2. 2つの階段は、年でいくらの差になるのか
月額の表を見るだけでは、年齢の段差と人数の段差がそれぞれどれだけ効くのかは分かりません。差額を計算して並べると、どこで家計が動くのかが見えてきます。
年齢区分と人数による差額は、LIMOの記事「児童手当は人数が増えるほど手厚くなる? 「3歳未満」の手厚い保障と、上の子の年齢で変わる「第3子以降・月3万円」の2つの階段状の仕組みを解説」から要点を借りて確認します。
2.1 3歳をまたぐと月5000円下がる
LIMOの記事「児童手当は人数が増えるほど手厚くなる? 「3歳未満」の手厚い保障と、上の子の年齢で変わる「第3子以降・月3万円」の2つの階段状の仕組みを解説」によると、区分の並び方が見落としやすいところだとされています。3歳未満の金額のほうが3歳以上より高く設定されており、子どもの年齢が上がるにつれて金額が増えていくわけではありません。
むしろ、3歳の誕生日をまたいだ時点で月5000円分、支給額が下がる仕組みになっていると同記事は指摘しています。
この3歳という節目については、0歳から2歳児の育児は特に費用がかさむという制度側の考え方が背景にあるとみられるという整理です。ただし家計の立場からすれば、今後は手当が増えるという思い込みのまま予算を組んでしまうと見込み違いが生じかねないとしています。
2.2 第1子から第2子では変わらない
人数の側の段差も1か所だけです。
同記事によると、月額の区分には第1子・第2子と第3子以降の2つしかありません。第1子と第2子の間には金額差が設けられておらず、子どもが1人から2人に増えても1人あたりの月額は変わりません。
金額が変わるのは子どもが3人目になった時だけです。しかも年齢区分による段階的な変化とは違い、第3子以降は年齢にかかわらず一律3万円に跳ね上がります。子どもの数に応じて金額が少しずつ積み上がっていくイメージを持っていると、この変わらないから急に変わるという階段状の構造に戸惑うかもしれないと同記事は述べています。
2.3 第3子以降の差額は年齢区分で1万5000円と2万円に分かれる
同じ第3子でも、上乗せの幅は年齢で違います。
第1子・第2子と第3子以降の差額は、年齢区分によって異なります。3歳未満の場合、第1子・第2子は1万5000円、第3子以降は3万円なので、差額は1万5000円です。一方、3歳以上 高校生年代までの場合、第1子・第2子は1万円、第3子以降は3万円のため、差額は2万円に広がります。
出所:LIMO「児童手当は人数が増えるほど手厚くなる? 「3歳未満」の手厚い保障と、上の子の年齢で変わる「第3子以降・月3万円」の2つの階段状の仕組みを解説」
つまり子どもが3歳以上になってから第3子が生まれた場合のほうが、月額の差額そのものは大きくなる計算だと同記事は整理しています。年齢区分をまたいで比較すると、この差額の広がり方も見えてきます。
2.4 年に直すと18万円と24万円の差になる
12カ月分にすると規模が変わります。
月額の差額を、1年間の金額に換算するとどうなるかも確認しておきます。3歳未満の差額(月1万5000円)を12カ月分にすると、年間で18万円です。3歳以上 高校生年代までの差額(月2万円)を12カ月分にすると、年間で24万円になります。
出所:LIMO「児童手当は人数が増えるほど手厚くなる? 「3歳未満」の手厚い保障と、上の子の年齢で変わる「第3子以降・月3万円」の2つの階段状の仕組みを解説」
同記事は実務上のポイントとして、この階段状の増額構造を知らずに家計を組んでしまうと、2人目が生まれたタイミングで思ったより増えないと戸惑うケースがある点を挙げています。増額を見込めるのはあくまで3人目以降であり、2人目の誕生自体は月額に影響しません。
2.5 第3子以降に当たるかどうかは数え方で決まる
差額の大きさが分かっても、自分が第何子に当たるかは別の問題です。
同記事は、第3子以降に該当するかどうかの数え方には上の子の年齢によって独自のルールがあり、単純に生まれた順番だけでは決まらないとしています。具体的なカウント方法については別記事で解説しているとも書かれています。
こども家庭庁の案では、22歳年度末までの上の子について、親等の経済的負担がある場合をカウント対象とするとされています。上の子が働き始めているか、まだ扶養しているかで、下の子の月額が2万円ぶん変わる可能性があるということです。
年齢の段差は誕生日で自動的に切り替わりますが、人数の数え方は上の子の状況で動きます。前者は待っていれば反映されるのに対し、後者は自分の側の事情を届け出る必要が出てくる部分です。
同記事は、増額を見込めるのはあくまで3人目以降だと繰り返しています。2人目までは月額が変わらないという前提で家計を組んでおけば、見込み違いは避けられるという整理です。
3. 年齢の段差と人数の段差を分けて数える
ここまで、児童手当の支給の枠組みと、年齢と人数による差額を見てきました。
制度の側は、支給対象が18歳に到達後の最初の年度末までの国内に住所を有する児童、月額が3歳未満で第1子・第2子1万5000円、3歳から高校生年代までで第1子・第2子1万円、第3子以降は年齢にかかわらず3万円です。受給資格者は監護生計要件を満たす父母等、実施主体は市区町村で公務員は所属庁、支払期月は偶数月の年6回で各前月までの2カ月分です。
差額の側は、3歳をまたぐと月5000円下がり年6万円の差、第1子から第2子では変わらず、第3子以降の上乗せは3歳未満で月1万5000円・年18万円、3歳以降で月2万円・年24万円という形でした。
自分の家庭でいくらになるかは、子どもの年齢と、22歳年度末までの上の子を含めた数え方で決まります。第何子に当たるかの判定と申請の窓口は、お住まいの市区町村の児童手当の担当課、公務員の方は勤務先の所属庁にご確認ください。
参考資料
LIMO編集部家計解説班