夏の暑さが和らぎ、少しずつ涼しくなってくる頃から、テーマパーク、飲食店、菓子屋、バラエティショップ、などでは、徐々にハロウィーンモードになっていきます。10月に入れば、もう街はハロウィーン一色です。日本でのハロウィーンの盛り上がりは、近年では、和食や和菓子など、日本独自の文化にも広がりを見せています。
日本記念日協会によると、日本における2019年の「ハロウィーン」の市場規模は、約1,155億円と推計されています(※)。「クリスマス」が6,000億円とも7,000億円ともされる巨大な市場規模で、それに次ぐ位置づけを、「ハロウィーン」「バレンタインデー」「母の日」で競っている状況です。
それにしても、いったいいつから、日本でハロウィーンがこんなにも盛り上がってきたのでしょうか?私は、1982年生まれの37歳ですが、小さい頃にはハロウィーンのイベントを行ったという思い出がありません。外国の季節行事として認識していましたが、あまり日本には根付かないとも言われてきたと記憶しています。このような大規模な盛り上がりは、最近始まったように感じています。
今回は、ハロウィーンの起源や、どのように日本で定着していったのか、見ていきます。
ハロウィーンの起源
ハロウィーンはどのように生まれたのでしょうか?
ハロウィーンは、アイルランドやスコットランド、古代ケルト人のドイルドの信仰が起源だと言われています。ケルト人にとって1年の初めは11月1日であり、1年の終わりが10月31日。この日には、秋の収穫を祝うと共に、この世と霊界を自由に行き来できる時期であり、死者の霊が家族を訪ねてくると信じられていました。この時に悪霊も一緒に来ると信じられており、不気味な仮装で悪霊から身を隠し、魔よけのために焚火をしました。
このように、元々は古代ケルト人の宗教的な祭りからスタートしていますが、現在、アメリカなどでは宗教的な意味合いはほとんどなく、民間行事のひとつとなっているようです。
先祖の霊を迎えるという意味では、日本の盆踊りにコンセプトが近いと言えます。収穫を祝うという意味では、日本各地で開催される収穫祭でしょうか。
また、私の生まれた名古屋では、「和製ハロウィーン」とも呼ばれる、「お月見どろぼう」という行事があります。中秋の名月の時期に、子どもたちが各家を周り、お菓子やお団子をもらう風習です。お祭りの目的や風習は国や文化を超えて、相通じるものがあるというのは興味深いです。