純金融資産1億円以上を保有する富裕層・超富裕層は、日本に約165万世帯あります。全世帯のおよそ3%にあたるこの層が、全体の資産の約26%を保有しています。

本記事では、資産を築いた方に共通する習慣を確認したうえで、富裕層の定義と世帯数、そしてこの層が増え続けている背景を見ていきます。

鶴田 綾
富裕層と聞くと特別な運用手法があるように思われますが、実際に挙げられる共通点はむしろ基本的なことの積み重ねです。なぜ富裕層は多額の資産を持つことができるのか、本記事では詳しく解説していきます。資産の規模にかかわらず参考になる部分がありますので、そこからお話しします。

1. 資産を築いた人に共通する3つの習慣

まとまった資産を持つ世帯に共通するのは、運用の手法そのものよりお金との向き合い方だといわれています。ここでは3つに絞ってお伝えします。

1.1 1.増やすことより、減らさないことを先に考える

大きく増やす方法を探すより、失わないための備えを先に整えるという考え方です。具体的には、当面の生活費を値動きのない形で確保し、そのうえで残りを運用に回します。この順番が逆になると、相場が下がったときに売らざるを得なくなり、損失が確定してしまいます。

1.2 2.資産の全体像を定期的に把握している

どの金融機関に何をいくら持っているかを一覧にして、年に一度は見直す。商品ごとの成績を追うのではなく、全体としてどう変化したかを見るという姿勢です。全体が見えていると、増やす必要があるのか、それとも守りに入る時期なのかの判断がしやすくなります。

1.3 3.目的ごとにお金の置き場所を分けている

老後の生活費、教育資金、いざというときの備えというように、目的別に置き場所を分けている点も共通しています。目的が決まっていれば、いつまでにいくら必要かも決まります。すると、そのお金にどれだけリスクを取れるかも自ずと決まってきます。何のためのお金かが曖昧なままだと、値動きのたびに判断が揺れることになります。

2. 富裕層の定義と、日本の世帯数

「富裕層」と呼ばれる資産家は、具体的にはどのような世帯なのでしょうか。野村総合研究所のレポートをもとに「富裕層」の定義について見ていきましょう。

2.1 《富裕層の定義》

野村総合研究所のレポートでは、純金融資産保有額の規模に応じて、日本の全世帯を5つの階層に分類しています。

具体的には、純金融資産が1億円以上の世帯を「富裕層」、その中でも5億円以上の世帯を「超富裕層」と定義しています。

2.2 保有資産額1億円以上の「資産家」たちは、日本にどのくらいいるの?

「富裕層+超富裕層」の合計は、165万3000世帯。これは、日本の全世帯の約3%に相当します。

  • 超富裕層(5億円以上):11万8000世帯/135兆円
  • 富裕層(1億円以上5億円未満):153万5000世帯/334兆円
  • 準富裕層(5000万円以上1億円未満):403万9000世帯/333兆円
  • アッパーマス層(3000万円以上5000万円未満):576万5000世帯/282兆円
  • マス層(3000万円未満):4424万7000世帯/711兆円

なお、富裕層と超富裕層が保有する資産の合計は469兆円。全世帯の保有資産額(1795兆円)の約26%が、上位約3%のトップ層に集中しているのです。

3. 富裕層・超富裕層はこの10年で約95%増加

「富裕層」「超富裕層」の2005年からの保有資産規模と世帯数の推移を見てみると、リーマンショックや東日本大震災の影響による一時的な落ち込みはありますが、長期的に見ると上昇傾向にあります。

とくに2011年以降は一貫して増加が続いています。

富裕層と超富裕層の「純金融資産保有額の合計」の推移をみてみましょう。

  • 2011年:188兆円
  • 2013年:241兆円
  • 2015年:272兆円
  • 2017年:299兆円
  • 2019年:333兆円
  • 2021年:364兆円
  • 2023年:469兆円

直近10年(2013⇒2023年)を比較すると、この2つの層が保有する純金融資産の総額は実に約95%も増加しています。

なお、富裕層の世帯数がこの10年でどう動いてきたかは、LIMOの記事「【純金融資産1億円以上】「富裕層」は日本に165万3000世帯、10年で約2倍に。上位層が持つお金はいくら?」でまとめています。