失業保険(雇用保険の基本手当)は、会社を辞めれば誰でも受け取れるわけではありません。ハローワークは、「被保険者期間」と「失業の状態」という2つの条件を、離職理由ごとに確かめます。
この記事では、厚生労働省とハローワーク、内閣人事局の公表資料(2026年10月時点)をもとに、条件の中身を順番に整理します。被保険者期間を1か月と数える基準、倒産・解雇などの「特定受給資格者」と、期間満了や正当な理由のある自己都合の「特定理由離職者」の範囲、公務員の場合の退職手当まで確認します。
特定理由離職者のうち、期間の定めのある労働契約が満了して更新されなかった人の日数の特例は、離職日が令和9年3月31日までの人に限られます。受給できるかどうか、どの離職理由にあたるかは、個別の事情で変わります。最終的な判断は、ハローワークで確認してください。
1. 結論:条件は「被保険者期間」と「失業の状態」の2つ
基本手当を受け取るには、2つの条件を両方満たす必要があります。1つ目は、雇用保険の被保険者だった期間が、必要な長さに達していることです。2つ目は、ハローワークが定める「失業の状態」にあることです。
被保険者期間の長さは、離職理由によって変わります。自己都合退職など一般の離職者は、離職の日以前2年間に通算12か月以上が必要です。倒産・解雇などの特定受給資格者と、期間満了や正当な理由のある自己都合の特定理由離職者は、離職の日以前1年間に通算6か月以上あれば受け取れます。
「失業の状態」は、一般に使う「無職」とは意味が違います。働く意思と能力があり、求職活動をしても就職できないことが前提です。この2つの条件のどちらが欠けても、受給資格は認められません。
手続きの流れ、金額、日数の細かい決まりは、別の記事で整理しています。基本手当の全体像は、【雇用保険の基本手当】離職前6か月の賃金の5〜8割が90日から360日分。自己都合の給付制限は2025年4月から1か月に短縮されたが参考になります。
2. 条件1:被保険者期間は離職理由で「12か月」か「6か月」
被保険者期間の条件は、ハローワークの案内で次のように示されています。一般の離職者は「離職の日以前2年間に、被保険者期間が通算して12か月以上あること」です。特定受給資格者と特定理由離職者は「離職の日以前1年間に、被保険者期間が通算して6か月以上ある場合でも可」とされています。
ここで見落としやすいのは、「2年間」「1年間」を数え始める基準が、離職の日だという点です。入社から離職までの総勤続年数ではなく、離職の日からさかのぼった期間の中で、数えられる月がいくつあるかが問われます。
たとえば、同じ職場に5年勤めていても、退職前の2年間のうち、数えられる月が12か月に満たなければ、一般の離職者としては受給資格を満たしません。転職を繰り返した人や、勤務日数が少ない月が続いた人は、この線引きに注意が必要です。
どちらの要件にあたるかは、離職理由の判定で決まります。この判定を誰が、どう行うかは、後ろの章で取り上げます。
2.1 【離職理由別の被保険者期間の要件】
一般の離職者
- 主な例:自己都合退職など/被保険者期間の要件は離職の日以前2年間に通算12か月以上です
特定受給資格者・特定理由離職者
- 特定受給資格者の主な例:倒産、解雇、退職勧奨など/要件は離職の日以前1年間に通算6か月以上でも可です
- 特定理由離職者の主な例:期間満了で更新なし、正当な理由のある自己都合/要件は離職の日以前1年間に通算6か月以上でも可です
3. 被保険者期間の数え方:離職日から1か月ごとに区切る
被保険者期間は、「在籍した月数」ではありません。ハローワークの案内では、「離職日から1か月ごとに区切っていた期間に賃金支払いの基礎となった日数が11日以上又は賃金の支払の基礎となった時間数が80時間以上ある月を1か月と計算」するとされています。
区切りの起点は、離職日です。たとえば離職日が9月15日なら、8月16日から9月15日までが1つ目の区切りになります。その前が7月16日から8月15日まで、というように、1か月ずつさかのぼって区切ります。暦の月ごとではなく、離職日を基準にして区切る点が特徴です。
数えられるのは、区切った期間の中で「賃金支払の基礎となった日数が11日以上」の月、または「賃金支払の基礎となった時間数が80時間以上」の月です。どちらか一方を満たせば、1か月と数えます。日数が足りなくても、時間数が足りていれば数えられるのが、実務上の大きなポイントです。
ハローワークのこのページに、区切り方を示した図や例はありません。そのため、個別のケースがどう数えられるかは、離職票に書かれた賃金支払基礎日数をもとに、ハローワークが判断します。
4. 編集部の当てはめ:月9日勤務でも「81時間」なら1か月に数える
日数と時間数の「どちらか」で数える仕組みを、時給・日給で働く人の例に当てはめてみます。基準は公式の「11日以上」または「80時間以上」です。月給制の人は、賃金支払の基礎となった日数の数え方が異なる場合があるため、離職票の記載で確認してください。
1つ目は、月に12日、1日5時間働いた月です。日数は12日で、「11日以上」を満たすため、1か月に数えます。時間数は60時間で、時間基準は満たしていませんが、日数基準を満たせば十分です。
2つ目は、月に9日、1日9時間働いた月です。日数は9日で「11日以上」には届きません。一方で時間数は81時間(9日×9時間)になり、「80時間以上」を満たします。日数が少なくても、1日の勤務が長ければ、1か月に数えられます。
3つ目は、月に10日、1日7時間働いた月です。日数は10日で「11日以上」に1日届かず、時間数も70時間(10日×7時間)で「80時間以上」に10時間足りません。この月は、被保険者期間の1か月には数えられません。
このように、同じように「週に2〜3日働いた」という感覚でも、1日の勤務時間の違いで、数えられる月と数えられない月に分かれます。受給資格の見通しを立てるときは、日数だけでなく、月ごとの総労働時間も確認します。
4.1 【被保険者期間の1か月に数えられるか(時給・日給の例)】
前提条件:賃金支払の基礎となった日数が11日以上、または時間数が80時間以上ある月を1か月と数える(ハローワークの案内)。編集部の当てはめ2/2
出所:ハローワークインターネットサービス「基本手当について」の基準を基にLIMO編集部が試算
数えられる月
- 月12日・1日5時間:日数は12日で11日以上を満たすため、数えます(時間数は60時間)
- 月9日・1日9時間:日数は9日で11日に届きませんが、時間数が81時間で80時間以上を満たすため、数えます
数えられない月
- 月10日・1日7時間:日数は10日で11日に届かず、時間数も70時間で80時間に届かないため、数えません
5. 条件2:「失業の状態」は、働く意思と能力があっても就職できない状態
2つ目の条件は、失業の状態にあることです。ハローワークの案内では、「ハローワークに来所し、求職の申込みを行い、就職しようとする積極的な意思があり、いつでも就職できる能力があるにもかかわらず、本人やハローワークの努力によっても、職業に就くことができない」状態とされています。
ここでいう失業は、単に仕事をしていない状態とは違います。内閣人事局の資料も、失業を「労働の意思及び能力を有するにもかかわらず、職業に就くことができない状態」とし、「単に働いていないという状態は失業とは認められません」と明記しています。
認定を受けるには、求職活動の実績も必要です。ハローワークの案内では、認定対象期間中に原則2回以上の求職活動実績が必要とされています。ハローワークでの職業相談や、求人への応募などが、実績の例にあたります。
求職の申込みをしたうえで、就職に向けた活動を続けていることが、受給を続ける前提になります。申込みだけして求職活動をしなければ、認定は受けられません。
6. 退職しても対象外になる4つの場面:病気・育児・休養・家事
ハローワークの案内には、基本手当を受給できない場合として、次の4つの場面が挙げられています。「病気やけがのため、すぐには就職できないとき」「妊娠・出産・育児のため、すぐには就職できないとき」「定年などで退職して、しばらく休養しようと思っているとき」「結婚などにより家事に専念し、すぐに就職することができないとき」です。
どれも、退職はしていても、「いつでも就職できる能力と意思」という条件を満たさない状態です。働けるようになるまでの間は、基本手当の対象外になります。
ただし、受け取れる権利がなくなるわけではありません。病気やけが、妊娠・出産・育児などで引き続き30日以上働けない場合は、受給期間を延長できます。延長できる期間は、最長3年です。働けるようになってから、残りの日数を受け取る形になります。
延長の申請には期限があります。受給期間の仕組みと、延長の手続きは、別の記事で詳しく整理する予定です。まず離職したら、早めにハローワークに状況を伝えることが大切です。
7. 離職理由で変わる範囲:特定受給資格者と特定理由離職者
被保険者期間が6か月でよいかどうかは、離職理由が決め手です。ハローワークは、離職理由を、一般の離職者、特定受給資格者、特定理由離職者のどれかに分けて判定します。
特定受給資格者は、倒産や解雇など、会社側の事情による離職が中心です。ハローワークの範囲の案内には、倒産、事業所の廃止、解雇(自己の責めに帰すべき重大な理由による解雇を除く)、労働条件が事実と著しく相違していた場合、賃金(退職手当を除く)の3分の1を超える額が支払期日までに支払われなかった場合などが並んでいます。
労働時間に関わる項目もあります。離職の直前6か月のうち、いずれか連続する3か月で45時間、いずれか1か月で100時間といった時間外労働があった場合です。事業主から直接または間接に退職するよう勧奨を受けた場合や、使用者の責めに帰すべき休業が3か月以上続いた場合も含まれます。
期間の定めのある労働契約が更新されて3年以上雇用されたのに、契約が更新されなかった場合も、特定受給資格者の範囲に入ります。有期雇用の人にとっては、見落としやすい項目です。
なお、以上は範囲の抜粋です。全項目は、ハローワークの「特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲の概要」で確認できます。自分の離職がどれにあたるかは、必ずハローワークで確認してください。
8. 自己都合でも特定理由離職者になる例:体調・育児・家庭事情・通勤
自己都合退職でも、正当な理由があれば、特定理由離職者として扱われる場合があります。ハローワークの範囲の案内では、特定理由離職者を、大きく2つに分けています。
1つ目は、期間の定めのある労働契約の期間が満了し、更新がなかった場合です。ただし、本人が更新を希望したにもかかわらず、更新の合意が成立しなかった場合に限られます。この類型の日数の特例は、離職日が令和9年3月31日までの人に限られます。
2つ目は、正当な理由のある自己都合による離職です。例として、体力の不足、心身の障害、疾病、負傷、視力・聴力・触覚の減退などで離職した場合があります。妊娠、出産、育児等で離職し、受給期間の延長措置を受けた場合も入ります。
家庭の事情も対象です。親の扶養や親族の看護など、家庭事情が急変したことで離職した場合や、配偶者または扶養すべき親族と別居して生活を続けることが困難になった場合が挙げられています。
通勤が不可能または困難になった場合も、範囲に入ります。結婚に伴う住所変更、育児による保育所の利用、事業所の移転、配偶者の転勤や再就職に伴う別居の回避などが、案内に例示されています。企業整備による人員整理等で、希望退職者の募集に応じて離職した場合も含まれます。
8.1 【参考:国家公務員の失業者の退職手当・公式例の計算】
賃金日額と基本手当の日額
- 賃金日額は8182円で、退職の月前6か月の給与総額を180で割って求めます
- 基本手当の日額は5717円で、賃金日額に雇用保険法の計算式を当てはめて求めます
支給日数と支給総額
- 支給日数は57日で、所定給付日数90日から待期日数を引いて求めます
- 支給総額は32万5869円で、基本手当の日額に支給日数をかけて求めます
9. 離職理由の判定は離職票が出発点:異議があればハローワークに相談
離職理由は、会社が作る離職票に書かれた内容をもとに、ハローワークが受給資格の決定時に判定します。本人の申告だけで決まるわけではありません。
実際には事業主から退職を勧められたのに、離職票が自己都合退職として書かれている場合もあります。この場合、本人が自己都合のまま手続きをすると、特定受給資格者としての扱いを受けられない可能性があります。
ハローワークの案内では、「離職理由に異議がある場合は、ハローワークにご相談ください。ハローワークにおいて、事実関係を調査のうえ、離職理由を判定します」とされています。納得できない記載があれば、受給資格の決定のときに、その旨を窓口で伝えます。
退職勧奨や時間外労働が理由の場合は、メールや給与明細、勤怠記録などが、事実関係を説明する材料になります。退職前から、手元に残せる記録を整理しておくと、窓口で相談しやすくなります。
10. 【編集者の視点】
受給の可否を分けるのは、「何年働いたか」ではなく、「離職の日からさかのぼった期間に、数えられる月がいくつあるか」です。この読み替えが、制度の最大の見落としポイントです。
転職や休職を挟んだ人、勤務日数が少ない月がある人は、離職の前に、給与明細で月ごとの勤務日数と時間を確認しておくのが堅実です。数え方の判断は、最終的にハローワークが離職票をもとに行います。
自己都合退職を考えている人は、退職の前に、特定理由離職者にあたる事情がないかを整理しておくと、判定の場で説明しやすくなります。事情があるかどうかの判断は、一人で決めず、ハローワークで確認します。
11. 雇用保険の被保険者だったか:週20時間・31日以上が現行の線引き
被保険者期間は、そもそも雇用保険の被保険者だった期間にしか数えられません。厚生労働省の雇用保険制度のQ&Aでは、被保険者になる要件として、「1週間の所定労働時間が20時間以上であること」と「31日以上の雇用見込みがあること」が示されています。
つまり、週の所定労働時間が20時間に届かない働き方では、被保険者になれないため、働いた月があっても、被保険者期間には数えられません。複数のアルバイトを掛け持ちしていても、それぞれの勤務先で要件を満たしているかどうかが問題になります。
この線引きは、今後変わる予定です。厚生労働省の職業安定分科会雇用保険部会の資料によると、令和10年10月1日に、週の所定労働時間の要件が「20時間以上」から「10時間以上」に変わります。
あわせて、被保険者期間の算定基準も、「賃金支払基礎日数11日以上または80時間以上」から「6日以上または40時間以上」に変わると資料に示されています。失業の認定の基準も、「1日の労働時間4時間未満」から「2時間未満」に変わります。
この改正が実施されると、週の労働時間が短い人にも、雇用保険の対象が広がります。ただし、実施は令和10年10月1日からです。今離職する人には、現行の「20時間以上」「11日以上または80時間以上」が適用されます。
12. 公務員は雇用保険ではなく「失業者の退職手当」:勤続12月以上が目安
公務員の場合は、雇用保険の被保険者ではないため、失業保険の対象になりません。代わりに、国家公務員については、国家公務員退職手当法第10条に基づく「失業者の退職手当」が、基本手当に相当する役割を果たします。
内閣人事局の資料によると、支給の要件は、次の4つを全て満たすことです。原則として勤続期間が12月以上で退職した職員であること、退職手当の額が雇用保険法の失業等給付相当額に満たないこと、原則として退職の日の翌日から起算して1年の期間内に失業していること、待期日数を超えて失業していることです。
金額は、退職の月前における最後の6月に支払われた給与の総額を180で割って賃金日額を出し、雇用保険法の規定を当てはめて計算します。つまり、考え方は基本手当と共通です。
同じ資料に、公式の計算例があります。任期満了で退職した27歳、勤続1年、退職手当19万1505円の人の場合です。賃金日額は8182円、基本手当に相当する日額は5717円、支給日数は57日で、支給総額は32万5869円になります。
この計算例は、令和8年8月1日以後に退職した人の場合です。退職手当をすでに受け取っているため、所定給付日数90日の全てが支給されるわけではなく、先に受け取った退職手当に相当する日数(待期日数)が差し引かれる仕組みです。
地方公務員の場合は、所属する自治体の条例や規定で取扱いが異なります。この記事では、国家公務員の制度のみを確認しました。自分の場合にどうなるかは、勤務先の人事担当部署に確認してください。
13. 受給資格の決定に必要な持ち物:離職票・マイナンバー・身元確認・写真・通帳
条件を満たしそうなら、住居地を管轄するハローワークで、求職の申込みと受給資格の決定の手続きをします。ハローワークの案内では、持参する書類として、次の5点が示されています。
1つ目は、雇用保険被保険者離職票(−1、−2)です。2つ目は、個人番号の確認書類で、マイナンバーカード、通知カード、個人番号の記載のある住民票などが当てはまります。3つ目は、身元の確認書類です。運転免許証、運転経歴証明書、マイナンバーカード、官公署が発行した身分証明書などのうち1種類、または異なる公的医療保険証等2種類が必要です。
4つ目は、最近の写真2枚(正面上三分身、縦3.0cm×横2.4cm)です。5つ目は、本人名義の預金通帳またはキャッシュカードです。
会社から離職票が交付されない場合や、事業主が行方不明の場合は、住居地を管轄するハローワークに問い合わせます。離職票が手元にないからといって、手続きを諦める必要はありません。
受給資格が決まったあとは、待期、給付制限、失業の認定と続きます。この流れと自己都合の給付制限の期間は、先ほど紹介した基本手当の解説記事に詳しくまとまっています。60歳以降の退職の場合は、60歳で退職、転職活動する場合「失業保険(失業手当)」はもらえる?何日分・金額はいくら? 計算方法・給付率・給付日数・申請方法を確認も参考になります。
※本記事は、編集部が厚生労働省・ハローワーク・内閣人事局が公表する公式の最新一次資料を直接確認の上、執筆・検証しています。
14. 【編集者の視点】
受給資格の確認は、退職のあとではなく、退職の前に始めるのが理想です。被保険者期間の数え方、離職理由の区分、離職票の記載という3点は、どれも退職後に動かせない事実が多いためです。
特に、特定理由離職者の期間満了の特例は、離職日が令和9年3月31日までの人に限られます。契約更新の見込みが立たない人は、離職の時期と離職理由の整理を、早めにハローワークで相談しておくと安心です。
制度は毎年のように見直されます。令和10年10月には適用拡大が予定されています。最新の要件は、離職の前にハローワークの公式ページで確認してください。
15. まとめ
- 基本手当には、「被保険者期間」と「失業の状態」の2つの条件が必要です。被保険者期間は、一般の離職者が離職の日以前2年間に通算12か月以上、特定受給資格者と特定理由離職者は離職の日以前1年間に通算6か月以上です。
- 被保険者期間は、離職日から1か月ごとに区切り、賃金支払の基礎となった日数が11日以上、または時間数が80時間以上ある月を1か月と数えます。月9日勤務でも1日9時間なら81時間で数えられます。
- 失業の状態とは、働く意思と能力があっても就職できない状態です。病気・けが、妊娠・出産・育児、定年後の休養、家事への専念のあいだは、基本手当の対象外になります。
- 倒産・解雇などは特定受給資格者、期間満了で更新なしや正当な理由のある自己都合は特定理由離職者です。離職理由に異議があれば、ハローワークが事実関係を調査して判定します。
- 公務員は雇用保険の対象外で、国家公務員は失業者の退職手当が基本手当に相当します。雇用保険の被保険者になる要件は現行で週20時間以上・31日以上の見込みで、令和10年10月1日に週10時間以上へ変わります。
失業保険は、辞めたあとに手続きをすれば自動的に受け取れる制度ではありません。数えられる被保険者期間があり、失業の状態にあることを、ハローワークが確認して初めて受給が始まります。
離職を考えている方は、退職の前に、給与明細で月ごとの勤務日数と時間を確認し、離職理由の整理をしておくと安心です。個別の判断は、住居地を管轄するハローワークで確認してください。
16. よくある質問
16.1 Q. 失業保険をもらうための条件は何ですか?
A. 雇用保険の被保険者期間が必要な長さに達していることと、失業の状態にあることの2つです。被保険者期間は、一般の離職者で離職の日以前2年間に通算12か月以上、特定受給資格者と特定理由離職者は離職の日以前1年間に通算6か月以上が必要です。
16.2 Q. 被保険者期間は、どう数えますか?
A. 離職日から1か月ごとに区切った期間のうち、賃金支払の基礎となった日数が11日以上、または時間数が80時間以上ある月を1か月と数えます。個別のケースの判断は、離職票をもとにハローワークが行います。
16.3 Q. 働いた期間が12か月に満たないと、もらえませんか?
A. 自己都合退職など一般の離職者は、離職の日以前2年間に通算12か月以上が必要です。倒産・解雇などの特定受給資格者や、特定理由離職者にあたる場合は、離職の日以前1年間に通算6か月以上あればよいとされています。どちらにあたるかは、ハローワークの判定で決まります。
16.4 Q. 病気で働けないときは、どうなりますか?
A. 病気やけがのため、すぐには就職できない間は、基本手当を受給できません。引き続き30日以上働けない場合は、受給期間を延長できる制度があります。延長の可否と申請は、ハローワークで確認してください。
16.5 Q. 自己都合で辞めた場合は、条件が厳しくなりますか?
A. 一般の離職者として扱われると、離職の日以前2年間に通算12か月以上の被保険者期間が必要です。ただし、体調不良や家庭事情の急変など、正当な理由のある自己都合は、特定理由離職者として扱われる場合があります。判定はハローワークが行います。
16.6 Q. 離職票の離職理由が実際と違う場合は、どうしますか?
A. 離職理由に異議がある場合は、ハローワークに相談します。ハローワークが事実関係を調査したうえで、離職理由を判定する仕組みです。
16.7 Q. 公務員が退職したときは、失業保険をもらえますか?
A. 公務員は雇用保険の被保険者ではないため、失業保険の対象外です。国家公務員の場合は、国家公務員退職手当法第10条に基づく失業者の退職手当が、基本手当に相当する役割を果たします。地方公務員は、所属する自治体の規定を、人事担当部署に確認してください。
16.8 Q. 手続きには、何を持っていけばよいですか?
A. 雇用保険被保険者離職票(−1、−2)、個人番号の確認書類、身元の確認書類、最近の写真2枚、本人名義の預金通帳またはキャッシュカードです。離職票が届かない場合は、住居地を管轄するハローワークに問い合わせます。
参考資料
- ハローワークインターネットサービス「基本手当について」
- ハローワークインターネットサービス「特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲の概要」
- ハローワークインターネットサービス「雇用保険の具体的な手続き」
- 厚生労働省「雇用保険制度Q&A」
- 厚生労働省 職業安定分科会雇用保険部会「第205回資料1」
- 内閣人事局「失業者の退職手当の支給要件及び支給額算定基準」
齊藤 慧
