4. こども誰でも通園制度の利用料を、月10時間使った場合で計算する

月々の支出は「単価×回数」に分けて書き出すと良いでしょう。

こども誰でも通園制度の利用料も、同じ形にすると家計の中での大きさがつかめます。

4.1 1時間300円の事業所を月10時間使う場合の利用料

標準の1時間300円の事業所を、上限の月10時間使う場合で計算すると、次のとおりです。

  • 減額がない場合:300円×10時間=月3000円
  • 1時間200円の減額を受けた場合:100円×10時間=月1000円
  • 1時間300円の減額を受けた場合:月0円

経過措置で利用可能時間を10時間未満にしている市町村では、月の上限もその時間になります。実際の利用料は事業所によって違うため、この計算は目安として見てください。

4.2 こども誰でも通園制度では、利用料とは別に実費がかかることがある

こども家庭庁の資料では、利用料とは別に、給食代・食材費、通園バス代、文房具代などの実費を徴収できるとしています。手引には、事業所が定めたキャンセルポリシーにもとづいてキャンセル料を徴収できることも示されています。

家計に組み込むときは、利用料だけでなく、こうした実費やキャンセル料の決まりも一緒に確かめておくと、月の支出を読み違えずに済みます。

5. 住民税非課税世帯かどうかは、前年の所得で決まる

住民税は前年の所得をもとに課税されます。住民税非課税かどうかも前年中の合計所得金額で判定されるため、出産や育児休業で収入が減った年の影響は、翌年度の住民税に表れます。

収入が変わった年と、税や保険料が変わる年のずれは、家計の計画で見落とされやすい点です。今年の収入ではなく、前年の収入で判定されることを前提に考えておくと安心です。

5.1 ほかの市町村から引っ越した世帯は課税証明書の提出を求められる

こども家庭庁のQ&Aでは、生活困窮家庭等負担軽減加算の対象かどうかを判断するために、ほかの市町村から転入した人には課税証明書などの証明資料を出してもらう必要があるとしています。マイナンバーによる情報連携では、税の情報を取得できないためです。

年度の途中で引っ越した場合は、前に住んでいた市区町村で課税証明書を取り寄せる手間がかかります。転居の予定がある世帯は、早めに準備しておくとよいでしょう。

6. こども誰でも通園制度を使う前に、市区町村と事業所で確かめたいこと

利用料の減額は、市区町村の認定と事業所の判断の両方が関わります。使い始める前に、次の点を確かめておきましょう。

  • 市区町村:月の利用可能時間が10時間か、経過措置で短くなっているか
  • 市区町村:利用料の減額の対象になるかどうかの確認方法と、必要な書類
  • 事業所:1時間あたりの利用料と、減額を行っているかどうか
  • 事業所:給食代などの実費と、キャンセル料の決まり

7. まとめ

こども誰でも通園制度は2026年4月から全国で始まり、保育所などに通っていない0歳6か月から満3歳未満の子どもが月10時間まで利用できます。利用料は1時間300円程度が標準で、所得割の合算額が7万7101円未満の世帯の利用料を事業所が減額すると、国から1時間200円までの加算があります。

住民税非課税世帯もこの区分に入りますが、減額するかどうかは事業所の判断です。月の利用料に直して家計の見通しを立てつつ、利用前に市区町村と事業所で確かめてみてください。

参考資料

和田 直子