3. 働いて補う前に、手元の数字を見ておく
給付で埋まるのは、下がった分の一部です。残りは貯蓄から出ることになります。では、その貯蓄はどれくらいあるのが普通なのでしょうか。
3.1 平均と真ん中は別の数字
LIMOの記事「「老後資金の平均はいくら?」の落とし穴。中央値1264万円と、平均を下回る66.1%の世帯」から引用します。
- 平均値: 2059万円(高額世帯が押し上げる)
- 貯蓄保有世帯の中央値: 1264万円(真ん中の世帯の金額)
- 平均値を下回る世帯: 66.1%(3世帯に2世帯)
- 負債現在高(平均): 675万円(貯蓄から差し引いて見る)
出所:LIMO「「老後資金の平均はいくら?」の落とし穴。中央値1264万円と、平均を下回る66.1%の世帯」
平均2059万円と真ん中1264万円で、795万円の開きがあります。平均に届いていない世帯が3世帯に2世帯という数字は、平均が上に引っ張られていることを示しています。
3.2 負債を引いて考える
負債現在高は平均675万円です。住宅ローンが残っていれば、貯蓄額をそのまま老後資金と見ることはできません。
貯蓄から負債を引いた金額が、実際に使える手持ちに近づきます。
4. 60歳を前に確かめておくこと
まず、60歳時点の賃金がいくらかを押さえます。給付の額は、この金額との比較で決まります。
次に、再雇用後の賃金が75%未満まで下がるかどうかです。下がらなければ給付は出ません。
そして、雇用保険の加入期間が5年に届いているかを確認します。届いていなければ、対象期間の始まりが遅れます。
5. まとめにかえて
高年齢雇用継続給付は、60歳以降の賃金が60歳時点の75%未満に低下した状態で働き続ける場合に支給されます。64%以下なら各月の賃金の10%相当額、64%超75%未満ならそれ未満の額です。
30万円が18万円になった例では、支給されるのは1万8000円です。各月の賃金が39万7369円を超える場合は支給されません。令和7年3月31日以前に60歳に達した人は、15%の旧ルールが適用されます。
給付で埋まらない分は貯蓄から出す必要があります。二人以上の世帯の貯蓄現在高は平均2059万円ですが、貯蓄保有世帯の中央値は1264万円で、平均を下回る世帯が3分の2を占めます。平均との距離ではなく、自分の手元の数字で考えることになります。
参考資料
LIMO編集部貯蓄解説班