2. 7段階の区分は、その後の何を決めるのか
基準時間で区分が決まったあと、その区分は使えるサービスと担当する窓口を左右します。認定を受けたあとに状態が変わった場合の道も用意されています。
区分の意味は、LIMOの記事「要介護度は本人や家族の大変さで決まる?実際は「要介護認定等基準時間」という統計指標をコンピュータと専門家会議の2段階で判定する仕組みを解説」から要点を借りて確認します。
2.1 区分は非該当を除くと7段階
まず区分の並びです。
判定の結果、要介護度は「非該当(自立)」を除くと、要支援1・2、要介護1〜5の7段階に分かれます。一般的に、要支援は日常生活の一部に手助けが必要な状態、要介護は日常生活を送る上でより本格的な介護が必要な状態とされ、数字が大きくなるほど、より多くの介護の手間がかかると評価されたことを意味します。
出所:LIMO「要介護度は本人や家族の大変さで決まる?実際は「要介護認定等基準時間」という統計指標をコンピュータと専門家会議の2段階で判定する仕組みを解説」
数字の大小は、本人や家族が感じる大変さの順ではありません。同記事は、介護してくれる家族がいないから要介護度は高くなるはずと考えていると、実際には家族の有無や大変さの主観ではなく、本人の身体状況・認知機能をもとにした基準時間で判定される点に戸惑うことがあると指摘しています。
2.2 要支援と要介護でサービスの体系が違う
区分は軽い重いの違いだけではありません。
同記事によると、要支援は介護予防を目的とした介護予防サービス、要介護は介護サービスというように、利用できるサービスの体系自体が区分によって分かれています。
担当する窓口も変わります。要支援1・2は地域包括支援センターがケアプランを担当し、要介護1から5は居宅介護支援事業所のケアマネジャーが担当します。区分によって窓口が変わることは意外と知られていないと同記事は述べています。
転居や区分変更で担当が切り替わる際は、これまでの経過を新しい窓口にきちんと引き継いでもらうことも大切だとしています。
2.3 調査の場での振る舞いが結果を左右することがある
認定調査には実務上の落とし穴があります。
同記事によると、認定調査の際は、本人が調査員の前では普段よりしっかり振る舞ってしまい、実態より軽い調査結果になることがあります。
そこで、家族が普段の様子を具体的なエピソードとともにメモしておき、調査に立ち会って伝えることが大切だとしています。一次判定は認定調査の結果を入力して行われるので、この段階の内容が結果に効いてきます。
2.4 状態が変わったら更新を待たずに申請できる
認定を受けたあと、区分を変えられないわけではありません。
もう一つ見落とされがちなのが、要介護認定には有効期間があり、原則として更新のタイミングまで区分は変わらないと思われがちな点です。しかし、厚生労働省の資料によると、有効期間の途中で心身の状態が大きく変化した場合は、更新を待たずに「区分変更申請」を行うことができます。
出所:LIMO「要介護度は本人や家族の大変さで決まる?実際は「要介護認定等基準時間」という統計指標をコンピュータと専門家会議の2段階で判定する仕組みを解説」
認定の更新は半年から1年に一度だから、それまでは今の区分のままで我慢するしかないと思い込んでいると、状態が悪化して必要な介護サービスの量が増えたときに、実際の状態に見合わないケアプランのまま過ごしてしまうことがあると同記事は指摘しています。
入院・退院を機に状態が変わった場合や、急に介護の手間が増えたと感じた場合は、区分変更申請を検討する価値があるという整理です。
2.5 区分変更にも認定調査からやり直しが必要
ただし手続きには時間がかかります。
同記事によると、区分変更申請をすると、通常の認定申請と同様に認定調査・主治医意見書の手続きが再度必要になります。結果が出るまで一定の日数がかかります。
そのため、状態の変化に気づいたら早めに担当のケアマネジャーに相談し、申請の準備を進めておくとよいとしています。
3. 判定の物差しと、区分が決めることを分けて確かめる
ここまで、要介護認定の判定に使う物差しと、決まった区分が何を左右するのかを見てきました。
判定の側は、介護の必要度を測るものであって病気の重さとは一致せず、約3500人を48時間調べた1分間タイムスタディ・データから樹形モデルで要介護認定等基準時間を推計します。5分野の時間と認知症加算の合計で、要支援1が25分以上32分未満、要介護5が110分以上まで線が引かれます。この時間は家庭の介護時間とは別のもので、受けられるサービスの合計時間とも連動しません。
区分の側は、非該当を除くと要支援1・2と要介護1から5の7段階です。要支援は介護予防サービスで地域包括支援センター、要介護は介護サービスで居宅介護支援事業所のケアマネジャーと、使える体系も窓口も分かれます。状態が大きく変われば、更新を待たずに区分変更申請ができます。
認定調査の前には、普段の様子を具体的に書き出しておくところからになります。申請の手続きと区分変更の相談は、お住まいの市区町村の介護保険の窓口、または担当のケアマネジャー・地域包括支援センターにご確認ください。
参考資料
LIMO編集部社会保障解説班