大学に通う子どもがいる家庭では、修学支援新制度の支援区分がこの10月に切り替わりました。日本学生支援機構(JASSO)は、2026年10月以降の支援区分を9月4日から確認できるようにしています。
子どもを3人以上扶養している世帯の学生は、2025年度から所得制限なく、大学の授業料と入学金の減免を受けられます。2026年度からは、アルバイトなどで年収が123万円を超える学生世代のきょうだいも、160万円以下なら「子ども」の数に加えられるようになりました。
この記事では、多子世帯の授業料等減免の上限額と、子どもの数の数え方、10月の支援区分の見直しを、文部科学省とJASSOの資料で確認します。
1. 多子世帯の授業料等減免は、私立大学なら授業料が年70万円、入学金が26万円まで
多子世帯の授業料等減免は、高等教育の修学支援新制度のなかに設けられた支援です。国が定める上限額まで、授業料と入学金が減額されます。
【国公立】
- 大学:入学金28万円、授業料54万円
- 短期大学:入学金17万円、授業料39万円
- 高等専門学校:入学金8万円、授業料23万円
- 専門学校:入学金7万円、授業料17万円
【私立】
- 大学:入学金26万円、授業料70万円
- 短期大学:入学金25万円、授業料62万円
- 高等専門学校:入学金13万円、授業料70万円
- 専門学校:入学金16万円、授業料59万円
1.1 子どもを3人以上扶養している世帯の学生は、所得制限なく減免の対象
対象は、父母などの生計維持者が子どもを3人以上扶養している世帯の学生です。2025年度からは、世帯の所得にかかわらず、上の金額まで授業料と入学金が減免されています。
資産には基準があり、多子世帯の授業料等減免は、学生本人と生計維持者の資産額の合計が3億円未満であれば対象になります。
1.2 国立大学の授業料の標準額53万5800円は、減免の上限54万円に収まる
国立大学の授業料の標準額は年53万5800円で、多子世帯の減免の上限54万円を下回ります。標準額どおりの国立大学なら、授業料は全額が減免の範囲に入る計算です。
一方、入学料の標準額は28万2000円で、上限の28万円を2000円上回ります。授業料を標準額より高く定めている国立大学もあるため、進学先の額で確かめておく必要があります。
2. 多子世帯かどうかは、生計維持者の住民税情報にある「扶養親族」の数で判定する
多子世帯に当たるかどうかは、JASSOが生計維持者の住民税情報などをもとに判定します。数えるのは、生計維持者が扶養している「子ども」の人数です。
2.1 申告した子どもの数と、住民税情報の扶養親族の数の少ないほうが3人以上
JASSOによると、申告した生計維持者の子どもの数と、生計維持者全員の住民税情報における扶養親族の合計数のうち、小さいほうの数が3以上で、学生が生計維持者に扶養されている場合が対象です。
2026年10月以降の支援区分は、2025年12月31日時点の世帯の状況で判定します。使うのは、2025年1月〜12月の所得と、それにもとづく2026年度の住民税情報です。
2.2 2026年度から、年収123万円超160万円以下の学生世代も「子ども」に数える
2026年度からは、特定親族特別控除の創設に伴い、扶養親族にならない程度の所得がある学生世代も「子ども」の数に加えられるようになりました。対象は19歳以上23歳未満(18歳の早生まれを含む)で、合計所得金額が58万円超95万円以下(年収123万〜160万円)の人です。
学生本人がこれに当たる場合は子どもとして数えられ、きょうだいが当たる場合は別に申告すると子どもの数に加わります。申告は、在籍する学校に申し出て、申告書と書類を提出します。
3. 修学支援新制度の支援区分は毎年10月に見直され、2026年10月以降の区分は9月4日から確認できる
支援区分は、毎年4月の在籍報告で報告した生計維持者と学生本人の経済状況にもとづいて見直され、10月以降の1年間の区分が決まります。多子世帯に当たるかどうかも、この見直しで確かめられます。
3.1 見直しの結果は、スカラネット・パーソナルの「支援区分適用履歴」で確認する
2026年10月以降の支援区分は、9月4日から、スカラネット・パーソナルの「詳細情報」タブにある「支援区分適用履歴」欄で確認できるようになりました。
文部科学省のQ&Aでは、再婚で生計維持者が2人になり、扶養する子どもが合わせて3人以上になった場合も、4月の在籍報告以降の見直しで確認できれば10月以降に反映されるとしています。
3.2 2026年1月1日〜8月31日に生まれた子は、書類を出せば加算される
2025年12月31日より後に生まれた子どもは、判定に使う住民税情報に入っていません。JASSOは、2026年1月1日〜8月31日に生まれた生計維持者の実子などについて、書類を提出すれば多子世帯の判定に加算するとしています。
多子世帯の授業料等減免は、私立大学なら授業料が年70万円、入学金が26万円まで減額されます。子どもの数は住民税情報の扶養親族で数え、年収123万〜160万円の学生世代は申告して加える仕組みです。
自分の10月以降の支援区分は、スカラネット・パーソナルの「支援区分適用履歴」欄で確かめられます。
ここからは、減免の上限を超える学費の準備と、きょうだいのアルバイト収入の確かめ方を見ていきます。
多子世帯の減免は、扶養している子どもの人数がそろっている間に受けられる支援です。上の子のアルバイト収入によって数え方が変わることもあるので、学費の計画は、きょうだいの収入の見込みと合わせて立てておくと安心です。
