厚生労働省は2026年9月3日、令和8年度の地域別最低賃金の全国加重平均が1177円になると公表しました。前年度の1121円から56円上がり、10月1日から12月2日にかけて都道府県ごとに順次発効する予定です。
家族の健康保険の被扶養者のままパートで働いている方にとっては、時給が上がると年収130万円の基準に届いてしまわないかが気になるところです。
この記事では、健康保険の被扶養者になれる年収の基準を確認したうえで、時給1177円なら週何時間で基準に届くのかを試算します。
1. 健康保険の被扶養者になれる年収は原則130万円未満
会社員や公務員が入る健康保険には、収入の少ない家族を被扶養者として加える仕組みがあります。被扶養者として認定されるための年収の基準から確認していきます。
1.1 60歳以上や一定の障害がある方は180万円未満
被扶養者になれる年間収入の基準は、原則として130万円未満です。厚生労働省の事務連絡では、60歳以上の方や、おおむね障害厚生年金を受けられる程度の障害がある方は180万円未満とされています。
1.2 19歳以上23歳未満は令和7年10月から150万円未満
日本年金機構によると、令和7年10月1日以降に扶養認定を受ける19歳以上23歳未満の方は、年間収入の基準が150万円未満になりました。被保険者の配偶者は対象から除かれます。
年齢は、扶養認定日が属する年の12月31日時点で判定します。学生のアルバイトなどで年収が130万円を少し超えそうな場合も、この年齢に当てはまれば150万円未満が基準です。
1.3 同居なら被保険者の年収の2分の1未満であることも条件
年収の基準とあわせて、同居している場合は被保険者の年間収入の2分の1未満、別居している場合は被保険者からの仕送り額より少ないことが求められます。
健康保険の被扶養者になれる年間収入の基準は3つある1/2
出所:日本年金機構「19歳以上23歳未満の方の被扶養者認定における年間収入要件が変わります」、厚生労働省「労働契約内容による年間収入が基準額未満である場合の被扶養者の認定における年間収入の取扱いに係るQ&A(第2版)について」をもとにLIMO編集部作成
2. 最低賃金1177円なら、被扶養者の年収の基準に届くのは週何時間か
令和8年度の最低賃金の答申の中身と、時給から年収を出したときに被扶養者の基準に届く時間を見ていきます。
2.1 47都道府県で54円から65円の引上げ
厚生労働省によると、改定額は47都道府県で54円から65円の引上げです。最高額は1280円、最低額は1085円で、実際の時給は都道府県によって違います。
2.2 130万円は週21.2時間、150万円は週24.5時間で届く
時給×週の労働時間×52週で年収を出してみました。時給1177円なら、130万円に届くのは週21.2時間、150万円は週24.5時間、180万円は週29.4時間です。
時給1121円のときは、それぞれ週22.3時間、週25.7時間、週30.9時間でした。時給が上がったぶん、基準に届くまでの時間は1時間ほど短くなります。
たとえば週22時間働く場合、時給1121円なら年収128万2424円で130万円未満に収まります。時給1177円になると134万6488円となり、130万円を超えます。
19歳以上23歳未満の方なら、週22時間でも150万円未満に収まります。同じ時給・同じ時間でも、年齢によって結論が変わる点は押さえておきたいところです。
国民健康保険の窓口にいた頃、家族の扶養から外れて国民健康保険に入る手続きに来た方から、保険料の見込みを聞かれることがよくありました。被扶養者の判定は勤め先の健康保険が行うので、働く時間を増やす前に、家族の勤め先にも確かめておくと安心です。
