ゆうちょ銀行は2026年9月18日、11月9日から通常貯金の金利を年0.400%から年0.500%に引き上げると発表しました。利息が増えるのを機に、手元のお金をゆうちょ銀行にまとめておこうと考える方もいるかもしれません。

ただ、ゆうちょ銀行には1人当たりの預入限度額があり、万が一のときに預金保険制度で保護される範囲は、その限度額より狭く決まっています。

この記事では、ゆうちょ銀行の預入限度額と、預金保険制度で保護される貯金の範囲を、ゆうちょ銀行と預金保険機構の資料で確認します。

1. ゆうちょ銀行の通常貯金の金利は、2026年11月9日から年0.500%

まず、今回のゆうちょ銀行の金利引き上げの内容を確認します。対象は、ふだんの出し入れに使う通常貯金と、通常貯蓄貯金です。

1.1 通常貯金・通常貯蓄貯金は年0.400%から年0.500%に引き上げ

ゆうちょ銀行の発表によると、2026年11月9日(月)から、通常貯金と通常貯蓄貯金の金利はいずれも年0.400%から年0.500%に変わります。通常貯蓄貯金は、残高が10万円未満でも10万円以上でも同じ年0.500%です。

定額貯金や定期貯金などの定期性貯金についても、ゆうちょ銀行は引き上げを予定しているとしています。対象商品や改定後の金利、適用開始日は、確定しだいWebサイトで知らせるとしています。

1.2 通常貯金1300万円に年0.500%の利息がつくと、税引き前で年6万5000円

通常貯金の預入限度額いっぱいの1300万円を、年0.500%のまま1年間預けたと仮定すると、税引き前の利息は単純計算で6万5000円です(LIMO編集部の試算。実際の利息は日割りで計算され、税金が差し引かれます)。

金利がつくようになると、通常貯金に置いておく額も増やしやすくなります。そのときに確認しておきたいのが、預入限度額と預金保険制度の範囲です。

2. ゆうちょ銀行の預入限度額は、通常貯金と定期性貯金でそれぞれ1300万円

ゆうちょ銀行には、ほかの銀行にはない預入限度額があります。ゆうちょ銀行のよくある質問では、限度額を次のように案内しています。

ゆうちょ銀行の預入限度額と預金保険の保護範囲1/2

ゆうちょ銀行の通常貯金・定期性貯金・振替口座ごとに、預入限度額と預金保険での扱いを並べた表

出所:ゆうちょ銀行「ゆうちょ銀行には、いくらまで預けることができますか。」などを参考にLIMO編集部作成

【ゆうちょ銀行の預入限度額(お一人さまあたり)】

  • 通常貯金:1300万円
  • 定期性貯金:1300万円
  • 振替口座:制限なし

2.1 定期性貯金の限度額には、民営化前に預けた郵便貯金も合算する

定期性貯金の1300万円は、2007年(平成19年)10月1日以降に預けた定期性貯金と、2007年9月30日までに預けた郵便貯金の総額を合わせた金額です。昔から定額郵便貯金を続けている方は、その分も限度額に数えられます。

財産形成定額貯金などの財形貯金は、定期性貯金の1300万円とは別枠で550万円まで預けられます。

2.2 預入限度額を超えたときは、払い戻しや設定の変更を求められる

預入限度額を超えた場合、ゆうちょ銀行は限度額以内になるよう、払い戻しかオートスウィング基準額(通常貯金のご利用の上限額)の変更を求めるとしています。超えたままの状態が続くと、ゆうちょ銀行が基準額の変更や貯金の払い戻し、貯金払戻証書の発行・郵送を行うことがあります。

3. 預金保険制度で保護されるのは、1金融機関ごとに元本1000万円とその利息まで

ゆうちょ銀行は銀行法にもとづく銀行で、預金保険制度の対象金融機関です。預金保険機構の資料では、保護される預金等の範囲を次のように分けています。

預金保険制度で保護される預金等の範囲2/2

預金保険制度で保護される範囲を、決済用預金・一般預金等・対象外の3つに分けて示した表

出所:預金保険機構「預金保険制度の概要」を参考にLIMO編集部作成

【預金保険制度の保護の範囲】

  • 決済用預金(当座預金・利息のつかない普通預金など):全額保護
  • 一般預金等(利息のつく普通預金・定期預金・定期積金など):1金融機関ごとに合算して、預金者1人当たり元本1000万円までと破綻日までの利息等を保護
  • 対象外(外貨預金・譲渡性預金など):保護対象外

3.1 ゆうちょ銀行の貯金は元本1000万円まで、振替口座は全額保護

ゆうちょ銀行のよくある質問では、貯金商品は預金保険制度により元本1000万円までとその利息が保護され、決済用預金に該当する振替口座の預り金は全額が保護されると説明しています。利息がつく通常貯金は、決済用預金ではなく一般預金等の扱いです。

1000万円を超える部分は、破綻した金融機関の財産の状況に応じて支払われ、一部がカットされることがあります。

3.2 民営化前に預けた定期性の郵便貯金には、政府の支払保証が続く

2007年9月30日までに預けた定額郵便貯金などの定期性の郵便貯金には、民営化後も政府による支払保証があります。一方、通常郵便貯金などゆうちょ銀行に引き継がれた郵便貯金と、民営化後に預けた貯金には政府の支払保証はなく、預金保険制度で保護されます。

ゆうちょ銀行の通常貯金は2026年11月9日から年0.500%になり、通常貯金と定期性貯金にはそれぞれ1300万円の預入限度額があります。一方で、預金保険制度で保護されるのは、1金融機関ごとに合算して元本1000万円とその利息までです。

ゆうちょ銀行にいくら預けているかは、通帳やゆうちょ通帳アプリで貯金の種類ごとに確かめられます。定額貯金を続けている方は、満期や預け入れの時期もあわせて見ておくと整理しやすくなります。

ここからは、ゆうちょ銀行に2600万円を預けた場合の保護の範囲と、預け先を分けるときの考え方を見ていきます。

和田 直子

ゆうちょ銀行の預入限度額は、預金保険で保護される額とは別の仕組みです。限度額の内側に収まっていても、保護される元本は1000万円までという点を並べて見ておくと、預け先の整理がしやすくなると思います。