社会人として必要とされる能力の一つに「コミュニケーション能力」があります。経団連が発表した『2018年度 新卒採用に関するアンケート調査結果』では、選考のときに重視する点として1位にコミュニケーション能力、2位に主体性、3位にチャレンジ精神がランクイン。
学生時代の成績や知識よりも、実際に面接などで感じる人となりが重視されているようです。
このような力が重視される “AO入試” という大学入試の制度があることをご存知でしょうか。
近頃では東京大学が導入したことでも話題になりましたが、どのような入試か知らない人も多いのでは。
そこで今回は第一志望の大学にAO入試で入学した筆者が感じた、AO入試の実態とその後どのように役立っているのかを書いていきたいと思います。
AO入試ってどんな入試?
AO入試とは『大学の入学管理局(Admissions Office)による選考基準に基づく選考』という意味で、主に高校での成績や小論文、面接などで評価する入試をいいます。もちろん成績を提出するので、勉強を一切しなくてもいいとは言いませんが、センター試験や、筆記試験などでは測れない部分も評価される入試だといえます。
私が受けた試験にも学力試験はありませんでした。一次試験は書類試験で願書に加え、真っ白な紙に文字、写真、イラストなどを使って自分を自由に表現するというユニークな試験。
また2次試験は実際に大学で模擬授業を聞き、自分の意見を書く小論文、グループディスカッション、そして自分が大学に入学したら学びたいことのプレゼンテーションと面接を行いました。
どの試験でも共通していたことは、自分の意見に芯を持つことの大切さ、また他者が持っている個性を認めることでした。
とくに感じたのはディスカッションや面接での場面。自分の意見を伝えるだけでは、話し合いが前に進まなかったり、面接相手と話しが噛み合わないことに気がつきます。さらに面接では本当に自分の持っている意見が正しいものなのか、試験官の鋭い質問に言葉が詰まる場面もありました。
けれどここでしっかりと自分の芯を見つめ直し、ぶれない言葉を伝えられたことが、私が合格できたポイントだと感じています。
学力だけではない個人の能力を評価してもらえるAO入試は、学校によって内容は様々とも聞きますが、どの場合においてもこの “自分の意見を伝え、相手の意見を聞く”という部分が核になるのではないでしょうか。