児童手当は子どもが大きくなるほど増えていく、と思っている方は少なくないと思います。

こども家庭庁の児童手当制度の概要によると、手当月額は3歳未満が第1子・第2子で1万5000円、3歳から高校生年代までが第1子・第2子で1万円です。3歳をまたぐと下がります。第3子以降だけは年齢にかかわらず3万円です。

この記事では支給対象と月額の決め方、そして第何子と数えるときの範囲を確認したうえで、金額の差が年ごとにどれだけになるのかを見ていきます。

1. 【児童手当】3歳未満と3歳以降で額が変わり、第3子以降は年齢にかかわらず3万円

金額は年齢と人数の2つの軸で決まります。まず対象になる児童の範囲から確かめます。

1.1 支給対象は高校生年代まで

出発点は対象の範囲です。

こども家庭庁によると、支給対象は高校生年代までの国内に住所を有する児童です。高校生年代までとは、18歳に到達後の最初の年度末までを指します。

18歳の誕生日で切れるのではありません。誕生日を過ぎても、その後の年度末までは対象に含まれます。また国内に住所を有することが条件になっています。

こども家庭庁は制度の目的を、児童を養育している者に児童手当を支給することにより、家庭等における生活の安定に寄与するとともに、次代の社会を担う児童の健やかな成長に資することだとしています。

児童手当の月額は年齢と第何子で決まる。第3子以降は年齢にかかわらず3万円1/1

児童手当の3歳未満と3歳から高校生年代までの月額、第1子・第2子と第3子以降の別、支給対象の範囲と支払期月、実施主体を並べた図

出所:こども家庭庁「児童手当制度の概要」などをもとにLIMO編集部作成

1.2 3歳未満は1万5000円、3歳以降は1万円

月額は年齢で2段になっています。

手当月額は、3歳未満が第1子・第2子で1万5000円です。3歳から高校生年代までは第1子・第2子で1万円です。

子どもが大きくなるほど増える形ではありません。3歳の区切りを越えると、月額は5000円下がります。年間では6万円の差になります。

つまり金額が最も高いのは0歳から2歳までの期間です。教育費がかさむ時期に向けて増えていくのではなく、手がかかる時期に手厚くする設計になっています。

1.3 第3子以降は年齢にかかわらず3万円

人数の側には別の決まりがあります。

第3子以降は、3歳未満でも3歳から高校生年代まででも3万円です。年齢による段差がありません。

第1子と第2子の間には差がなく、第3子で跳ね上がる形です。3歳未満なら1万5000円から3万円へ、3歳以降なら1万円から3万円へ変わります。

年齢の段差と人数の段差は独立しています。第3子以降に入った時点で、3歳をまたいでも月額は変わらなくなります。

1.4 第何子と数える範囲は22歳年度末まで

何人目と数えるときの範囲が広がっています。

多子加算のカウント方法については、現在の高校生年代までの扱いを見直し、大学生に限らず、22歳年度末までの上の子について、親等の経済的負担がある場合をカウント対象とするとされています。

上の子がすでに高校を卒業していても、22歳年度末までで親等の経済的負担がある場合は、下の子が第何子になるかに影響します。大学生に限らないという点が条件の広さです。

1.5 受け取るのは監護生計要件を満たす父母等

受給する側にも要件があります。

受給資格者は、監護生計要件を満たす父母等です。児童が施設に入所している場合は、施設の設置者等が受給資格者になります。

児童本人が受け取る制度ではありません。監護と生計の両方の要件を満たしている側が受給者になります。

1.6 実施主体は市区町村だが、公務員は所属庁

手続きの窓口は勤め方で変わります。

実施主体は市区町村で、法定受託事務として行われます。ただし公務員は所属庁で実施するとされています。

同じ制度でも、申請や変更の届け先が住んでいる市区町村ではなく勤め先になる場合があります。勤め方が変わったときは、窓口も変わることになります。

1.7 支払期月は年6回で偶数月

振り込まれる回数も決まっています。

支払期月は6回で、偶数月です。各前月までの2カ月分を支払うとされています。

毎月入るのではなく、2カ月分がまとめて偶数月に入ります。家計の月次の見通しを立てるときは、この2カ月まとめという形を前提にすることになります。

1.8 財源は4つの要素で構成されている

誰が出しているのかも示されています。

財源については、国、地方すなわち都道府県と市区町村、事業主拠出金、こども・子育て支援納付金で構成されると説明されています。

税だけで賄われているのではありません。事業主が拠出する分と、こども・子育て支援納付金が組み合わされています。

1.9 負担の割合は年齢と就業形態で変わる

内訳は一律ではありません。

3歳未満の被用者は、支援納付金が5分の3、事業主が5分の2です。3歳未満の非被用者は、支援納付金が5分の3、国が15分の4、地方が15分の2です。

3歳以降は被用者・非被用者ともに、支援納付金が3分の1、国が9分の4、地方が9分の2です。公務員はいずれの年齢でも所属庁が10分の10を負担します。同じ月額でも、その原資の出どころは条件で変わります。

では、この年齢と人数の2つの階段は、実際の金額でどれだけの差になるのでしょうか。差額を年単位に直して確かめます。

なお、年齢区分と子どもの人数による月額の差に関する詳しい解説は、下記の記事より一部を引用・参照しています。

児童手当は人数が増えるほど手厚くなる? 「3歳未満」の手厚い保障と、上の子の年齢で変わる「第3子以降・月3万円」の2つの階段状の仕組みを解説
児童手当は人数が増えるほど手厚くなる? 「3歳未満」の手厚い保障と、上の子の年齢で変わる「第3子以降・月3万円」の2つの階段状の仕組みを解説