4. 二人以上の世帯のうち勤労者世帯では、4人世帯の可処分所得は月60万640円

ここまでの数字は、働いている世帯と無職の世帯を合わせた二人以上の世帯の平均でした。家計調査では、世帯主が会社などに勤めている勤労者世帯について、収入の側も集計しています。

4.1 勤労者世帯の世帯人員別の可処分所得と消費支出(2025年平均)

可処分所得は、実収入から税金や社会保険料などの非消費支出を差し引いた、いわゆる手取りにあたる額です。勤労者世帯の2025年平均の1か月の可処分所得と消費支出は次のとおりです。

  • 2人世帯:可処分所得45万5913円、消費支出31万7202円
  • 3人世帯:可処分所得52万4448円、消費支出34万1655円
  • 4人世帯:可処分所得60万640円、消費支出37万2589円
  • 5人世帯:可処分所得60万1786円、消費支出37万474円
  • 6人以上の世帯:可処分所得58万7759円、消費支出39万9822円

いずれも1年間の平均を1か月当たりにした額で、賞与を受け取った月の収入も含めてならした数字です。毎月の給与の手取りとそのまま比べると、平均のほうが多く見える点に注意が必要です。

4.2 勤労者世帯の平均消費性向は、2人世帯の69.6%に対し4人世帯は62.0%

可処分所得のうち消費支出に回った割合を平均消費性向といいます。2025年平均の勤労者世帯では、2人世帯が69.6%、3人世帯が65.1%、4人世帯が62.0%、5人世帯が61.6%、6人以上の世帯が68.0%でした。

勤労者世帯の4人世帯は、世帯主の平均年齢が46.2歳です。教育費が増える時期に重なりますが、可処分所得のうち4割近くは消費支出に回らず、貯蓄やローン返済などに充てられている計算になります。

5. 子どもの進学や独立で、生活費の費目の大きさは入れ替わる

世帯人員別の生活費を並べると、家族の人数が変わる時期に、どの費目が増えたり減ったりするかが見えてきます。

5.1 二人以上の世帯の教育費は、2人世帯の月417円に対し3人世帯は1万887円

二人以上の世帯の2025年平均で、教育は2人世帯が月417円、3人世帯が1万887円、4人世帯が3万3198円でした。また、仕送り金は3人世帯が月9061円で、世帯人員別ではもっとも多くなっています。

信託銀行で資産運用のご相談を担当してきた立場から見ると、お子さまの進学や独立の前後は、毎月いくら残るのかが見えにくくなりやすい時期です。教育費が仕送りに変わるなど、費目が入れ替わる時期は総額だけを見ていると変化に気づきにくいものです。

5.2 子どもが独立したあとは、夫婦2人分の生活費を世帯単位で見直す

二人以上の世帯の2人世帯は、世帯主の平均年齢が68.5歳で、65歳以上の人員は平均1.24人です。子どもが独立したあとの夫婦2人の家計は、やがて年金を中心とした暮らしに移っていきます。

教育費が抜けた分をそのまま毎月の支出に回すのか、夫婦の老後資金として取り分けるのかは、夫婦それぞれの年金見込額や預貯金と合わせて、世帯単位で決めておくと話が進めやすいと考えています。

6. 家計簿の費目を家計調査の10大費目にそろえると、生活費の平均と比べやすい

家計調査の数字と自分の家計を比べるときは、費目の分け方をそろえることが近道です。

たとえば、スマートフォンの料金やガソリン代は交通・通信、学習塾の月謝は教育、家族へのお祝いは交際費として「その他の消費支出」に入ります。家計簿をつけている方は、まず1か月分をこの分け方で集計し直してみると、同じ世帯人員の平均とどこが違うかが分かります。

また、税金や社会保険料は消費支出に入らないため、手取りから生活費を引いて残る額を毎月確かめておくと、物価が上がった月にどの費目で吸収するかを考えやすくなります。

7. まとめ

総務省の家計調査によると、2025年平均の二人以上の世帯の消費支出は月31万4001円で、世帯人員別では2人世帯の28万1014円から6人以上の世帯の38万7505円まで開きがありました。2人世帯と4人世帯の差8万1909円のうち、約7割は教育と食料です。

東京都区部の消費者物価指数(2026年9月中旬速報値)は総合で前年同月比2.7%の上昇で、食料は3.2%の上昇でした。平均と比べるときは、世帯人員と費目をそろえたうえで、自分の家計のどこが違うのかを確かめておきたいところです。

参考資料

和田 直子