この記事の読みどころ

日本取引所グループの投資部門別売買状況によれば、4月第2週(4月11‐15日)の海外投資家の買い越し額は約3,800億円でした。4月第1週に約300億円の買い越しに転じ、2週連続で買い越しています。

海外投資家は1月から3月にかけて累計約5兆円売り越してきました。

熊本を中心とする地震の影響を海外投資家がどう見ているのか、4月第3週の動向に注目です。仮に買い越し姿勢が続くのであれば、相場のトレンドの転換を示唆することになりそうです。

4月に入り海外投資家の投資姿勢が買いに転換した

日本取引所グループの週次データによると、2016年は1月から3月まで毎週売り越していた海外投資家の日本株売買は、4月第1週に今年初めて約300億円の買い越しになり、第2週も連続の買い越しになりました。また、その金額も約3,800億円になる安定した買いが入ってきたという印象です。

海外投資家の姿勢の変化の背景は単純には語れませんが、米株の懸案事項であった金利・原油価格・業績に一定の安心感が出てきたからだと言えそうです。

日本株の相対的な出遅れに目をつけ、日本株にまつわる業績懸念や円高リスクを日本の株価がいったん織り込んだと見て、買いを再開したのではないでしょうか。新しい四半期に入って投資戦略の見直しが行われたというのが真相かもしれません。

海外投資家の買いに応じたのは個人

4月第2週の投資主体別動向をもう少し紐解くと面白いことが分かります。買い主体として海外投資家の次に積極的だったのは投資信託で、約1,000億円買い越しています。

一方、個人は約3,400億円と大きな金額を売り越しています。3月に買い越し姿勢だった個人は、上昇局面では手堅く売ってきました。

熊本の震災を海外投資家はどう見ているか、来週開示のデータに注目

4月第3週(18-22日)はG20の材料消化、熊本の震災の影響を評価する週になっています。これまでのところ、株価はじり高基調にあり、海外投資家の買いが続いているように見受けられますが、実際はどうなっているのか大いに注目です。

日本企業は3月決算期の発表を目前にしていますが、3週連続で海外投資家が買い越すならば、相場はトレンドの転換を意味することになるでしょう。

【2016年4月20日 投信1編集部】

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LIMO編集部