4. 2026年8月の消費者物価指数を10大費目でみると、上昇率は費目ごとに大きく違う

ニュースで伝えられる物価の上昇率は、家計全体の平均です。自分の家計に当てはめるときは、費目ごとの上昇率も見ておきます。

4.1 10大費目別の前年同月比

2026年8月分の消費者物価指数で、10大費目の前年同月比は次のとおりでした。

  • 食料:3.1%
  • 住居:1.0%
  • 光熱・水道:-0.3%
  • 家具・家事用品:4.9%
  • 被服及び履物:1.5%
  • 保健医療:3.0%
  • 交通・通信:2.3%
  • 教育:-3.8%
  • 教養娯楽:2.2%
  • 諸雑費:0.7%

いちばん高い家具・家事用品の4.9%と、いちばん低い教育の-3.8%では、8.7ポイントの開きがあります。

4.2 食費の割合が大きい家計は、食料の3.1%でも試算する

資産運用の相談では、ニュースの数字だけでなく、ご自身の家計で支出の多い費目を一緒に確かめていました。

たとえば食費の割合が大きい家計なら、総合の1.9%ではなく食料の3.1%で試算すると、家計の実感に近くなります。100万円で見ると、食料の3.1%なら必要な増加分は3万1000円です。

5. 世帯の預金を夫婦で合算し、使う時期ごとに分けて書き出す

物価の上昇と預金の金利の差にどう向き合うかは、預金を「いつ使うか」で変わります。まずは世帯全体の預金を把握します。

5.1 口座ごとの残高を並べ、世帯の預金の合計を出す

夫婦それぞれの普通預金・定期預金を、金融機関ごとに書き出して合計します。名義ごとに見ていると、世帯としてどれだけの預金を普通預金に置いているかが見えにくいためです。

通帳を記帳していない口座や、ネット銀行の口座も忘れずに入れておきます。

5.2 1年以内に使うお金、数年以内に使うお金、当面使わないお金に分ける

合計が出たら、使う時期で3つに分けます。1年以内に使う生活費や予定している支出は、金利よりも出し入れのしやすさを優先して普通預金に置いておきます。

数年以内に使う予定のお金は、使う時期に満期を合わせた定期預金も選択肢になります。当面使う予定のないお金は、物価の上昇との差が年ごとに積み重なっていくので、預金以外の置き場所も含めて検討する部分です。

6. 定期預金の平均年利率も、2026年9月は0.472%と物価の上昇率を下回る

普通預金より金利の高い定期預金でも、物価の上昇率との関係は確かめておきます。

6.1 日本銀行の統計では、預入金額1000万円以上・1年の定期預金は年0.472%

日本銀行の「預金種類別店頭表示金利の平均年利率等」によると、預入金額1000万円以上・期間1年の定期預金の平均年利率は、2026年9月に0.472%でした。1年前の2025年9月は0.256%です。

同じ月の普通預金(0.322%)よりは高いものの、8月の消費者物価指数の上昇率1.9%には届いていません。

6.2 定期預金に預けるなら、満期を使う時期に合わせる

定期預金は、満期の前に解約すると、当初の金利より低い中途解約の利率になるのが一般的です。金利の高さだけで期間を決めず、そのお金を使う時期から逆算して期間を選びます。

金利の引き上げが続く局面では、期間を短めにして満期ごとに金利を見直す預け方もあります。どちらを選ぶ場合も、自分の口座の満期日と適用金利を通帳や取引明細で確かめておくと安心です。

7. まとめ

2026年8月の消費者物価指数は前年同月比1.9%の上昇で、普通預金の平均年利率0.306%とは1.594ポイントの差がありました。11月から大手銀行の普通預金やゆうちょ銀行の通常貯金は年0.500%になりますが、100万円を1年置いた試算では、物価の上昇分との差は1万5015円です。

物価の上昇率は費目によって違うため、自分の家計で支出の多い費目でも試算してみると実感に近づきます。世帯の預金を夫婦で合算し、使う時期ごとに分けて書き出しておくと、普通預金に残す額と、ほかの置き場所を考える額の線引きがしやすくなります。

参考資料

和田 直子