4. 請求の期限は「2年」 埋葬料は亡くなった日から数えるので先に切れる

葬祭費も埋葬料も、請求できるのは2年までです。ただし、2年を数え始める日が給付ごとに違います。

  • 国保・後期高齢者医療の葬祭費:葬儀を行った日の翌日から2年
  • 健康保険の埋葬料:亡くなった日の翌日から2年
  • 健康保険の埋葬費:埋葬を行った日の翌日から2年

たとえば会社員が2024年9月に亡くなり、葬儀が10月だった場合、埋葬料は亡くなった日から数えるため、期限は2026年9月で、すでに過ぎています。

同じ日程でも国保の加入者だったなら、葬祭費は葬儀の日から数えるので、期限は2026年10月です。正確な期限の日は、加入していた保険の窓口で確かめてください。

亡くなってから葬儀まで日数が空いた場合ほど、埋葬料の期限は早く来ます。必要な書類は保険によって違うため、次の一覧で先にそろえておきましょう。

4.1 国保・後期高齢者医療の葬祭費に必要なもの

  • 亡くなった人の資格確認書や資格情報のお知らせなど
  • 葬儀を行った人が分かる書類(葬儀の領収書、会葬礼状など)
  • 申請する人の本人確認書類
  • 申請する人の口座が分かるもの

窓口は、申請する人ではなく、亡くなった人が住んでいた市区町村です。郵送で受け付けている自治体もあります。

4.2 健康保険の埋葬料・埋葬費に必要なもの

  • 埋葬料(費)支給申請書
  • 埋葬費の場合は、埋葬にかかった費用の領収書など
  • 申請する人と同じ名義の振込先口座

提出先は、亡くなった人(家族埋葬料なら被保険者)が加入していた協会けんぽの支部や健康保険組合です。

勤め先を通して出す場合もあるので、勤め先の担当部署にも確かめておいてください。

5. 相続税はかかる?基礎控除は「3000万円+600万円×法定相続人の数」

相続税は、正味の遺産の額が基礎控除を超えた場合にかかります。基礎控除は3000万円に、法定相続人1人につき600万円を足した額です。

  • 法定相続人が1人:3600万円
  • 法定相続人が2人:4200万円
  • 法定相続人が3人:4800万円

正味の遺産の額は、財産から借入金などの債務や葬式費用を差し引いて計算します。

国税庁「令和6年分 相続税の申告事績の概要」によると、亡くなった人のうち相続税の課税対象になったのは10.4%でした。

5.1 葬式費用として差し引けるもの、差し引けないもの

国税庁は、遺産から差し引ける葬式費用と、差し引けない費用を分けて示しています。

  • 差し引ける:火葬・埋葬・納骨の費用、遺体や遺骨の回送費用、お寺などへの読経料などのお礼、通夜など葬式の前後に欠かせない費用
  • 差し引けない:香典返しの費用、墓石や墓地の購入・借入の費用、初七日など法事の費用

自治体によっては、葬祭費の申請で葬儀の領収書の原本を提出します。相続税の申告が必要になったときに備えて、出す前にコピーを取っておくと安心です。

基礎控除を超えそうな場合や、差し引ける費用の判断に迷う場合は、税理士や税務署に相談してください。

6. まとめにかえて

葬祭費と埋葬料は、亡くなった人が入っていた保険で請求先が決まり、受け取る人も相続人とは限りません。

期限はどちらも2年ですが、埋葬料は亡くなった日から数えるため、葬祭費より先に切れます。葬儀から時間がたっている場合は、まず期限を確かめてみてください。

そのうえで、資格確認書などで加入していた保険を確かめ、亡くなった人が住んでいた自治体か、加入していた健康保険の窓口に問い合わせると手続きを始められます。

参考資料

中本 智恵