保留は相手の言葉を遮断して、一方的に黙らせているのと同じこと。保留によって相手の時間だけでなく発言する権利を奪っているのと同じです。保留によってイライラする顧客が多いのはそういう状態へのストレスからくることが多いものです。

「お調べしますのでお待ちください」と言って、あえて保留にせずにそのまま調べてみてください。PCのキーボードのタッチ音はうるさくない程度に抑えることだけ忘れずに。話しかければいつでも答えてくれるという心理的な安心感を与えつつ、相手が一度冷静になる時間を作ることができます。

もし店舗のある業種で、電話ではなくクレームを言いに来店した場合にも、「少々お待ちください」とバックオフィスに下がるのではなく、その場で調べられるのならそうしましょう。懸命に調べている姿が見えることで、相手の怒りが落ち着くこともあります。

謝りすぎもNG、低めの声とあえて落ち着いたペースで

クレーマー対応で一番やってはいけないのが、謝りすぎることです。むやみやたらに謝ることで「お前は本当にわかって謝っているのか」と火に油を注いでしまうこともあります。

クレーマー対応で一貫して気を付けたいのは、謝るべきときにはしっかり謝るけれども、度を超さないことです。判明したこちらの不手際やミスについては丁重に謝る必要がありますが、まだ明らかになっていないことについてはむやみに謝ることはありません。

また、声が元々高い人も意識して低めの声で話すことが大事です。低い声で真剣に対応していることを伝えることができますし、低めの声には相手を納得させる力があります。また、話すペースもいつもより気持ちゆっくりめに話すようにするといいでしょう。

落ち着いたトーンで、色んなことを確かめるかのようにゆっくり話されると、相手も「こちらの話を聞いてくれている」「いろんなことを確認しようとしてくれている」と思うようになるものです。

まとめ

いかがでしたか。クレーマーの人たちはきちんと対応すればさらなるファンになってくれることも少なくありません。怖気つくことなく、とにかく冷静に対応することを心がけましょう。

大塚 ちえ