4. 自己負担限度額を先に把握しておく
70歳未満の一般所得区分の場合、1カ月の自己負担限度額は「8万100円+(総医療費-26万7000円)×1%」で計算されます。総医療費が100万円のケースでは自己負担限度額は約8万7000円で、実際に支払う額はこの水準に抑えられます。
70歳以上や住民税非課税世帯には、さらに低い区分が適用されます。加入医療保険の案内でご自身の所得区分を確認しておくと、家計の医療費リスクが具体的になります。
4.1 多数回該当で自己負担がさらに下がる
直近12カ月で高額療養費に3回以上該当した場合、4回目以降は自己負担限度額がさらに低い区分に切り替わります。長期の高額医療になった場合、この多数回該当が効いてきます。
5. マイナ保険証で見落としやすい2つの確認事項
5.1 マイナポータルで保険証利用登録を確認する
マイナンバーカードを持っていても、保険証利用登録がされていなければ使えません。マイナポータルにログインして、登録済みになっているかを確認しておいてください。
5.2 限度額情報の共有に同意しているかを確認する
オンライン資格確認で医療機関に限度額情報を共有するには、初回受診時に「限度額情報の提供に同意」する必要があります。同意していないと限度額情報が伝わらず、通常の自己負担額を支払うことになります。
6. まとめにかえて
今回は、高額療養費制度とマイナ保険証の関係、そして令和8年8月からの年間上限を確認してきました。
マイナ保険証を提示すれば、オンライン資格確認によって限度額情報が医療機関へ自動的に共有され、窓口での支払いが自己負担限度額までに抑えられます。事前の申請は原則不要です。
ただし、オンライン資格確認に未対応の医療機関、90日を超える長期入院の追加減額、国民健康保険料の滞納がある場合では、手続きが必要になります。
また、令和8年8月からは年単位の上限が設けられました。住民税非課税に該当する区分では29万円または18万円、70歳未満の上位区分では最大168万円です。こちらは自動的に還付されるわけではなく、申請が必要です。
1つ目は、マイナポータルで保険証利用登録が済んでいるか。2つ目は、初回受診時に限度額情報の提供へ同意しているか。この2つが揃って初めて自動適用されます。
3つ目は、加入している医療保険でご自身の所得区分を確認すること。1カ月の自己負担限度額が分かれば、医療費でどこまで備えが必要かが具体的になります。
長期の治療が見込まれる場合は、多数回該当と年間上限も確認しておいてください。
制度の内容は改定されることがあります。実際の手続きにあたっては、加入している医療保険の最新の案内を確認してください。
まずはマイナポータルで保険証利用登録の状況を確かめるところから始めてみてはいかがでしょうか。
参考資料
奥田 朝
