4. 高等職業訓練促進給付金で資格を取った人は2024年度に3041人、看護師が約3割を占める
高等職業訓練促進給付金を使って、どのような資格が取られているのでしょうか。こども家庭庁「ひとり親家庭等の支援について」から、2024年度の実績を確認します。
4.1 高等職業訓練促進給付金の資格取得者数は看護師が982人で最も多い
2024年度に高等職業訓練促進給付金を受けて資格を取得した人は3041人でした。資格ごとの内訳を見てみましょう。
- 看護師:982人
- IT関係等:702人
- 准看護師:480人
- 保育士:227人
- その他:200人
- 美容師:175人
- 社会福祉士:132人
- 歯科衛生士:77人
- 介護福祉士:35人
- 作業療法士:16人
- 理学療法士:15人
看護師が全体の32.3%、准看護師が15.8%で、看護職だけで半数近くを占めています。IT関係等の資格も702人(23.0%)にのぼりました。
4.2 資格を取得した3041人のうち、就職した人は2232人
資格取得者のうち就業に結びついた人は2232人でした。働き方の内訳は次のとおりです。
- 常勤:1659人
- 非常勤・パート:452人
- 自営業・その他:121人
看護師では、就職した839人のうち799人が常勤でした。2024年度の総支給件数は、すべての修学年次を合計して8580件です。
5. 母子家庭自立支援給付金・父子家庭自立支援給付金の実施の有無や上乗せは自治体で異なる
母子家庭自立支援給付金・父子家庭自立支援給付金は国の制度ですが、実際に支給するのは都道府県・市・福祉事務所設置町村です。そのため、お住まいの自治体の制度を確かめる必要があります。
5.1 制度を設けていない自治体に住んでいると支給の対象にならない
こども家庭庁は、制度を設けていない都道府県等に住んでいる場合は支給の対象にならないと注意を呼びかけています。
2024年度に実施していない自治体は、自立支援教育訓練給付金で37、高等職業訓練促進給付金で23ありました。都道府県・指定都市・中核市はどちらも100%実施しており、実施していないのは一般市等です。
申請窓口は、市に住んでいる方は市、町村に住んでいる方は都道府県の児童(ひとり親家庭)福祉主管課です。
5.2 横浜市は看護師・介護福祉士・保育士に「特定高等職業訓練促進給付金」を上乗せしている
対象資格や支給の内容を自治体が独自に広げている例もあります。横浜市では、看護師・介護福祉士・保育士の養成訓練を受ける場合、高等職業訓練促進給付金に「特定高等職業訓練促進給付金」を上乗せして支給しています。
- 扶養児童が2人以下:月額3万円
- 扶養児童が3人以上:月額5万円
住民税非課税世帯で扶養児童が2人以下の場合、通常の期間は月13万円、最後の12か月は月17万円を受け取れる計算です。※上乗せの有無や金額は自治体によって異なります。
6. 自立支援教育訓練給付金と高等職業訓練促進給付金は申請のタイミングで受け取れるかが変わる
自立支援教育訓練給付金は受講前に講座の指定を受ける必要があり、高等職業訓練促進給付金も自治体によっては申請した月の分からの支給になります。申請のタイミングを誤ると受け取れない場合があるため、流れを押さえておきましょう。
6.1 自立支援教育訓練給付金は受講を始める前に講座の指定を受ける
自立支援教育訓練給付金を受けるには、受講前に都道府県等から講座の指定を受ける必要があります。こども家庭庁は、必ず事前にお住まいの市(町村に住んでいる方は都道府県)に相談するよう案内しています。
横浜市の場合、手続きは次の順で進みます。
- ハローワークで雇用保険の教育訓練給付の受給資格を確認する
- 市に事前相談をする(講座が始まる2か月から1か月半前までに終える)
- 面談で母子・父子自立支援プログラムを策定する
- 講座指定申請書を提出し、講座指定の通知を受ける
- 受講・修了後、受講修了から30日以内に支給申請書を提出する
横浜市は、講座指定申請書の提出日以前に受講を始めてしまうと給付金を受け取れないと注意しています。
6.2 横浜市の高等職業訓練促進給付金は申請した月の分から支給される
横浜市の高等職業訓練促進給付金は、申請書類が市に届いた日の属する月の分からの支給で、さかのぼっての支給はしないとしています。すでに学校に通っている場合でも、要件を満たせば対象になる場合があります。
支給が始まった後も、横浜市では四半期ごとの出席状況証明書の提出や、毎年8月の現況確認があります。修了支援給付金は、卒業日から起算して30日以内に申請書を提出する必要があります。
また、求職者支援制度の職業訓練受講給付金など、趣旨が同じ給付を受けている場合は対象にならないと横浜市は案内しています。ハローワークの制度と組み合わせる予定がある方は、事前に窓口で確かめておきましょう。
7. まとめ
母子家庭自立支援給付金・父子家庭自立支援給付金には、講座の受講費用の60%(条件により85%)を支給する自立支援教育訓練給付金と、修業中の生活費として月10万円(住民税課税世帯は月7万500円)を支給する高等職業訓練促進給付金があります。
高等職業訓練促進給付金には児童扶養手当と同等の所得水準という要件がある一方、実施の有無や上乗せの内容は自治体によって異なります。
資格の取得を考え始めたら、講座や学校に申し込む前に、お住まいの市(町村の方は都道府県)のひとり親家庭の担当窓口に相談しておきましょう。
参考資料
- こども家庭庁『母子家庭自立支援給付金及び父子家庭自立支援給付金事業について』
- こども家庭庁『高等職業訓練促進給付金のご案内』
- こども家庭庁『ひとり親家庭等の支援について(令和8年4月)表紙・目次・現状・概要』
- こども家庭庁『ひとり親家庭等の支援について(令和8年4月)Ⅱ 就業支援』
- 横浜市『横浜市母子父子家庭自立支援教育訓練給付金』
- 横浜市『横浜市母子父子家庭高等職業訓練促進給付金』
中本 智恵