総務省統計局が2026年9月に公表した最新の統計によると、65歳以上の高齢者人口は過去最高を更新しました。

私自身もファイナンシャルプランナーとして日々相談を受けている中で、定年後も長く働き続けたいというご相談が非常に増えていると感じています。

働く目的は単なる生活費のためだけではありません。社会とのつながりや生きがいを求めて、働き続けたいと考える方も多くいらっしゃいます。

本記事では、最新の公表データをもとに、シニア世代の「人口」「働き方」「消費者トラブル」について解説します。

これからの時代を生きるためのお金の対策や、年金を受け取りながら働く際に知っておきたいポイントについて、金融知識が少ない方にもわかりやすく解説していきます。

1. 65歳以上は「3624万人」総人口の約3割、90歳以上も300万人を超える時代に

まずは「人口」に関する数字から見ていきましょう。

総務省統計局が発表した2026年9月15日現在の推計によると、65歳以上の人口は3624万人となり、総人口に占める割合は29.6%と過去最高を記録しました。

65歳以上人口及び割合の推移(1950年~2050年)1/4

65歳以上人口及び割合の推移(1950年~2050年)

出所:総務省統計局「統計からみた我が国の高齢者-「敬老の日」にちなんで-」

これは、人口4000万人以上の主要な39か国の中で最も高い水準となっています。

さらに注目したいのは、90歳以上の人口も306万人にのぼっているという点です。

かつては定年後の人生は10年や15年と考えられていましたが、今や「人生100年時代」という言葉の通り、老後の生活は非常に長い期間を前提に計画する時代に入っています。

このように長い期間を安心して過ごすためには、健康寿命(日常的・継続的な医療や介護に依存せず、自立した生活ができる期間)を延ばすことと同じくらい、「資産寿命(手元の資金が尽きない期間)」を延ばす工夫も重要です。

長く働き続けて収入を得ることは、この資産寿命を延ばす方法の一つといえるでしょう。

2. 60代後半の就業率は「54.5%」2人に1人以上が働く時代、65歳以上の働き方は?

次に「働き方」に関する数字です。

65歳以上の就業者数の推移(2015年~2025年)2/4

65歳以上の就業者数の推移(2015年~2025年)

出所:総務省統計局「統計からみた我が国の高齢者-「敬老の日」にちなんで-」

2025年のデータによると、65歳以上の就業者は943万人で、22年連続で増加しています。働く人全体のおよそ7人に1人が65歳以上という状況です。

年齢階級別の就業率を見てみると、65歳から69歳では54.5%、70歳から74歳では36.2%、75歳以上でも12.6%となっており、60代後半では2人に1人以上が働いていることがわかります。

一方で、役員を除く雇用者586万人の働き方を見ると、パートやアルバイトなどの非正規の職員・従業員が446万人と、全体の76.1%を占めています。

フルタイムで働いていた現役時代とは異なり、定年後は働き方や収入の形が変わる方も多いのが実情です。

しかし、これを必ずしもネガティブに捉える必要はありません。

非正規雇用という働き方には、ご自身の体力や親の介護、趣味の時間といったライフスタイルに合わせて、勤務日数や時間を調整しやすいというメリットもあります。

多様な働き方を選択することで、心身への負担を抑えながら、長く社会と関わり続けることもできるでしょう。

3. 65歳以上の消費者トラブル「約33万件」約半数は通信販売、3つの防衛策をみる!

長く働くことで得た大切なお金を「守る」ことも、これからの時代には欠かせません。そこで知っておきたいのが「消費者トラブル」に関する数字です。

国民生活センターの発表によると、2025年度の65歳以上の消費生活相談は33万497件にのぼりました。

契約当事者が65歳以上の年度別相談件数と相談全体に占める割合の推移3/4

契約当事者が65歳以上の年度別相談件数と相談全体に占める割合の推移

出所:独立行政法人国民生活センター「2025年度 65歳以上の消費生活相談の状況」

特に注意したいのが、通信販売に関するトラブルです。

65歳から69歳の相談のうち、約半数にあたる48.4%が通信販売に関するもので、他の年代と比べても高い割合となっています。

商品別では「化粧品」や「健康食品」が上位を占めており、「1回だけのお試しのつもりで注文したら、実は複数回の購入が条件となる定期購入だった」といった相談も多く寄せられています。

近年はスマートフォンを使って、誰もが気軽に買い物をできるようになりました。

便利な反面、画面に表示された小さな文字や条件を見落としてしまうリスクもあります。購入ボタンを押す前には、最低でも次の3つを確認しておきましょう。

  • 定期購入が必須条件になっていないか
  • 解約の申し出には期限があるか(次回発送の何日前まで、など)
  • 解約の連絡手段は電話か、ウェブサイトか

少しでも不安を感じた場合は、その場ですぐに契約せず、家族に相談したり、公的な相談窓口を活用したりすることも大切です。