3. 家事・育児時間は夫1時間54分、妻7時間28分。共働きでも残る偏り

共働き世帯が増えたとはいえ、家庭内のタスク分担には依然として大きな偏りがあります。令和7年版「厚生労働白書・日本の1日」の調査では、6歳未満の子どもがいる家庭において、夫の家事・育児時間が1日平均「1時間54分」であるのに対し、妻は「7時間28分」。

6歳未満の子がいる家庭で、妻の家事・育児時間は夫の約4倍です4/4

6歳未満の子どもをもつ親が育児・家事に費やす1日の時間。夫1時間54分、妻7時間28分

出所:厚生労働省「令和7年版厚生労働白書・日本の1日」

妻が夫の約4倍の時間を家事・育児に充てている状態は、厚生年金に長く加入し続けるうえでの制約になります。年金制度の見直しだけでなく、家庭内の分担が変わらなければ、受給額の差は縮まりにくいままです。

4. 働き方の違いが、そのまま年金額の差になる

今回は、厚生年金の受給額分布と、その男女差の背景にある就業構造を確認してきました。

月額30万円以上を受け取っているのは全体の0.12%にすぎず、約8割は月20万円未満です。第3号被保険者は約641万人で、女性は前年比6.7%減と5年連続で減少しました。第1子出産後も仕事を続ける女性は53.8%まで増えています。

一方で、非正規雇用を選ぶケースは依然として多く、6歳未満の子がいる家庭の家事・育児時間は夫1時間54分に対し妻7時間28分と約4倍の開きがありました。この働き方の違いが、そのまま将来の年金額の差につながっています。

鶴田 綾
働き方が年金に効いてくるのは、厚生年金の加入期間と、その間の報酬で決まるからです。まずは「ねんきん定期便」でご自身の見込み額を確認してください。そのうえで、これから厚生年金に何年加入できそうかを数えます。数年でも加入期間が延びればその分、年金額は増えます。年金は一生受け取れるものですから、夫婦二人とも健康で働けるうちは働いて、少しでも受け取れる年金額を増やすことも大事です。

不足を埋める手段としては、NISAやiDeCoといった税制優遇制度の活用、家計の見直し、就労時間や雇用形態の見直しによる厚生年金加入期間の確保などが挙げられます。

まずはご自身とご家族の年金見込み額を確かめるところから始めてみてはいかがでしょうか。

参考資料

鶴田 綾