年金生活者支援給付金の請求書(はがき型)が、9月1日から順次届いています。次の年金支給日は10月15日で、10月分からは対象となる所得の基準額が引き上げられます。

ただ、ご自身の年金額が基準を下回っていても受け取れないことがあります。この給付金の支給要件は、ご本人の所得だけでは決まらず、同一世帯の全員が住民税非課税であることが条件のひとつになっているためです。本記事では、この支給要件を確認したうえで、2026年度の給付基準額と請求手続きの流れを整理します。

菅原 美優
年金生活者支援給付金は、公的年金等の収入金額やその他の所得が一定基準以下の年金受給者の生活を支援するために、年金に上乗せして支給される制度です。ご自身の年金額は低いのに給付金の対象にならない、というご相談をいただくことがあります。多くの場合、同居しているご家族が住民税を納めていることが理由です。この制度は世帯単位で判断されます。まずは要件から確認していきましょう。

なお、給付基準額と請求手続きに関する詳しい解説は、下記の記事より一部を引用・参照しています。本文中の引用部分は引用ブロックで示しています。

【増額が決定!】2026年4月分からの「年金生活者支援給付金」給付基準額はいくらに?《支給対象になる人》や手続き方法を解説 《老齢・障害・遺族》年金受給者がプラスでもらえる給付金とは?
【増額が決定!】2026年4月分からの「年金生活者支援給付金」給付基準額はいくらに?《支給対象になる人》や手続き方法を解説 《老齢・障害・遺族》年金受給者がプラスでもらえる給付金とは?

1. 年金生活者支援給付金の支給要件

「年金生活者支援給付金」は、基礎年金を受給している人が、年金等の収入や所得の合計額が一定基準以下となる場合に受け取ることができるお金です。

「年金生活者支援給付金」は3種類あります。それぞれ詳細を見ていきましょう。なお、以下に挙げる所得の基準額は、いずれも令和8年10月分から適用される金額です。

1.1 【老齢年金生活者支援給付金】支給要件を見る

老齢年金生活者支援給付金の支給対象となるのは、下記の支給要件をすべて満たす方です。

  • 65歳以上の老齢基礎年金の受給者
  • 同一世帯の全員が市町村民税非課税
  • 前年の公的年金等の収入金額(※1)とその他の所得との合計額が昭和31年4月2日以後に生まれの方は82万6500円以下、昭和31年4月1日以前に生まれの方は82万4100円以下(※2)

※1 障害年金・遺族年金等の非課税収入は除く
※2 昭和31年4月2日以後に生まれた方で82万6500円を超え92万6500円以下である方、昭和31年4月1日以前に生まれた方で82万4100円を超え92万4100円以下である方には「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給される
※ 令和8年9月分までの基準額は80万9000円・80万6700円(補足的は90万9000円・90万6700円)。金額は厚生労働省「年金生活者支援給付金制度について」の令和8年10月時点による

1.2 【障害年金生活者支援給付金】支給要件を見る

障害年金生活者支援給付金の支給対象となるのは、下記の支給要件をすべて満たす方です。

  • 障害基礎年金の受給者である
  • 前年の所得(※)が491万8000円以下である(扶養親族等の数に応じて増額される)

※ 障害年金等の非課税収入は除く。令和8年9月分までの基準額は479万4000円

1.3 【遺族年金生活者支援給付金】支給要件を見る

遺族年金生活者支援給付金の支給対象となるのは、下記の支給要件をすべて満たす方です。

  • 遺族基礎年金の受給者である
  • 前年の所得(※)が491万8000円以下である(扶養親族等の数に応じて増額される)

※ 遺族年金等の非課税収入は除く。令和8年9月分までの基準額は479万4000円

2. 2026年度の給付基準額はいくらか

年金生活者支援給付金の金額は、物価変動に応じて年度ごとに見直されます。

2026年度については前年度より+3.2%の増額改定となり、6月に支給された4月分の給付金から増額率が適用されています。

2.1 2026年度の年金生活者支援給付金「支給金額は+3.2%の増額」

年金生活者支援給付金の支給金額1/3

年金生活者支援給付金の支給金額

出所:厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」をもとにLIMO編集部作成

  • 老齢年金生活者支援給付金(基準額):5620円
  • 障害年金生活者支援給付金:障害等級1級7025円・2級5620円
  • 遺族年金生活者支援給付金:5620円

出所:【増額が決定!】2026年4月分からの「年金生活者支援給付金」給付基準額はいくらに?《支給対象になる人》や手続き方法を解説 《老齢・障害・遺族》年金受給者がプラスでもらえる給付金とは?

老齢年金生活者支援給付金のみ、上記の基準額をもとに保険料納付済期間や免除期間に応じて実際の給付額が計算されます。遺族年金生活者支援給付金は、2人以上の子が遺族基礎年金を受給している場合、5620円を子の数で割った金額がそれぞれに支払われます。

3. 請求手続きの流れ

年金生活者支援給付金を受給するためには、必ず請求手続きが必要です。支給要件を満たせば自然に年金が増額される仕組みではありません。

ここでは、該当する方が多い2つのケース、「これから新たに老齢年金を受け取り始める人の場合」と、「すでに年金を受給中の人の場合」について、請求手続き方法を整理しておきましょう。

3.1 新たに老齢年金を受け取り始める人

  • 65歳になる3カ月前に、年金受給に必要な「年金請求書(事前送付用)」に同封されて、「年金生活者支援給付金請求書(A4型)」が届きます
  • 必要事項を記入し、受給開始年齢の誕生日の前日以降に、年金請求書と併せて年金事務所に提出します

3.2 すでに年金受給中の人

  • 毎年9月の第1営業日から「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」が順次郵送されます。2026年は9月1日から順次発送されています。
  • 2025年1月以降に、日本年金機構から「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」が届いた方は電子申請を利用できます。
  • 電子申請を利用しない場合は、必要事項を記載し、ポストに投函します

年金生活者支援給付金請求手続きのご案内(令和8年4月改定版)2/3

年金生活者支援給付金請求手続きのご案内

出所:日本年金機構「年金生活者支援給付金請求手続きのご案内リーフレット」

年金生活者支援給付金は、原則として請求した月の翌月分から支給が開始されます。

また、一度請求手続きをおこなえば、支給要件を満たす限り2年目以降は請求手続き不要で継続受給が可能です。