10月に入り、「行楽の秋」というフレーズを目にすることが多くなってきましたが、話題の場所や旬の行楽地に出かける計画を立てたりしていますか?

「モノだけでなく日々のアクティビティーの中でも資産づくりの考えが応用でき、結果的に生活もワンラックアップする」と言うのは、企業や高額所得者に資産形成のアドバイスをしている資産形成アドバイザーの垣屋美智子さん。

※本稿は、垣屋美智子著『使えば増える!お金の法則―ワクワクしながら資産づくり―』(時事通信社)の一部を再編集したものです。

激混みの場所に行くのは、より”コスト”がかかる

モノを選んで購入するだけが、今日から始められる資産形成ではありません。日々のアクティビティーの中でも、資産形成のマインドは応用できます。

長く使うモノを選ぶとき、必然的にその候補から落とされていくのは流行りのモノでしょう。今年の流行りの色やスタイルは、来年には古くなってしまうので、多くの人は買わないと思います。

では、出かける場所はどうでしょうか。

活動的に過ごすことは、生活を楽しむ上で大切で、必ずしも浪費とはいえませんが、あえて資産形成の観点でいうと、人気スポットや人が多く集まる場所は、需要が供給を上回っており(需要>供給)、本来の価値以上のコストや時間がかかりそうです。

「人気のある場所に行くのは、やめた方がよい」とまでは言いませんが、コストがよりかかっているということを知っておくことは大切です。

たとえば、ディズニーランドのように年間を通して人気スポットである場合は、すでに混んでいることが定着しており、需給のバランスが「需要>供給」の位置で落ち着いているので、「それでも行く」、あるいは「行かない」という選択肢しかありません。

イースターやハロウィンなど、期間限定のイベントがうまく提供されており、供給をうまくコントロールして、私たちが時期をずらして行くということができない状況をつくり出しています。実際に私たちが行ったときの体験がよかったからこそ、「需要>供給」のバランスが維持され続けているのです。

一方で、時期をずらせば「需要>供給」が「需要=供給」、もしくは「需要<供給」になるケースもあります。

たとえば、ニューヨークのハンバーガーショップのシェイクシャック(Shake Shack)。日本 の第1号店が東京青山外苑前にオープンした際には、メディアでも大きく取り上げられ、毎日、長蛇の列ができていました。

その当時、私は毎日お店の前を通って通勤していましたが、朝早くオープン前から並ぶ人がいて、行列が1日中途切れないという状態でした。けれどその行列も、2号店がオープンしたころから徐々に短くなり、1年もたたないうちに並ばなくても買えるようになりました。

このケースは、需要が減ったというより、供給が時間とともに増えていったために、短期間しか供給不足である時期がなく、旬のモノだったといえます。

供給不足のレアな時期に行ったという体験が重要なのでなく、シェイクシャックのハンバーガーを食べるというのが目的であれば、少し時期をずらせば、より楽に達成できたのです。

レアであることに自分のコスト(時間)をかけるのか、時期をずらすのか、それは自分次第ですが、検討する価値はあると思います。

「流行りや旬をあえて避ける」行動のメリットは?