2026年度の年金額は、国民年金は「+1.9%」・厚生年金は「+2.0%」の増額改定となりました。

では、実際にどの程度年金が増え、シニア世代はいくら受給しているのでしょうか。

本記事では、2026年度の年金額や標準的な夫婦世帯の受給額に加え、国民年金・厚生年金それぞれの平均受給額などを紹介します。

さらに、老後のゆとりある生活を実現するために必要となる「上乗せ」についても考えていくため、ぜひ参考にしてください。

1. 【ゆとりある老後生活】夫婦2人で「月39万円」必要?

「老後2000万円問題」が話題になりましたが、「実際の老後生活にはいくら必要なのか?」と疑問に思う人も多いでしょう。

公益財団法人 生命保険文化センターが2025年に実施した「生活保障に関する調査」をもとにした厚生労働省の資料によれば、18〜69歳の男女が「夫婦2人の老後生活費として必要である」と考える金額は、以下のとおりです。

最低日常生活費に、ゆとりのための上乗せ額を足した水準です1/4

老後に求められる生活費水準

出所:厚生労働省「[年金制度の仕組みと考え方]第15 私的年金(企業年金・個人年金)制度」をもとにLIMO編集部作成

  • 老後の最低日常生活費(月額):平均23万9000円
  • 老後のゆとりのための上乗せ額(月額):平均15万2000円

老後の最低生活費は、夫婦で月24万円ほど必要であると考えられています。

また、ゆとりある老後生活のための上乗せ約15万円を足すと、ゆとりある生活の実現には夫婦で毎月約39万円を確保することがひとつの目安となります。

では、2026年度現在、実際の年金額はどの程度なのでしょうか。

ここからは、最新の年金額に加え、夫婦2人のモデル世帯の年金額についても詳しく解説します。

2. 【2026年度最新】国民年金「+1.9%」、厚生年金「+2.0%」の増額

令和7年度からの増額分と、令和8年度の月額です2/4

令和8年度の年金額の例

出所:厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」をもとにLIMO編集部作成

  • 国民年金の月額(満額・1人分):7万608円(前年度比+1300円)
  • 厚生年金の月額(標準的な夫婦世帯・2人分):23万7279円(前年度比+4495円)

金額にすると、国民年金は前年度比で1300円、厚生年金は前年度比で4495円のプラスとなっています。

なお、国民年金と厚生年金で改定率が分かれているのは、マクロ経済スライドによる調整幅が国民年金はマイナス0.2%、厚生年金保険はマイナス0.1%と異なるためです。

なお、国民年金の満額7万608円は昭和31年4月2日以後に生まれた方の額です。昭和31年4月1日以前に生まれた方は7万408円となります。

また、厚生年金の受給額として示されている「月額23万7279円」は、夫婦2人分の標準的な年金額例です。

この23万7279円には、夫婦2人分の基礎年金14万1216円も含まれています。+2.0%はあくまで報酬比例部分の改定率ですので、世帯合計で見た伸びは前年度比で約1.9%です。

前章で紹介した「夫婦の老後の最低日常生活費」は、平均23万9000円でした。

つまり、標準的な夫婦世帯の年金額は、最低日常生活費として挙げられた金額とほぼ同じ水準にあります。ゆとりのための上乗せ分は、年金以外から用意する必要があるということです。

ただし、23万7279円は天引き前の額である点に注意が必要です。年金からは健康保険料や介護保険料が差し引かれ、金額によっては所得税や住民税もかかりますので、実際に使えるお金は生活費の目安より少なくなります。

2.1 「毎月約23万7000円」受給できるモデル世帯とは

では、毎月約23万7000円を受給できる「標準的な夫婦世帯」とは、どのような夫婦をモデルとしているのでしょうか。

この金額は、夫の厚生年金+国民年金と、妻の国民年金の合計であることが示されています。

  • 夫:会社員または公務員として、平均的な収入(賞与を含む月額換算で平均標準報酬45万5000円)で40年間就業したと仮定した場合の「厚生年金+国民年金(満額)」
  • 妻:専業主婦や扶養内パートなどで、厚生年金の加入歴がないと仮定した場合の「国民年金(満額)」

ただし、実際の年金額は、現役時代の働き方や収入によって個人差があります。

ご自身の正確な年金見込額は、「ねんきんネット」や「ねんきん定期便」で確認しましょう。