日本ではハロウィーンはどのように広まり、進化したのでしょうか?

日本で初めてハロウィーンを取り扱ったのは、1970年代、キデイランド原宿店であると言われています。その後、1983年には、同キデイランド原宿店がハロウィーン商品の販売促進のために、ハロウィーンパレードを行いました。

ハロウィーンの認知度が急激に上昇したきっかけは、1997年に東京ディズニーランドで開かれた「ディズニー・ハッピー・ハロウィーン」での仮装イベントです。それ以来、東京ディズニーリゾートでは、ハロウィーンが秋の恒例イベントとなっています。

2000年代後半には、菓子メーカーがハロウィーンに着目し、ハロウィーン商品を毎年販売するようになりました。さらに、バラエティショップなどで仮装用品の販売が始まるなど、多方面からハロウィーンが急速に広まっていきました。とくに仮装については、もともとコスプレ文化に馴染みがあった日本では親和性も非常に高く、「悪霊から身を隠すための仮装」の範囲を大きく超えて、何でもござれのコスプレとして、独自の方向で進化していきました。

また、ハロウィーンのイベントが「SNS映え」することもあり、SNSの普及がハロウィーンのイメージの拡散を強く後押ししたと考えられます。

ハロウィーンが盛り上がりを見せる一方で、パレードの騒動や、ゴミの散乱、酔っ払いによるトラブルなどが多発するようになりました。とくに昨年は、渋谷で大量の逮捕者が出るなど、大きな社会問題となりました。これを受けて、今年の6月には、渋谷区議会でハロウィーンの路上飲酒を規制する条例が可決されています。

おわりに

日本のハロウィーンの盛り上がり方には、賛否両論ありますが、大きな経済効果があるのも事実です。日本人はクリスマスのように、本来は宗教的な行事も、恋人や家族と楽しむイベントとして受け入れ楽しんでいます。

ハロウィーンも、マナーを守って楽しむ分には、四季の美しい日本の季節行事の1つとして、また、大きなビジネスチャンスとして、盛り上がっていくことでしょう。

ハロウィーンは海外発の若者の文化という印象がどうしても強いですが、それを受け入れるのも日本文化の柔軟性。今年は、自分たちなりの方法で、ハロウィーンを楽しんでみてはいかがでしょうか。

【参考】
※「2019年の「ハロウィン」の推計市場規模は前年比約7%減の約1155億円」一般社団法人日本記念日協会 記念日文化研究所
 

広瀬 まき