日本人はお金に対して、「話題にしてはならないもの」「汚れたもの」という負のイメージを持っている人がまだまだ多いと思います。

しかし、ユダヤ人はそうではありません。

かといって彼らは守銭奴なのかというとそうでもなく、意外なほど冷静にお金に対して一歩引いた目線を持っていると感じます。

「お金は価値あるすべてではないし、蔑みの対象でもない。ただ便利な道具であって、たくさんある方が有利に生きられる」

という格言からもそれが分かります。

「お金があれば幸せになれる」と多くの人が考えています。

しかし、それはまったくの誤りです。お金があっても、それだけで無条件に幸せになれるわけでないのです。お金は確かに素晴らしいツールであり、人生の障壁やストレスを軽減してくれる力を持っています。しかし、幸せというのはお金自体にあるものではないのです。

私は昔、「せめて平均年収くらい行きたい」と思っていました。それを達成した後は「年収4ケタ稼げるようになりたい」と思いました。それを達成すると、「労働ではなく、不労所得を得たい」と考えました。それも達成してしまうと、「ああ、お金を目標にして達成しても、幸せにはなれないんだな」ということに気づきました。

その経験からも、「お金=幸せ」ではないことは分かっているつもりです。今の私は「10億円、20億円と稼ぐより、サムマネー(必要なだけのお金)がベスト」と思うようになったのです。

ユダヤ人は誰よりもこのお金の本質を理解し、そして決定して実践しています。ユダヤ人は経済界で大きな成功を収めており、たくさんのお金を持っています。

ですが、彼らはお金に飲まれていない、という点に注目するべきではないでしょうか?あくまでお金はツールであり、人生の主役にはなりえないということを理解しているのです。

また、これはユダヤ人が教育を大事にするところに通じるものがあるのですが、弾圧された歴史が彼らを成功に導いたと考えます。中世ヨーロッパに圧迫され、正業につくことが出来ず、ブローカーや金融のしごとをしていました。

しかし、その逆境こそが彼らを強くします。彼らは金融ノウハウを確立しており、理由なく財産を没収されてきた歴史から身を守るために、無記名形式の証券を発行し、そして流通させて銀行業を発展させています。それにより、彼らは財産の没収を逃れているのです。

お金と冷静に向き合うからこそ、彼らは現在の隆盛を築いてきたのです。

ユダヤ人は集中する

私は自分のブログや講演で、繰り返し強く主張していることがあります。「現代社会ほど集中しづらい世の中はかつてないが、現在社会ほど集中力が必要な時代もまた、ない」ということです。

ポケットの中のスマートフォンが通知を鳴らし、何かに集中していてもすぐに私たちの集中力を奪いにきます。また、人生の生き方も多様化し、答えが見えない社会を生きています。現代は誰もが、集中しづらい時代を生きているのです。

ユダヤ人は集中力に優れた人種です。その片鱗は科学研究の成果に現れています。ノーベル賞、フィールズ賞など多数獲得している事実がそれを物語っています。

「成功の半分は忍耐である」

という格言の通り、彼らは粘り強く1つのことに集中し、そして成果が出るまでかじりつくという姿勢を持ちます。科学技術の分野においては、成果が出るのはいつになるか分かりません。ビジネスではありませんから、自分が発見・開発したものが即お金に変わるわけではないのです。

それでも目の前のことに集中し、一心不乱に没頭して研究に集中してきたことで、歴史的に数多くの偉業を成し遂げてきたのです。

その代表者の1人、アインシュタインは毎日着る服を同じにしていたと言います。服選びに脳の集中力を奪われないようにしていたことが理由で、その分のリソースを研究にあてています。

科学分野で偉業をなすには、集中力が必要です。研究をしても発見出来るかどうかも分かりません。それでも、大きな成果を出すには忍耐強く1分野を研究し続けるとてつもない集中力が必要であり、彼らは集中力を持っていたために成功したと言えるのではないでしょうか。

今回はユダヤ人が持っている3つの成功する要素を取り上げました。現代を生きる私たちにも、大きな学びになる示唆が含まれていたのではないでしょうか。

【参考】
A remarkable week for Jewish Nobel Prize winners(THE JEWISH CHRONICLE)

高級フルーツギフトショップ「水菓子 肥後庵」代表 黒坂 岳央