4. 国民健康保険料を納めきれないときは、分割納付と減免を窓口で相談できる

筆者が国民健康保険料の計算や徴収を担当していた頃、「今月はどうしても払えない」という相談を何度も受けてきました。納められない事情があるときに使える仕組みは、滞納の措置とは別に用意されています。

ここでは、市区町村の案内をもとに、相談するときに知っておきたい仕組みを確認します。

4.1 分割納付とは

西宮市は、失業や病気などのやむをえない事情で一時的に保険料を納められなくなった場合に、本来の保険料を一定の期間内に分けて納められると案内しています。災害や失業などで納められない事情がある人には、減免の制度もあるとしています。

柏市も、納付ができない特別な事情が起きたときは早めに相談するよう呼びかけています。どの市区町村でも、相談の入り口は国民健康保険の担当窓口です。

4.2 保険料の額そのものを引き下げる仕組みではない

西宮市は、分割納付は納めるべき保険料額を引き下げるものではないと明記しています。本来の保険料額と、分けて納めた金額との差額は滞納として残ります。

保険料そのものを軽くしたいときは、分割納付ではなく減免の対象になるかを尋ねることになります。窓口で計画を立てるときは、残る額と延滞金の扱いもあわせて確かめておくと安心です。

5. 特別療養費に切り替わる前に市区町村から事前の通知が届く

医療費をいったん全額払う特別療養費は、いきなり始まるわけではありません。国民健康保険法54条の3は、特別療養費にする前にあらかじめ通知すると定めています。

5.1 マイナ保険証の時代は、従来の資格証明書に代わって事前通知を行う

紙の健康保険証の廃止にあわせ、短期被保険者証の仕組みは廃止されました。滞納している人に交付していた被保険者資格証明書の代わりに、特別療養費の支給に変える旨の事前通知を行う規定が整えられています。

特別療養費の対象になった人は、マイナ保険証か、特別療養費の対象である旨が書かれた資格確認書を出して受診します。事前の通知が届いた段階で窓口に連絡すれば、納付の相談ができます。

5.2 特別療養費の間は限度額適用認定証を申請できない

中央区は、特別療養費の対象になると「限度額適用認定証」の申請はできないと案内しています。入院などで医療費が高くなっても、窓口でいったん全額を払うことになります。

大田区は、滞納している保険料がある場合、払い戻しの分をそこに充てるとしています。医療費の負担が大きくなる前に、納付の計画を立てておきたいところです。

6. まとめ

国民健康保険料を一部でも滞納している世帯は、令和7年6月1日現在で185万2301世帯、全世帯の11.9%でした。延滞金の割合は令和8年中は年2.8%と年9.1%で、9.1%に上がるまでの期間は3か月の区と1か月の市があります。

滞納が1年を過ぎると医療費をいったん全額払う特別療養費になり、1年6か月を過ぎると保険給付が差し止められることもあります。納めるのが難しいときは、督促状や事前の通知が届く前に、住んでいる市区町村の国民健康保険の窓口で分割納付や減免を相談してください。

参考資料

太田 彩子