいがアルバイトをしている家庭では、その年収によって多子世帯の「子ども」の数え方が変わります。2026年10月以降の区分では、2025年1月〜12月の収入で判定します。

5.1 年収123万円超160万円以下のきょうだいは、申告しないと数に入らない

JASSOが申告の対象にしている学生世代のきょうだいは、給与収入で160万円以下の人です。年収が123万円を超えて扶養親族にならない程度の所得があるきょうだいは、住民税情報の扶養親族の数には出てきません。

そのため、学校に申告書と公的な証明書類を出して、子どもの数に加えてもらう必要があります。申告が必要なきょうだいがいる場合は、すでに進学している学生には学校を通じて案内があるとされています。

  • 年収123万円以下で扶養親族になっている:住民税情報で子どもの数に入る
  • 年収123万円超160万円以下:申告すれば子どもの数に加わる
  • 年収160万円超:子どもの数に加わらない

5.2 年収は1月〜12月の給与の合計で見る

判定に使う年収は、1月から12月までに受け取った給与の合計です。年末に向けてアルバイトの時間を増やす学生もいるので、12月の給与まで含めた1年分の見込みを、11月ごろまでの給与明細で一度確かめておくとよいでしょう。

多子世帯に当たらなくなっても、世帯の収入基準で第1区分〜第3区分に当たれば、その区分の支援は受けられます。収入基準が第4区分で、多子世帯にも私立の理工農系にも当たらない場合は、支援の対象外です。

6. まとめ

多子世帯の授業料等減免は、子どもを3人以上扶養している世帯の学生が、所得制限なく受けられる支援です。私立大学なら授業料が年70万円、入学金が26万円まで減額されます。2026年10月以降の支援区分は2025年12月31日時点の状況で判定し、9月4日からスカラネット・パーソナルで確認できるようになりました。

私立大学の平均額で試算すると、減免を受けても授業料の残りと施設設備費で年44万619円を家計で用意します。年収123万〜160万円の学生世代のきょうだいがいる家庭は、申告が必要かどうかを学校に確かめておきましょう。

参考資料

和田 直子