3. 株主優待は「200株以上」が対象、100株保有では受け取れない点に注意

東京メトロの株主優待は、1単元(100株)ではなく2単元(200株)以上を保有していないと対象になりません。

3.1 200株から始まる株主優待、保有株数別の内容(基準日1回あたり)

200株を保有するには、9月15日終値(1,540円)換算で30万8,000円が必要です。

同社は、年2回(3月31日・9月30日)の株主名簿に記載された200株以上の株主を対象に、「株主優待乗車証」を発行しています。下表は各基準日1回あたりの発行枚数です。

3月31日・9月30日それぞれで同数が贈呈されるため、年間ではこの2倍の枚数が届きます。

所有株式数:乗車証の種類:発行枚数(基準日1回あたり):年間発行枚数(2回合計)

  • 200株以上400株未満:全線きっぷ(片道1回限り)3枚:6枚
  • 400株以上600株未満:同上6枚:12枚
  • 600株以上800株未満:同上9枚:18枚
  • 800株以上1,000株未満:同上12枚:24枚
  • 1,000株以上3,000株未満:同上15枚:30枚
  • 3,000株以上5,000株未満:同上45枚:90枚
  • 5,000株以上10,000株未満:同上75枚:150枚
  • 10,000株以上:全線定期乗車証1枚:2枚

「全線きっぷ」は東京メトロ線内であれば距離を問わず片道1回乗車できる乗車証です。

同社の普通運賃は180円(初乗り、きっぷ購入時)から330円(最長区間)まで幅があります。

10,000株以上を保有する株主には、有効期間中は乗り放題の「全線定期乗車証」が贈呈される点も見逃せません。

9月30日基準分の株主優待乗車証は12月頃に発送され、有効期限は翌年6月30日までです。

なお、「そば処めとろ庵」かき揚げトッピング無料券など「同社関連施設の各種優待券」は年1回、3月31日基準の株主のみが対象で、9月30日基準では対象外です。

株主優待の内容や条件は今後変更・廃止される可能性があるため、必ず東京メトロの公式サイトで確認してください。

利用時の注意:「全線きっぷ」「全線定期乗車証」は東京メトロ線内でのみ有効です。東急線・東武線・小田急線・JR線などへ直通運転で乗り継ぐ場合、優待乗車証は他社局線の運賃には使えず、別途その区間分の運賃を支払う必要があります。日常的に他社線へ直通で乗り継ぐ人は利用条件を事前に確認しておくと安心です。

3.2 配当利回り・優待利回りを合わせた「総合利回り」の目安

会社予想の年間配当44円をもとに計算すると、9月15日終値(1,540円)基準の配当利回りは2.86%です。

これに優待の価値を加えた場合の利回りは、どの区間で使うかによって幅があります。

  • 最長区間(330円)で使い切った場合:200株保有で年間6枚、1,980円分に相当し、優待利回りは約0.64%、配当と合わせた総合利回りは約3.5%(税引前)
  • 最短区間(180円、初乗り運賃)で使い切った場合:200株保有で年間6枚、1,080円分に相当し、優待利回りは約0.35%、配当と合わせた総合利回りは約3.21%(税引前)

実際の利用区間によって価値は変動するため、日常的な利用区間に応じてこの範囲で考えるのが実態に近い目安です。

3.3 権利付き最終日はいつか

国内株式の決済ルール「T+2」に基づくと、9月30日(水)の権利確定日に対して、以下の通りとなります。

  • 権利付き最終日:9月28日(月)
  • 権利落ち日:9月29日(火)

4. 配当は中間22円・期末22円の年間44円

同社は連結配当性向40%以上を基本方針とし、2025年度〜2027年度の中期経営計画期間ではDOE(株主資本配当率)3.4%程度の確保を掲げています。

2026年3月期の配当実績は中間21円・期末21円の年間42円でした。2027年3月期の会社予想は、中間22円・期末22円の年間44円です。

9月30日を基準日とする中間配当として、1株あたり22円が支払われる見通しになります。

5. 東京地下鉄の9月15日の株価

9月15日は1,540円(前日比:▲9.5円、▲0.61%)で取引を終えました。

指標は、PER(会社予想)17.88倍、PBR(実績)1.21倍、配当利回り(会社予想)2.86%、時価総額8,947億4,000万円です。

年初来高値は1,735円(2月16日)、年初来安値は1,316円(6月16日)。

同社は2024年10月23日に公開価格1,200円で上場しており、9月15日終値の1,540円はこの公開価格を28.3%上回る水準です(上場日の初値1,630円は下回っています)。

東京メトロの年間チャート1/1

東京メトロの年間チャート

出所:LIMO&ファイナンス

6. 記者コメント

今回の決算からは、人件費や修繕費だけでなく電気料までもが費用増加要因として挙がっており、コスト面の圧力が複数方向から運輸業の利益を押し下げている実態が見えてきます。

それでも会社側は配当を前期比2円増の年間44円とする計画を据え置いており、株主還元の姿勢は維持されています。

9月末の権利確定に向けて株主優待や配当を目的に投資を検討する場合は、200株(約31万円)という保有条件、権利付き最終日、そして優待乗車証が自社線内限定である点には注意が必要です。

【免責事項】

  • 本記事は一般的な情報提供のみを目的としており、特定の株式の購入や売却について助言や推奨するものではありません。本記事上の情報に起因、また関連して生じた損害や損失に関しては一切の責任を負いません。投資判断は最新の決算資料や市場動向などをご自身でご確認の上、自己責任で行ってください。
  • 株主優待の内容や条件などは変更される可能性があるため、必ず公式サイトでご確認ください。

参考資料

高原 祥子