親の介護や子育てのために勤務時間を短くすると、給与が下がります。
厚生労働省は、令和9年1月から、療養・育児・介護と仕事を両立するために勤務時間の短縮等を行い、報酬が大幅に減少した方について、標準報酬月額の特例的な取扱いを開始する予定としています。
この記事では特例の対象と効く場所を確認したうえで、住民税非課税が高齢者の保険料に連動する仕組みを見ていきます。
1. 【高額療養費】令和9年1月から標準報酬月額の特例が始まる予定です
この特例は、保険料と高額療養費の両方に効きます。順に見ていきます。
1.1 対象は療養・育児・介護で報酬が大幅に減った方
厚生労働省の案内では、対象は療養、育児又は介護と仕事を両立するために勤務時間の短縮等を行い、報酬が大幅に減少した方とされています。
働き続けながら時間を減らした結果として報酬が下がった場合が想定されているということです。退職や休業ではなく、勤務を続けている人が対象に置かれています。
開始は令和9年1月からで、案内では「開始する予定」と書かれています。
1.2 効くのは標準報酬月額の算定
特例が働く場所は、標準報酬月額の算定です。
厚生労働省は、保険料や高額療養費制度の自己負担限度額の算定の基礎となる標準報酬月額について、特例的な取扱いを開始する予定としています。
つまり保険料の計算だけでなく、高額療養費でどの区分に入るかにも関わります。標準報酬月額は、この2つの共通の土台になっているということです。
根拠となる通知は「療養、育児又は介護により報酬が急減した者についての健康保険法及び厚生年金保険法の標準報酬月額の保険者算定の特例について」で、健康保険法と厚生年金保険法の両方が対象になっています。
1.3 いま上限額を窓口に反映させる2つの方法
特例を待たずにできることも確認しておきます。
平成24年4月1日からは、入院診療だけでなく外来診療についても、限度額適用認定証などを提示すれば、月ごとの上限額を超える分を窓口で支払う必要はなくなりました。
この取扱いを受けるには、マイナ保険証を利用するか、事前に限度額適用認定証を入手する必要があります。
逆に言えば、どちらも用意していないと、いったん通常の割合を窓口で払い、あとから戻してもらう流れになります。手元の現金がいったん出ていくかどうかが変わるということです。
なお外来も対象になったのは平成24年4月からで、それ以前は入院診療だけでした。通院での治療が長引くケースでは、この違いが効いてきます。
1.4 自分の保険者はマイナポータルか資格確認書で確かめる
問い合わせ先は、加入している制度によって変わります。
厚生労働省は、まず加入の保険者名を確認するよう案内しています。マイナ保険証の利用登録が済んでいる方はマイナポータルで、済んでいない方は「資格確認書」で確認できます。
記載が「○○健康保険組合」「全国健康保険協会」「○○共済組合」なら、その保険者へ。「○○国民健康保険組合」ならその国民健康保険組合へ。市区町村名が書かれていればその市区町村の国民健康保険の窓口へ、「○○後期高齢者医療広域連合」ならその広域連合へ問い合わせます。
なお特例は令和9年1月からの開始予定です。自分が対象になるかや実際の取扱いは、加入している保険者にご確認ください。
なお、高齢者の保険料への連動や、住民税非課税が複数の制度の基準になっている理由に関する詳しい解説は、下記の記事より一部を引用・参照しています。


