3. 給与所得者の配偶者控除等申告書は、改正後の給与所得控除で配偶者の所得を見積もる
年末調整で配偶者控除や配偶者特別控除を受けるには、勤務先に申告書を出します。令和8年分は、配偶者の所得の計算方法が変わっている点に注意が要ります。
3.1 提出は、その年最後に給与の支払を受ける日の前日まで
国税庁のタックスアンサーによると、年末調整で配偶者控除や配偶者特別控除を受けるには「給与所得者の配偶者控除等申告書」を、その年最後に給与等の支払を受ける日の前日までに、勤務先を経由して提出します。
国税庁のQ&Aでは、改正を反映した年末調整関係書類を、施行日の令和8年12月1日より前から提出しても差し支えないとしています。例年11月に書類を集める勤務先でも、改正後の基準で書けるということです。
3.2 配偶者に給与があるときは、74万円の給与所得控除を差し引いて計算する
国税庁のQ&Aは、給与所得控除の最低保障額が65万円から74万円に引き上げられたため、配偶者に給与所得がある場合は改正後の給与所得控除額で合計所得金額を出し、控除額を正しく記載する必要があるとしています。
前年の申告書を見ながら同じ要領で書くと、65万円で引いた所得を記入してしまうことがあります。今年は差し引く額そのものが変わっている、と覚えておくと書き損じを防ぎやすくなります。
4. 共働きの夫婦は、配偶者特別控除をお互いに受けることはできない
夫婦ともに給与があり、どちらの所得も133万円以下という世帯では、配偶者特別控除の扱いに決まりがあります。
4.1 配偶者の側が配偶者特別控除を受けていないことが要件
国税庁のタックスアンサーでは、配偶者特別控除の要件の1つとして、配偶者が配偶者特別控除を適用していないことを挙げています。夫が妻について配偶者特別控除を受けるなら、妻が夫について同じ控除を受けることはできません。
要件はほかに、民法の規定による配偶者であること、生計を一にしていること、青色申告者の事業専従者として給与の支払を受けていない(白色申告者の事業専従者でない)こと、本人の合計所得金額が1000万円以下であることなどです。
4.2 本人の所得が900万円を超えると、同じ配偶者の所得でも控除額は小さくなる
配偶者特別控除の額は、本人の合計所得金額によっても3段階に分かれます。配偶者の所得が62万円超95万円以下の場合、本人の所得が900万円以下なら38万円、900万円超950万円以下なら26万円、950万円超1000万円以下なら13万円です。
配偶者の年収だけを見て判断せず、本人の側の所得の区分もあわせて確かめておくと、年末調整の結果を見たときに戸惑いにくいでしょう。
5. 最後の給与が令和8年11月30日以前の人は、改正後の配偶者控除を確定申告などで受ける
年の途中で会社を離れた人は、改正後の配偶者控除の所得要件が年末調整で反映されないことがあります。
5.1 年末調整は、その年最後に給与を支払うときに行われる
国税庁のQ&Aでは、死亡による退職や海外転勤などで、居住者として最後に給与の支払を受けた日が令和8年11月30日以前の人の年末調整には、改正後の基礎控除や扶養親族等の所得要件などは適用されないとしています。
この場合、改正後の控除を受けるには確定申告などが必要です。退職した年の源泉徴収票を受け取ったら、配偶者の欄に記載があるかどうかを見ておくと、申告が必要かどうかを判断する材料になります。
6. まとめにかえて
令和8年分の配偶者控除は、配偶者の合計所得金額62万円以下が要件で、給与だけなら年収136万円以下が目安です。改正は令和8年12月1日に施行され、12月の年末調整で反映されます。
本人の合計所得金額が900万円以下なら、配偶者の給与収入が169万円までは控除額38万円が続き、そこから段階的に減って207万円を超えると0円になります。
勤務先に出す給与所得者の配偶者控除等申告書では、配偶者の所得を74万円の給与所得控除で計算し直します。税の扱いは今後の改正で変わることもあるため、記入の前に勤務先の案内と国税庁のページを確かめておくのが確かです。