4. 第Ⅰ区分の要件は「市町村民税所得割が非課税」と説明されている
この制度は住民税非課税世帯向けの支援として紹介されることが多いのですが、日本学生支援機構が示している要件の書き方は少し違います。
4.1 要件は学生等本人と生計維持者を対象にしている
日本学生支援機構は、進学後に申し込む場合の第Ⅰ区分の要件を「学生等本人と生計維持者の市町村民税所得割が非課税であること」と説明しています。
判定の対象は世帯全員ではなく、学生等本人と生計維持者です。誰の所得を見るのかという点は、ほかの優遇制度と混同しやすいところです。
4.2 実際の判定には支給額算定基準額が使われる
具体的な判定には、支給額算定基準額という数値が使われます。第Ⅰ区分はこの合計が100円未満であることが条件です。
自分が該当するかどうかは課税証明書の数値だけでは判断しきれないため、進学先の学校の窓口や日本学生支援機構の案内で確かめるのが確実です。
5. 支援区分は4つあり、額が段階的に下がる
支援は第Ⅰ区分から第Ⅳ区分までの4段階に分かれています。第Ⅰ区分を外れても、支援がまったく受けられなくなるわけではありません。
5.1 区分は支給額算定基準額で区切られている
第Ⅱ区分は支給額算定基準額の合計が100円以上2万5600円未満、第Ⅲ区分は2万5600円以上5万1300円未満、第Ⅳ区分は5万1300円以上15万4500円未満とされています。
給付型奨学金の額は、第Ⅱ区分が第Ⅰ区分の3分の2程度、第Ⅲ区分が3分の1程度、第Ⅳ区分が4分の1程度という並びになります。
5.2 世帯年収の目安も公表されている
日本学生支援機構は、給与所得者世帯の年収の目安も示しています。学生本人と親2人(一方は無収入)と高校生の4人世帯では、第Ⅰ区分が295万円、第Ⅱ区分が395万円、第Ⅲ区分が461万円、第Ⅳ区分が698万円です。
ただしこれは目安であり、世帯構成や各種控除によって実際の基準は変わるとされています。
6. 申し込みは進学前と進学後の2つの入口がある
支援を受けるには申し込みが必要です。入口が2つある点は、あらかじめ知っておくと動きやすくなります。
6.1 高校在学中に申し込む予約採用がある
高校在学中に申し込む方法は予約採用と呼ばれます。進学前に採用の見込みが分かるため、進学先を決める段階で資金計画を立てやすくなります。
申し込みの時期は高校ごとに案内されるので、担任や進路指導の先生に確認しておくとよいでしょう。
6.2 進学後に申し込む在学採用もある
進学後に申し込む在学採用もあります。家計の状況が入学後に変わった場合でも、この入口から申し込むことができます。
申込期間は学校ごとに設定されており、日本学生支援機構は年に複数回の受付があることを案内しています。締切を過ぎると次の機会まで待つことになるため、学校の掲示や案内をこまめに見ておきたいところです。
7. まとめ
高等教育の修学支援新制度は、授業料等の減免と給付型奨学金を組み合わせた仕組みです。住民税非課税世帯にあたる第Ⅰ区分は、どちらも最も大きい額を受けられます。
国立大学であれば入学料28万2000円と授業料53万5800円が全額免除、私立大学は授業料70万円と入学金26万円が上限です。給付型奨学金は私立大学で自宅外通学なら月額7万5800円になります。
第Ⅰ区分を外れても第Ⅱ区分から第Ⅳ区分の支援が用意されており、年収の目安も公表されています。
進学先が対象校かどうかと、申し込みの締切がいつかは学校ごとに違います。学費の総額だけで判断してしまう前に、学校の窓口で確かめてみてください。
参考資料
- 文部科学省「高等教育の修学支援新制度」
- 日本学生支援機構「給付奨学金の支給額」
- 日本学生支援機構「進学後(在学採用)の給付奨学金の家計基準」
- 九州大学「高等教育の修学支援新制度による授業料等減免(多子世帯無償化含む)」
中本 智恵