毎年9月、日本年金機構から「年金生活者支援給付金請求書」というはがきが届く人がいます。2026年度は9月1日から順次送られました。
この給付金は、年金に上乗せして支払われます。受け取るには請求書の提出が必要で、返送しないと支給は始まりません。
給付金は老齢・障害・遺族の3種類で、要件はそれぞれ違います。日本年金機構と厚生労働省の公表内容から、要件と2026年度の給付額を見ていきます。
1. 9月に届く年金生活者支援給付金請求書とはどんなものか
1.1 消費税率引き上げ分を活用した恒久的な制度
年金生活者支援給付金は、消費税率の引き上げ分を活用した制度です。公的年金等の収入金額や所得が一定の基準額以下の年金受給者を支援するため、年金に上乗せして支払われます。
始まったのは2019年10月で、厚生労働省はよくある質問のなかで、恒久的な制度なので支給要件を満たしているかぎり継続して受け取れると説明しています。
支払いは年金と同じ偶数月の中旬で、前月と前々月の2カ月分がまとめて振り込まれます。10月分と11月分なら12月中旬の入金です。
1.2 はがきは9月1日から順次送付、遡及の期限は2027年1月4日
日本年金機構は、新たに対象となる人へ請求書(はがき型)を毎年9月の第1営業日から順次送っています。はがきは緑の封筒に入って届きます。氏名などを記入し、同封の目隠しシールを貼り、切手を貼ってポストへ投函します。
2025年1月以降に届いた人は電子申請も選べます。はがきには、請求した場合の見込額(月額)が印字されています。緑の封筒をダイレクトメールと思い込み、開封しないままの人もいるので、注意しましょう。
また、提出期限を過ぎても手続きは可能です。支給要件に該当する人が2027年1月4日までに日本年金機構へ届くように手続きすれば、さかのぼって2026年10月分から受け取れます。間に合わなければ、請求した月の翌月分からの受け取りです。
2. 老齢・障害・遺族で異なる支給要件
3種類の要件は次のとおりです。いずれも所得の基準額は毎年10月分から切り替わり、9月に届く請求書は2026年10月分からの給付に対するものにあたります。
2.1 老齢年金生活者支援給付金は3つの要件をすべて満たす
老齢年金生活者支援給付金の支給要件は次の3つです。1つでも欠けると対象になりません。
- 65歳以上で、老齢基礎年金を受けている
- 請求する人を含む世帯全員の市町村民税が非課税となっている
- 令和7年(2025年)の年金収入金額とその他の所得の合計が82万6500円以下である
この基準額は1956年4月2日以後生まれの人の数字で、1956年4月1日以前生まれの人は82万4100円以下です。
基準額をわずかに超えた人にも受け取れる枠があります。1956年4月2日以後生まれで82万6500円を超え92万6500円以下、1956年4月1日以前生まれで82万4100円を超え92万4100円以下の場合は、補足的老齢年金生活者支援給付金の対象です。給付額は所得に応じて変わります。
なお日本年金機構のサイトは4月時点の内容で更新されているため、2026年9月分までの基準額である80万9000円が表示されています。10月分からの判定に使うのは、上に挙げた82万6500円のほうです。
2.2 障害・遺族は令和7年の所得491万8000円以下
障害年金生活者支援給付金と遺族年金生活者支援給付金は、要件が2つずつです。
- 障害:障害基礎年金を受けている/令和7年(2025年)の所得額が「491万8000円+扶養親族の数×38万円」以下である
- 遺族:遺族基礎年金を受けている/令和7年(2025年)の所得額が「491万8000円+扶養親族の数×38万円」以下である
扶養親族1人につき38万円が加算されます。同一生計配偶者のうち70歳以上の人と老人扶養親族は48万円、特定扶養親族と16歳以上19歳未満の扶養親族は63万円です。
3種類に共通して、日本国内に住所がないとき、年金が全額支給停止のとき、刑事施設等に拘禁されているときは支給されません。