5. ハローワーク経由の就職は11万5178件、精神障がい者が最多
手帳は、障害者雇用枠での就職活動にもつながります。厚生労働省が2026年6月19日に公表した「令和7年度ハローワークを通じた障害者の職業紹介状況など」から、就職の状況を確認します。
5.1 新規求職申込件数は27万8136件で過去最高を更新
2025年度にハローワークで新たに求職を申し込んだ障がいがある方は27万8136件で、前年度比3.7%増えました。過去最高だった2024年度の26万8107件を上回っています。
一方、就職件数は11万5178件で、前年度比0.4%減とほぼ同じ水準でした。新規求職申込件数に対する就職件数の割合(就職率)は41.4%で、前年度から1.7ポイント下がっています。
5.2 精神障がい者の新規求職申込は全体の59.4%
障がいの種別にみると、精神障がい者の新規求職申込件数は16万5316件で、全体の59.4%を占めます。就職件数は6万6580件と前年度から1062件増え、全体の57.8%にあたります。就職率は40.3%でした。
身体障がい者の就職件数は2万1463件(就職率36.3%)、知的障がい者は2万2215件(同56.5%)でした。
5.3 精神障がい者の就職先は「医療,福祉」が41.4%
精神障がい者の就職件数を産業別にみると、「医療,福祉」が2万7567件(41.4%)で最も多く、「製造業」が7156件(10.7%)、「サービス業(他に分類されないもの)」が6746件(10.1%)、「卸売業,小売業」が6206件(9.3%)と続きます。
なお、厚生労働省は、就職件数がわずかに減った要因として、就労継続支援A型事業所への就職件数が前年度に比べて減ったことなどを挙げています。
6. まとめにかえて
精神障害者保健福祉手帳の所持者は、2024年度末で154万7433人となり、5年連続で増えています。等級別では2級が最も多く、前年度からの伸び率では3級が最も大きくなっています。
精神障がいは外見からは分かりにくいこともあり、本人が日常生活や社会生活のなかで抱えている困難が、周囲には伝わりにくい場合があります。精神障害者保健福祉手帳やそれに伴う各種制度は、そうした方の生活上の負担を軽減し、自立や社会参加を支えるための仕組みです。
東京都では、都営交通に関する制度をはじめ、手帳を持つ方を対象としたさまざまな支援が用意されています。また、手帳の有効期間は2年間で、有効期限の3か月前から更新を申請できます。
利用できる支援や条件は制度や地域によって異なります。「自分が利用できる制度が分からない」という場合には、お住まいの自治体の窓口やホームページで確認してみてください。
参考資料
- 厚生労働省「令和6(2024)年度衛生行政報告例の概況」
- 東京都福祉局「精神障害者保健福祉手帳」
- 国税庁「No.1160 障害者控除」
- 横浜市「税の知識(令和8年度版)個人の市民税」
- 厚生労働省「令和7年度 障害者の職業紹介状況等」
村岸 理美