4. 補装具費の受け取り方は「償還払い」と「代理受領」の2通り

補装具費は、受け取り方によって手元から出ていくお金が変わります。

4.1 償還払いは、いったん全額を支払ってから補装具費を受け取る

厚生労働省の資料では、償還払いの場合、利用者が補装具の購入や修理の費用を製作業者に全額支払い、そのあと市町村に請求して補装具費を受け取る流れになっています。基準額50万円の補装具なら、50万円をいったん用意する必要があります。

4.2 代理受領なら、支払うのは自己負担額だけ

代理受領の場合、利用者が製作業者に支払うのは自己負担額だけで、補装具費は市町村から製作業者に支払われます。手元の資金を大きく動かさずに済むので、預貯金を取り崩したくないご家庭にとっては心強い仕組みです。

どちらの方法で受け取れるかは、申請の段階で市町村の窓口に確かめておくと、支払いの時期に慌てずに済みます。

5. 補装具の修理や買い替えは「特別な支出」として家計の表に入れておく

補装具は長い期間使い続けるものですが、修理や買い替えはいずれやってきます。令和6年度の修理決定が10万1787件と、購入決定(14万9267件)の7割近くにのぼっていることからも、修理が身近な出費であることが分かります。

5.1 負担上限は月額なので、修理の時期が重なる月は上限を確かめる

市町村民税課税世帯の負担上限は月3万7200円です。補聴器を両耳で使う場合や、車椅子と装具を両方使う場合など、修理や買い替えの時期が近づいたら、その月の自己負担がいくらになるかを窓口で確かめておくと計画を立てやすくなります。

5.2 数年ごとの出費は、毎月の積み立てで準備しておく

車の買い替えや家電の更新のように数年ごとにやってくる出費を、毎月の生活費とは別の口座で積み立てている方もいるでしょう。

補装具の自己負担も、上限の3万7200円を目安に少しずつ準備しておくと、家計への影響をならせます。

6. 【確認したいこと】補装具費の借受けは、成長に合わせた交換が必要な場合などに限られる

補装具費は購入が原則ですが、借受け(レンタル)が適切と考えられる場合に限り、借受けにも支給されます。厚生労働省の資料では、次の3つの場面が挙げられています。

  • 身体の成長に伴い、短期間での交換が必要と認められる場合(姿勢保持装置の構造フレーム、歩行器、座位保持椅子)
  • 障害の進行により、短期間の利用が想定される場合(重度障害者用意思伝達装置の本体)
  • 購入の前に、複数の補装具の比較検討が必要と認められる場合(義肢、装具、姿勢保持装置の完成用部品)

お子さんの成長に合わせて何度も作り直す必要があるご家庭では、購入と借受けのどちらが使えるかを、市町村の障害福祉の窓口に相談しておくと選択肢が広がります。

7. まとめ

令和6年度の補装具費の購入決定は14万9267件、修理決定は10万1787件でした。購入決定は補聴器が4万7530件で最も多く、補聴器・装具・車椅子の3種目で7割を占めています。

自己負担は原則1割で、負担上限月額は市町村民税課税世帯が3万7200円、生活保護世帯と市町村民税非課税世帯は0円です。障害者またはその配偶者のうち市町村民税所得割の最多納税者の納税額が46万円以上なら、支給対象外になります。

受け取り方が償還払いか代理受領かで、いったん支払う金額は大きく変わります。購入や修理の前に、市町村の窓口で支給の流れを確かめておきましょう。

参考資料

和田 直子