あえて流行りをまったく無視したニッチな行動をするのも、資産形成になります。

「ニッチ」というのは、要は「大衆受けはしないけれど一定数の需要はある」ということです。大多数に注目されていないからこそ、価格も低めに設定されていることが多いので、費用対効果は優れている場合が多いのです。

私自身は、ニッチなモノが好きなので、激混みの人気スポットよりも、あまり人が行かない場所や、旬でないスポットに行くのが好みです。

最近だと、旅行でポルトガルのカスカイスというところに行ったのですが、友人に旅行先を話すと、「あんまりステータスシンボル(社会的地位を象徴するモノ)じゃないところに行っているよね。ほら、パリとかニューヨークとかハワイとかなら、『ザ・海外旅行』って感じで分かりやすいし、ステータスも高い感じじゃない」と言われました。

確かにポルトガルは歴史もありますし、ポートワインをはじめお酒や食事もおいしいのですが、決して「うらやましい」という言葉が最初に出るところではないかもしれません。

実際、ポルトガルに行く経由地として滞在したパリには中国人がわんさかいましたが、ポルトガルでは中国人にほとんど出会いませんでした。中国人にとっても、ポルトガルはまだニッチな国のようです。

私はといえば、大西洋を望むホテルに宿泊して、昼は世界遺産を巡ってポルトガルの歴史を知り、夜はおいしいワインと新鮮な魚介類を食べて、新しい知識の吸収と珍しい体験ができた上に、リーズナブルな価格でホテルに宿泊することができ、とても満足しました。

モノだけでなく、行く場所を選ぶときにも、流行りや旬のモノばかりに価値を見いださずに、「経験や知識が得られる」という理由で選んだりすると、「人間力」という資産になりますし、コストパフォーマンスもよいということになるのです。

ルール:モノでも旅行でも、流行りや旬を追うのではなく、自分にとって本当に価値ある場所を選ぼう

垣屋 美智子