2026年度は、国による一律の現金給付は行われない見込みです。しかし、既存の公的制度や手続きを活用することで、給付金を受け取ったり家計の負担を軽減したりすることは十分に可能です。
本記事では、一律給付が行われない背景を整理したうえで、シニア世代が利用できる給付金・支援制度や、自治体独自の優待制度についてわかりやすく解説します。
1. 2026年度は国による一律の現金給付が行われない見込み
これまで実施されてきた国の臨時の現金給付は、2026年度は行われない見込みです。
過去には、コロナ禍における特別定額給付金として1人10万円が支給されました。その後も住民税非課税世帯向けに3万円や10万円が支給されたり、定額減税に伴う調整給付が行われたりしてきました。
1.1 現金給付が行われない理由
理由としては、主に次の3つが考えられます。
1つ目は、一時的な緊急支援策が区切りを迎えたことです。感染症の拡大や急激な物価上昇の初期に対応するための全国的な支援が、一段落したという判断です。
2つ目は、事務コストや財政面の課題です。一律の現金給付には事務にかかる費用が大きいこと、給付金が消費ではなく貯蓄に回る割合が高いことなどが指摘されてきました。
3つ目は、支援の形そのものの見直しです。一括で配って終わりにするのではなく、低所得層や中所得層の負担を長期的に抑えられる制度設計へ移行する方針が進められています。
1.2 現在行われている支援
国による一律の現金給付はなくても、次のような形で生活支援や負担軽減の取り組みが行われています。
- 電気・ガス・ガソリンなどの料金の引き下げ
- 児童手当の拡充
- 年金生活者支援給付金などの既存制度による支援
- 自治体独自の支援
このうち注目したいのが、国から自治体へ配分される「重点支援地方交付金」を活用した支援です。自治体によっては、独自の商品券の配布やポイント還元、低所得層への給付などが実施されています。
2. シニアが使える給付金・支援制度
一律の現金給付がなくても、既存の制度を活用すれば給付や負担軽減を受けられます。主な制度の対象と要件を押さえておきましょう。
2.1 高年齢雇用継続給付
60歳以上65歳未満の雇用保険被保険者が、60歳以降も継続して雇用され、賃金が60歳到達時点に比べて75%未満に低下した場合に支給される給付金です。
支給要件
- 60歳以上65歳未満の一般被保険者である
- 被保険者であった期間が5年以上(※)ある
(※)被保険者期間が5年以上ない場合は5年を満たすことになった日から
支給額
支給額は「賃金×賃金の低下率に応じた支給率」で計算します。支給率は低下率によって変わり、低下率が64%以下になると最高の10%が適用されます。
2.2 高年齢再就職給付金
失業手当(基本手当)を受給してから再就職した方を対象とする給付金です。
基本手当を受給した後、60歳以後に再就職し、再就職先の賃金月額が基本手当の基準となった賃金日額の30日分の額の75%未満になった場合に、再就職先の賃金月額の10%を限度として支給されます。
支給要件
- 60歳以上65歳未満の一般被保険者である
- 基本手当の算定基礎期間が5年以上ある
- 再就職した日の前日における基本手当の支給残日数が100日以上ある
- 1年を超えて引き続き雇用されることが確実であると認められる
- 同一の就職について、再就職手当の支給を受けていない
2.3 高額介護合算療養費
医療保険と介護保険の自己負担額が高額になった場合に、その超えた分が支給される制度です。
対象期間は8月1日から翌年7月31日までの1年間。この1年間の自己負担の合算額が、年齢や所得に応じて設定された限度額を超えている場合に支給されます。
2.4 年金生活者支援給付金
年金収入やその他の所得の合計が一定の基準額以下の方に、年金へ上乗せして支給される給付金です。支給対象者には日本年金機構から案内書類が送付されます。
年金生活者支援給付金は、支給要件を満たしても手続きをしないと受け取れません。
日本年金機構から案内が届いたら放置せず、同封の請求書を速やかに返送しましょう。
ご自身が対象か不明な場合は、年金事務所への相談をおすすめします。

