5. 【FPの視点】年末の駆け込み寄附の前に、住民税の目線で確かめたいこと
ふるさと納税は、年末にまとめて寄附をする人が多い制度です。住民税から差し引かれる仕組みを踏まえて、家計の目線で確認しておきたい点を整理します。
5.1 今年の収入見込みで、上限を計算し直す
上限の目安は、今年の所得をもとに計算される来年度の住民税所得割額で決まります。転職や育児休業、残業の減少などで今年の収入が前年より下がる見込みなら、前年の通知書をもとにした上限では寄附しすぎになるおそれがあります。
12月の寄附の前に、今年の源泉徴収票の見込み額や給与明細から、収入の見込みを確かめておくと安心です。
5.2 返礼品は、受け取る時期を分けて家計に生かす
お米や日用品などの返礼品は、毎月の食費や日用品費を抑えることにもつながります。ただし、年末にまとめて申し込むと、一度に届いて保管に困ることもあります。
定期便や発送時期を選べる返礼品を使って、受け取る時期を分散させると、家計のやりくりに組み込みやすくなります。
5.3 翌年6月の住民税の通知書で、控除が反映されているかを確認
ふるさと納税の住民税からの控除は、翌年度の住民税に反映されます。会社員の場合は、6月ごろに勤務先から届く住民税の決定通知書で、寄附金税額控除の欄に金額が入っているかを確かめましょう。
ワンストップ特例の申請書を出し忘れた場合や、申請後に確定申告をした場合は、控除の扱いが変わります。反映されていないときは、お住まいの市区町村や税務署に確認してください。
6. まとめにかえて
ふるさと納税の控除は、所得税、住民税の基本分、住民税の特例分の3つで構成され、ワンストップ特例を使うと全額が翌年度の住民税から差し引かれます。2026年度課税では1151万4000人が住民税の控除を受け、そのうち614万2000人がワンストップ特例を使っていました。
自己負担を2000円に抑えられる上限を決めるのは、住民税所得割額の2割です。総務省の計算式で試算すると、所得割額20万円・所得税率10%の人なら、寄附額の上限の目安は5万2100円になります。
2027年の寄附分からは特例控除額に193万円の上限が設けられますが、多くの人にとっては、これまでどおり所得割額の2割が目安です。年末の寄附の前に、住民税の通知書と今年の収入見込みを手元に用意して、上限を確かめてみてください。
参考資料
- 総務省「ふるさと納税のしくみ 税金の控除について」
- 総務省「ふるさと納税のしくみ ふるさと納税の流れ」
- 総務省「ふるさと納税制度」(制度の概要)
- 総務省「ふるさと納税に関する現況調査結果(令和8年度実施)」
- 総務省「令和8年度地方税制改正(案)について」
- 国税庁「No.1155 ふるさと納税(寄附金控除)」
村岸 理美