5. 民間企業の定年は60歳が69.7%、継続雇用制度がある企業は94.7%
人事院は、国家公務員の勤務条件を検討する基礎資料として、民間企業の制度を毎年調べています。2026年9月30日に公表された「令和7年民間企業の勤務条件制度等調査」の結果から、定年の状況を確認します。
5.1 調査の対象は常勤従業員50人以上の企業
調査の対象は、常勤従業員数50人以上の企業7576社で、3767社が回答しました。回答率は50.9%です。令和7年10月1日現在の状況を調べています。
以下の割合は、特に断りのない限り、常勤従業員数100人以上の企業に占める割合です。
5.2 民間企業の定年は60歳が7割
事務・技術関係職種の従業員がいる企業のうち、定年制がある企業は99.7%でした。定年制がある企業を分母にすると、定年年齢が60歳の企業は69.7%、65歳の企業は24.4%です。
- 定年制がある企業:99.7%
- 定年年齢が60歳の企業:69.7%(定年制がある企業に占める割合)
- 定年年齢が65歳の企業:24.4%(同)
5.3 定年後の継続雇用は再雇用が中心
定年制がある企業のうち、定年後の継続雇用制度がある企業は94.7%でした。継続雇用制度がある企業に占める割合では、再雇用制度がある企業が93.6%、勤務延長制度がある企業が11.0%です。
再雇用制度がある企業の上限年齢は、65歳の企業が64.7%で最も多く、70歳の企業が20.1%、上限なしの企業が7.8%でした。
6. 民間企業の役職定年制は22.3%、地方公務員は60歳が基本
同じ調査では、一定の年齢で管理職から外れる役職定年制についても調べています。
6.1 役職定年制がある民間企業は22.3%
事務・技術関係職種の従業員がいる企業のうち、役職定年制がある企業は22.3%でした。企業規模が500人以上の企業に限ると30.4%です。役職定年制がある企業のうち、今後も継続するとした企業は、いずれも90%を超えています。
6.2 地方公務員の定年は65歳まで段階的に引き上げられている
地方公務員の定年は、国家公務員の定年引上げにあわせて、60歳から65歳まで2年に1歳ずつ段階的に引き上げられています。改正地方公務員法の施行日は、令和5年4月1日です。
あわせて、役職定年制(管理監督職勤務上限年齢制)も導入されました。対象は管理職手当の支給対象となっている職、役職定年の年齢は60歳を基本として、各団体の条例で定めます。
6.3 60歳を超えると給料月額は7割の水準になる
総務省は、国家公務員と同様に、当分の間、60歳を超える職員の給料月額を60歳前の7割の水準とする措置を、条例で講じるよう地方公共団体に要請しています。
1ページ目で見た年収は、職員全体の平均です。60歳を超えた職員の給料は7割の水準になるため、勤める市の平均と同じ年収が60歳以降も続くわけではありません。
銀行の窓口でご相談をお受けしていた頃、定年が近いご夫婦から「60歳以降の収入がどう変わるか分からない」という声をよく伺いました。勤務先の60歳以降の給料や役職の扱いは、60歳になる前の年度に任命権者から情報が提供されることになっています。届いた内容をもとに、家計の見直しを早めに始めておくと安心です。
7. まとめ
指定都市を除く772市の一般行政職について、令和7年4月1日現在の月収とボーナスから年収を試算すると、平均は658万1511円でした。最も高い東京都小平市は776万6600円、最も低い鹿児島県阿久根市は543万7500円で、差は232万9100円です。
差の多くは月収の側にあり、なかでも地域手当と時間外勤務手当の違いが大きく表れていました。
民間企業では定年60歳が69.7%、役職定年制がある企業は22.3%でした。地方公務員は定年が段階的に65歳へ引き上げられ、60歳を超えると給料は7割の水準になります。年収を比べるときは、勤め先の市の手当の水準とあわせて、60歳以降の給料の扱いも確かめておきましょう。
参考資料
- 総務省「令和7年地方公務員給与の実態」
- 人事院「令和8年民間企業の勤務条件制度等調査の実施等について」
- 人事院「令和7年 民間企業の勤務条件制度等調査 結果概要」
- 総務省「地方公務員法の一部を改正する法律(令和3年法律第63号)の概要」
- e-Gov法令検索「一般職の職員の給与に関する法律」
中本 智恵