4. 60歳代で【フラット35】を申し込めるのは満70歳未満、借入期間は「80歳−申込時の年齢」まで
住宅金融支援機構は、【フラット35】を申し込める人の年齢と借入期間を次のように定めています。60歳代で固定金利の住宅ローンを考えるときは、まずこの条件を確認します。
4.1 申込時の年齢は満70歳未満、親子リレー返済なら70歳以上も可能
【フラット35】を申し込めるのは、申込時の年齢が満70歳未満の人です。親子リレー返済を利用する場合は、満70歳以上でも申し込めます。
4.2 60歳以上なら借入期間は10年以上、上限は80歳から年齢を引いた年数
借入期間は15年以上で、申込本人または連帯債務者が満60歳以上の場合は10年以上です。上限は「80歳から申込時の年齢(1年未満切上げ)を引いた年数」と35年のいずれか短いほうです。
たとえば、申込時にちょうど65歳なら借入期間は最長15年、68歳なら最長12年です(LIMO編集部の計算)。計算した年数が下限の10年より短くなる場合は、借入の対象になりません。
5. 残高697万円を15年で返すと、利息の合計は年1.195%で64万6799円、年3.510%で200万5079円
1ページ目の試算を、15年間の利息の合計で比べます。条件は同じく、元利均等返済・ボーナス返済なし・金利は一定です。
- 年1.195%の場合:返済額の合計761万6799円、うち利息64万6799円
- 年3.510%の場合:返済額の合計897万5079円、うち利息200万5079円
15年間で利息の差は135万8280円になります(LIMO編集部の試算)。ただし、変動金利は返済中に金利が見直されるので、年1.195%のまま15年続くとは限りません。
5.1 中央値300万円の残高なら、毎月の差は3248円
同じ条件で、中央値の300万円を15年で返す場合も試算しました。毎月の返済額は年1.195%で1万8213円、年3.510%で2万1461円で、差は3248円です。
残高が小さいほど、金利の違いによる毎月の差も小さくなります。信託銀行で資産運用のご相談を担当していた頃も、60歳代の方は「金利が上がったらどうなるか」を残高の大きさで受け止め方が違うと感じることがありました。
6. 60歳代の住宅ローンは、金利タイプと残りの返済期間を一緒に見る
変動金利で借りている場合、金利がどの時期に見直されるか、毎月の返済額がいつ変わるかは、借入の契約で決まっています。固定金利への借り換えを考えるときも、年齢の条件で借入期間が決まるため、残りの返済期間と合わせて比べることになります。
返済予定表で残高と完済予定の時期を確かめ、退職金などで繰上返済をする予定があるかどうかもあわせて書き出しておくと、金利タイプを比べるときの前提がそろいます。
7. まとめ
2026年10月の【フラット35】(借入期間21年以上35年以下・融資率9割以下)の最も多い金利は年3.830%、【フラット20】は年3.510%でした。三菱UFJ銀行の10月の変動金利(新規借入)は年1.195%です。
60歳代の住宅ローン残高は平均697万円、中央値300万円で、平均の残高を15年で返す試算では、2つの金利で毎月7546円、利息の合計で135万8280円の差が出ます。【フラット35】は申込時に満70歳未満で、借入期間は80歳から年齢を引いた年数までです。いまの金利タイプと残りの返済期間を返済予定表で確かめておきたいところです。
参考資料
- 住宅金融支援機構「最新の金利情報:長期固定住宅ローン【フラット35】」
- 住宅金融支援機構「【フラット35】ご利用条件」
- 三菱UFJ銀行「住宅ローン金利」
- 金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査2025年」
和田 直子