令和8年8月5日、「給付付き税額控除」の制度導入の基本方針が閣議決定されました。

令和9年4月から2年間、軽減税率の対象となっている飲食料品に係る消費税率が1%になります。あわせて、飲食料品に係る消費税1%相当分の範囲内で、所得に連動したきめ細かな給付が令和9年度に導入されるとされています。

では、その給付はどこに振り込まれるのでしょうか。

内閣官房が公表した基本方針には、公金受取口座について「本制度の受給に際してその利用を原則としていく」と書かれています。あわせて、登録率が現状5割程度にとどまることも示されました。

この記事では、基本方針が公金受取口座について何を書いているのかと、年金を受け取っている方に令和8年8月から送られている書類について確認します。

なお、給付付き税額控除の全体像については、下記の記事より一部を引用・参照しています。

【2026年8月最新】給付付き税額控除とは?いつから・いくらもらえる?「給付一本化」への転換と今後のスケジュール
【2026年8月最新】給付付き税額控除とは?いつから・いくらもらえる?「給付一本化」への転換と今後のスケジュール

1. 【給付付き税額控除】基本方針は公金受取口座の利用を原則とするとしている

基本方針のうち、給付の実務にあたる「制度の執行等」という部分に、公金受取口座の記述があります。

1.1 公金受取口座の登録率は現状5割程度にとどまるとされている

基本方針には、公金受取口座について、現状5割程度にとどまる登録率の向上を国として強力に推進すると書かれています。

給付を口座に振り込む制度である以上、登録の有無が実務を左右するという認識が示された形です。

1.2 受給に際して公金受取口座の利用を原則としていくと書かれている

同じ箇所には、本制度の受給に際してその利用を原則としていくとともに、口座情報の正確性の確保等の機能強化に継続的に取り組むとあります。

その前の項目では、過去の給付金事務で負担が大きかったものとして、対象者の受給意思や口座情報の確認、外部からの問合せ対応が挙げられています。

負担を減らす方策として、公金受取口座の一層の活用に加え、国によるコールセンターの設置なども検討するとされています。

基本方針が公金受取口座について示したこと1/3

基本方針が公金受取口座について示したこと

出所:内閣官房「『給付付き税額控除』の制度導入の基本方針(令和8年8月5日閣議決定)」をもとにLIMO編集部作成

2. 年金を受け取っている方には令和8年8月から意向確認書が送られている

公金受取口座の登録を増やす取り組みは、年金の分野でも動いています。日本年金機構から届く書類が、その一つです。

2.1 対象は令和8年4月15日時点で65歳以上の年金受給者

公金受取口座登録法の改正により、年金振込口座の情報を厚生労働省からデジタル庁に提供し、公金受取口座として登録することが可能になりました。この仕組みは8月の閣議決定とは別に、法改正にもとづいて進められているものです。

日本年金機構は、年金の振込先口座を公金受取口座として登録することに同意するかどうかを確認するため、「年金振込口座の公金受取口座登録に関する意向確認書」を簡易書留で送付しています。

対象は、令和8年4月15日時点で65歳以上(昭和36年4月16日以前生まれ)で、年金を受給している方です。

送付は生年月日に応じて7回に分けて行われ、令和8年8月頃から令和9年2月頃までかかる予定です。若い方から先に届く順番になっています。

生年月日によって届く時期が7回に分かれています2/3

意向確認書の送付時期

出所:日本年金機構「年金振込口座の公金受取口座登録に関する意向確認書の送付」をもとにLIMO編集部作成

2.2 同意する場合は返送が不要、同意しない場合は45日以内に返送する

登録に同意する場合、手続きは不要です。年金の振込先口座の情報と氏名や個人番号等がデジタル庁に提供され、後日デジタル庁から登録結果通知が届きます。

同意しない場合は、意向確認書の下部にある「公金受取口座登録不同意申出書」を切り離し、目隠しシールを貼ったうえで裏面の差出人欄に記入して返送します。

ここで注意したいのが返送の期限です。意向確認書を受け取ってから45日以内に返送がない場合、登録に同意したものとして取り扱われます。

同意しないつもりでも、返送を忘れると同意として処理されるということです。書類が届いたら、まず中身を確認しましょう。

同意する場合と同意しない場合で手続きが分かれます3/3

意向確認書が届いたあとの手続き

出所:日本年金機構「年金振込口座の公金受取口座登録に関する意向確認書の送付」をもとにLIMO編集部作成

なお、不在などで意向確認書を受け取れなかった場合は、意向確認が行えなかったものとして扱われます。この場合、年金振込口座は公金受取口座として登録されません。

口座の準備については、制度の全体像をまとめた記事でも触れられています。

まずはご自身のマイナンバーカードと公金受取口座の登録状況をあらかじめ確認し、いつ制度が始まっても確実に受け取れるようにマイナポータル等で準備を済ませておくことが賢明なリスク管理となります。

出所:LIMO「【2026年8月最新】給付付き税額控除とは?いつから・いくらもらえる?「給付一本化」への転換と今後のスケジュール

中本 智恵

銀行の窓口では、振込先の口座が古いままになっていて手続きが止まってしまう場面を何度も見てきました。

公金受取口座は登録して終わりではなく、口座を解約したときや名義が変わったときに見直しが必要になります。