12月分の保護費に上乗せされる「期末一時扶助」。少し先に思えますが、あらかじめ仕組みや支給額を押さえておくと年末のやりくりがしやすくなります。

厚生労働省の「生活保護法による保護の基準」に額が定められていて、住んでいる地域の級地区分と世帯人員で決まります。

この記事では、期末一時扶助が単身世帯でいくらになるのか、世帯人員が増えるとどう変わるのかを、級地区分ごとの一覧で確認します。

1. 生活保護の期末一時扶助は12月分の保護費に上乗せされる

まず、期末一時扶助がどのような位置づけの費用なのかを確認します。

1.1 年末に増える出費に充てるための費用

生活保護では、日常生活に必要な費用は生活扶助として毎月支給されます。

期末一時扶助は、その生活扶助のうち12月分にだけ加えられる費用です。年末年始に重なる出費に充てるためのもので、毎月の基準生活費とは別枠で額が定められています。

1.2 加えられるのは12月分の1回だけ

厚生労働省の「生活保護法による保護の基準」では、12月の基準生活費について、通常の算式で計算した額に期末一時扶助費の表に定める額を加えた額とすると定められています。

つまり、12月分の保護費だけが期末一時扶助の分だけ多くなります。ほかの月には加えられません。

2. 期末一時扶助の額は級地区分と世帯人員で決まる

期末一時扶助の額は一律ではありません。住んでいる地域の級地区分と、世帯の人数の組み合わせで決まります。

2.1 級地区分別・世帯人員別の額

級地区分は1級地-1から3級地-2までの6つに分かれています。同じ世帯人員でも、級地区分が下がるほど額は少なくなります。

生活保護法による保護の基準に定められた期末一時扶助の額(級地区分別・世帯人員1人から5人)1/2

生活保護法による保護の基準に定められた期末一時扶助の額(級地区分別・世帯人員1人から5人)

出所:厚生労働省「生活保護法による保護の基準(昭和38年厚生省告示第158号)」を参考にLIMO編集部作成

2.2 単身世帯は1級地-1で1万4500円

単身世帯の場合、1級地-1では1万4500円です。

1級地-2では1万3850円、2級地-1では1万3190円、2級地-2では1万2550円と続きます。3級地-1は1万1890円、3級地-2は1万1240円です。

2人世帯になると、1級地-1で2万3640円になります。

3. 期末一時扶助は生活扶助のなかに位置づけられている

期末一時扶助は独立した扶助ではなく、生活扶助の枠組みのなかにあります。ここを押さえておくと、保護費の全体像がつかみやすくなります。

3.1 生活扶助は第1類費と第2類費で組み立てられる

生活扶助の基準生活費は、第1類費と第2類費に分かれています。

第1類費は世帯員それぞれの飲食物費や被服費にあたるもので、年齢と級地区分で額が決まります。第2類費は光熱水費や家具什器費など世帯単位でかかる費用で、世帯人員と級地区分で額が決まります。

3.2 12月分の基準生活費に加えられる

期末一時扶助は、この第1類費と第2類費を合わせた12月の基準生活費に上乗せされます。

生活保護には8つの扶助があり、生活扶助はそのうちのひとつです。ほかに住宅扶助、教育扶助、医療扶助、介護扶助、出産扶助、生業扶助、葬祭扶助があります。

熊谷 良子

期末一時扶助の額は、厚生労働省の告示に級地区分と世帯人員ごとの表として載っています。まずは自分の住む市区町村がどの級地区分にあたるのかを、福祉事務所の窓口や自治体が出している基準額一覧で確かめておくと、12月分の保護費の見込みが立てやすくなります。

金額の話は口頭でのやりとりだけだと行き違いが起きやすいところです。担当のケースワーカーに聞いたことは書面や自分のメモに残し、同居する家族とも共有しておくと安心です。