3. 5000万円超・2000万円超は何人?所得の階級ごとの人数

所得1億円超の手前の階級も見てみます。所得が2000万円を超えて確定申告をした人を、階級ごとに並べたのが次のグラフです。

階級ごとの人数を合計すると、所得2000万円超は58万6542人、5000万円超は11万6367人です(編集部集計)。

所得の階級が上がるにつれて人数は大きく減り、所得1億円超の3万8000人は、2000万円超の人の1割にも届きません。10億円を超える人は1494人で、このうち100億円を超える人も67人います。

4. 所得1億円超の約6割は「給与」でも「事業」でもない。高所得者の所得の中身

統計年報では、申告した人を、どの所得が中心かによって区分しています。所得1億円超の3万8000人を区分ごとに見ると、次のとおりです。

所得1億円超のうち、給与所得者は1万1706人。最も多いのは「他の区分に該当しない所得者」の2万2862人3/3

令和6年分の所得が1億円を超えて確定申告した3万8000人の所得者区分別の内訳。他の区分に該当しない所得者2万2862人、給与所得者1万1706人、事業所得者2254人、不動産所得者639人、雑所得者539人

出所:国税庁「令和6年度 統計年報 2 申告所得税 2 所得階級別人員」をもとにLIMO編集部作成

最も多いのは「他の区分に該当しない所得者」の2万2862人で、全体の約6割です(編集部試算)。事業所得者ではなく、給与・不動産・雑所得のいずれも中心ではない人を指し、配当や譲渡、退職所得などが最も大きい人が含まれます。

給与所得者は1万1706人で約3割、事業所得者は2254人、不動産所得者は639人、雑所得者は539人でした。

所得がもう少し低い階級では、構成が大きく異なります。所得2000万円超3000万円以下の30万8589人のうち、給与所得者は21万9156人で、約7割を占めます(編集部試算)。

所得が1億円を超える層では、給与よりも、株式や不動産の売却益、配当などが所得の中心になっている人が多いと考えられます。売却した年だけ所得が大きくなった人も含まれるため、毎年1億円を超える所得がある人ばかりではない点にも注意が必要です。

4.1 資産が毎年生む所得に目を向ける

働いて得る給与には、時間や体力という限りがあります。一方で、株式や不動産などの資産は、配当や家賃、売却益といった形で所得を生み出します。資産の額だけでなく、その資産が毎年どれだけの所得につながっているかを意識することが、資産形成を考えるうえでの一つの視点になります。

ただし、売却益や配当は、所得の種類によって課税の方法や確定申告の要否が変わります。大きな売却を予定している場合は、事前に税理士や税務署に確認しておくと安心です。

5. まとめにかえて

令和6年分の所得が1億円を超えて確定申告をした人は全国で3万8000人で、東京都が1万5397人と約4割を占めました。都道府県別では、1000人を超えるのは8都府県にとどまります。

所得1億円超の人のうち給与所得者は約3割で、約6割は配当や譲渡などが中心の「他の区分に該当しない所得者」でした。

富裕層を資産の大きさだけでなく1年の所得の中身から見ると、高い所得の多くが給与以外から生まれていることが分かります。自分の県の人数とあわせて、確かめてみてください。

参考資料

宗形 佑香里