障害者向けの番組は、民営化すれば廃止されてしまうでしょうから、これは公共放送が担当するしかありませんね。

災害関連の情報などは、民放も取り扱うでしょうが、やはり国民の安心という観点からは公共放送があると安心です。

ニュースも公共放送が担うべきでしょう。もちろん、政府に忖度することなく、政府に都合の良いニュースも悪いニュースもしっかり流すということで。

民放の場合には、視聴率を追い求めて芸能関連ニュースばかり流すようなことになる可能性がありますから、政治、経済、国際情勢などのニュースも公共放送がしっかり担うことが必要でしょう。

娯楽番組等は分社化して民営化

娯楽番組等は、受信料を払わない人は見れない仕組みにすれば良いでしょう。しかし、そうなると民間の有料放送との違いがなくなりますから、公共放送が担当する必要はないので、分社化して民営化すれば良いでしょう。

民営化するとなれば、有料放送にするのではなく、スポンサーから広告料を得て無料で放送するという選択肢もあるでしょう。そのあたりのことは、民間会社ですから株主が考えれば良いことで、筆者が口出しすることではありませんね(笑)。

もっとも、当初は激変緩和措置が必要かもしれません。いきなり既存民放との競争に晒されると、大きな打撃を被る可能性もありますから、数年間は補助金を交付する、等々の措置は必要かもしれませんね。

公共放送の範囲はしっかり議論して決めるべき

政府の仕事はどこまでか、という点については、曖昧にされている部分も多いのですが、しっかりした議論が必要です。たとえば私立学校と国公立学校の役割分担をどう考えるのか、なぜ一般道路は政府が敷設するのに高速道路は利用者負担なのか、といった議論です。

それと同様に、公共放送の扱う範囲はどこまでか、しっかり議論しましょう。たとえば教養番組はどうでしょうか。国民の啓蒙という観点からは、公共放送が担うべきだ、という考え方もあるでしょう。国立の美術館や博物館があるのと同じ意味合いですね。

もっとも、切り分けは容易ではなさそうです。「クラシック音楽は教養番組だがロックは娯楽番組だ」「相撲は国技だから公共放送だが、他のスポーツは娯楽だから民営化だ」といった切り分けをして良いのか否か、等々は様々な意見があるでしょうから、活発に議論すれば良いと思います。

本稿は以上です。なお、本稿は筆者の個人的な見解であり、筆者の属する組織その他の見解ではありません。また、厳密さより理解の容易さを優先しているため、細部が事実と異なる場合があります。ご了承ください。

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塚崎 公義