4. 東京都シルバーパスは住民税非課税「世帯」ではなく本人の住民税で判定する
住民税非課税世帯を対象にした制度の多くは、世帯の全員が非課税かどうかを見ます。東京都シルバーパスの負担額は、購入する本人の住民税が課税か非課税かで決まります。
4.1 同じ世帯の夫婦でも負担額が分かれることがある
たとえば、夫の住民税が課税で前年の合計所得金額が135万円を超え、妻の住民税が非課税なら、夫は1万2000円、妻は1000円です。世帯に課税されている人がいても、本人が非課税なら1000円で購入できます。
反対に、本人が非課税でも、同じ世帯の家族の課税状況によって負担額が変わることはありません。住民税非課税世帯に当たらない世帯でも、1000円の区分に入る人はいます。
4.2 合計所得金額135万円以下は課税の方だけにかかわる基準
135万円以下の基準は、住民税が課税されている方のうち、合計所得金額が低い方を1000円の区分に入れるためのものです。住民税が非課税の方は、合計所得金額にかかわらず1000円です。
合計所得金額は、給与や年金などの収入からそれぞれの控除を差し引いた所得を合計した額です。収入の額そのものではない点に注意が必要です。
5. シルバーパスの1000円の区分は介護保険料納入(決定)通知書で確かめる
1000円のパスを購入するときは、住民税の課税状況が分かる書類が必要です。東京バス協会のシルバーパスの案内では、次の書類が示されています。
5.1 課税状況の確認書類は3種類のうちいずれか1つ
- 介護保険料納入(決定)通知書(6月下旬から7月中旬に送付)
- 課税証明書(区市町村の役所・出張所で取得)
- 生活保護受給証明書(受付日から3か月以内のもの)
このほか、マイナンバーカードなど住所・氏名・生年月日を確認できる書類が要ります。1万2000円のパスの場合は、課税状況の書類は不要で、本人確認の書類だけで購入できます。
5.2 合計所得金額135万円以下かどうかは所得段階区分の欄で見る
住民税が課税の方が135万円以下に当たるかどうかは、介護保険料納入(決定)通知書の「所得段階区分欄」で確かめられます。東京バス協会の案内では、第1段階から第6段階(区市町村により異なる)か、「合計所得金額欄」に135万円以下と記載があれば該当します。
通知書に記載がない場合は、住民税の課税証明書で確認します。
6. シルバーパスのPASMO移行で変わった購入の手続きと費用
PASMOに移行したことで、購入の手続きにも変わったところがあります。東京都の広報(2026年9月1日)と東京バス協会の案内から確認します。
6.1 記名PASMOを持っていれば発行費用はかからない
手持ちの記名PASMOを使う場合は、PASMOの発行費用はかかりません。新しくPASMOを発行する場合は、負担額とは別に預り金500円とチャージ500円が加わります。
購入はシルバーパスの常設窓口で行います。バス営業所で購入した場合は、券売機での書き込みが必要とされています。
6.2 2026年の一斉更新は郵送と電子申請で行われた
2026年9月30日が期限だった1000円パスの更新は、電子申請か郵送申請で8月16日まで受け付け、届いた払込票で8月31日までにコンビニで支払う流れでした。入金のあと、順次新しいシルバーパス(PASMO)が届けられています。
7. まとめ
東京都シルバーパスは2026年10月1日からPASMOに移行し、有効期間は使用開始月の1日から1年間になりました。負担額は本人の令和8年度の住民税で決まり、非課税なら1000円、課税でも合計所得金額135万円以下なら1000円、それ以外は1万2000円です。
住民税非課税世帯を対象にした制度と違い、シルバーパスは世帯ではなく本人の課税状況を見ます。購入の前に、本人の介護保険料納入(決定)通知書で、住民税の課税状況と所得段階区分を確かめておきたいところです。
参考資料
- 東京都福祉局「シルバーパスについて」
- 東京都「東京都シルバーパス新規購入について 2026年10月からICカード(PASMO)に!」
- 東京バス協会「取得について」
- 東京バス協会「1000円パスをお持ちの方向け更新情報」
- 東京バス協会「4月~9月分(半期分)における購入負担額の1万255円から6000円への引下げについて」
- 練馬区「住民税が課税されない場合」
和田 直子