4. ゆうちょ銀行に2600万円を預けた場合、預金保険制度で保護される元本は1000万円
ゆうちょ銀行の預入限度額いっぱいまで預けた場合に、預金保険制度でどこまで保護されるのかを確認します。
4.1 通常貯金1300万円と定期性貯金1300万円は合算して判定する
預金保険制度の一般預金等は、貯金の種類ではなく1金融機関ごとに合算して判定します。通常貯金に1300万円、定額貯金や定期貯金に1300万円の合計2600万円を預けた場合、保護されるのは元本1000万円と破綻日までの利息等です。
残りの1600万円は、破綻した金融機関の財産の状況に応じて支払われる部分になります。ただし、2007年9月30日までに預けた定期性の郵便貯金は政府の支払保証の対象なので、この計算とは別に扱われます。
4.2 同じゆうちょ銀行の複数の口座は「名寄せ」でまとめられる
預金保険機構によると、金融機関が破綻した場合は、同じ預金者が同じ金融機関に持っている複数の口座を集約する「名寄せ」を行い、保護される額を確定します。
結婚や引っ越しで氏名や住所が変わったのに届け出ていないと、名寄せに時間がかかる原因になります。預金保険機構は、金融機関から生年月日などの照会があったときは速やかに手続きをするよう呼びかけています。
5. 通常貯金に利息がつくようになっても、振替口座と通常貯金は役割が違う
ゆうちょ銀行の振替口座は預入限度額の制限がなく、決済用預金として全額が保護されます。ただし、決済用預金は利息がつかないことが要件の1つです。
信託銀行で資産運用のご相談を担当していた頃、まとまったお金を1か所に置いている方から「利息のつく口座と、全額が守られる口座のどちらを選べばよいか」と聞かれることがありました。11月9日からは通常貯金が年0.500%になるので、利息を取るか、全額の保護を取るかという違いがはっきりしてきます。
日々の支払いに使う分と、当面使わない分を分けて考えると、どの口座にいくら置くかを決めやすくなります。
6. 預金保険制度の1000万円は、金融機関ごとに数える
預金保険制度の元本1000万円は、1金融機関ごとの上限です。ゆうちょ銀行とほかの銀行に分けて預けている場合は、それぞれの金融機関ごとに元本1000万円までが保護の対象になります。
ただし、金融機関が合併した場合などは、その後1年間に限り「1000万円×合併等に関わった金融機関の数」で保護される範囲が計算されます。預け先を分けるときは、それぞれの金融機関の名前と、合わせていくら預けているかを一覧にしておくと確認しやすくなります。
また、外貨預金は預金保険制度の対象外です。金利の高さで外貨預金を選ぶ場合は、円の貯金とは保護の扱いが違う点も押さえておきたいところです。
7. まとめ
ゆうちょ銀行の通常貯金と通常貯蓄貯金の金利は、2026年11月9日から年0.500%に引き上げられます。ゆうちょ銀行には通常貯金と定期性貯金でそれぞれ1300万円の預入限度額がありますが、預金保険制度で保護されるのは1金融機関ごとに合算して元本1000万円とその利息までです。
決済用預金に該当する振替口座は全額が保護され、民営化前に預けた定期性の郵便貯金には政府の支払保証が続いています。預けている額を貯金の種類ごとに確かめ、保護の範囲と並べて見ておきたいところです。
参考資料
- ゆうちょ銀行「貯金金利の引き上げのお知らせ」
- ゆうちょ銀行「ゆうちょ銀行には、いくらまで預けることができますか。」
- ゆうちょ銀行「預入限度額を超過したらどうなりますか。」
- ゆうちょ銀行「ゆうちょ銀行に預けているお金は、政府によって保護されていますか。」
- ゆうちょ銀行「貯金の政府保証は継続されますか。」
- 預金保険機構「預金保険制度の概要」
和田 直子