4. 年金が収入の柱になると非課税の基準に近づく
高齢の世帯で課税されている割合が下がるのは、収入の中身が変わるからです。
4.1 高齢者世帯は所得の61.3パーセントが公的年金・恩給
高齢者世帯の所得の内訳を見ると、公的年金・恩給が61.3パーセントを占めています。
次いで仕事による稼働所得が25.9パーセント、財産所得が5.8パーセントです。
公的年金には年齢に応じた控除があるため、同じ金額でも給与より所得が小さく計算されます。年金が収入の柱になるほど、非課税の基準に近づくことになります。
4.2 年金を受給している世帯の41.3パーセントは収入が年金だけ
公的年金・恩給を受給している高齢者世帯のうち、総所得に占める割合が100パーセントの世帯は41.3パーセントです。
80パーセント以上100パーセント未満が17.1パーセント、60パーセント以上80パーセント未満が14.1パーセントと続きます。
ただし世帯としての判定なので、こうした世帯でも同居している家族に課税所得があれば非課税世帯にはなりません。
5. 自分の世帯がどうなっているかを確かめる
年代別の割合はあくまで全体の傾向です。自分の世帯については次の順番で確かめると早くなります。
5.1 世帯に誰が入っているかを見る
住民票の上で同じ世帯になっている人が誰かを確認します。
同居していても世帯が分かれている場合と、同じ世帯になっている場合とで扱いが変わります。
5.2 所得の基準は市区町村で異なる
3つ目の要件である所得基準は、市区町村ごとに定められています。
たとえば神戸市の場合、単身世帯は合計所得金額45万円以下が基準で、給与収入だけなら110万円以下が目安です。2026年度、つまり令和8年度の住民税についての数値になります。
同じ収入でも住んでいる市区町村によって結論が変わることがあるので、実際の判定は住んでいる自治体の基準で確かめてください。
5.3 通知書と窓口で確認する
課税されているかどうかは、市区町村から届く住民税の通知書でわかります。
給与から天引きされている方は勤務先を通じて渡される特別徴収税額の決定通知書、それ以外の方は納税通知書です。
世帯としてどう判定されるかで迷うときは、住んでいる市区町村の税務担当の窓口に問い合わせるのが確実です。
6. まとめ
住民税非課税世帯かどうかは、世帯全員が非課税であるかどうかで決まります。本人が非課税でも、同じ世帯に課税されている人が1人でもいれば対象外です。
住民税が課税されている世帯の割合は、30歳代から50歳代では9割近くですが、60歳代で80.2パーセント、80歳以上では55.5パーセントまで下がります。
背景には所得の変化があり、1世帯当たり平均所得金額は50歳代の814万6000円がピークで、70歳以上では405万円です。
給付金の案内で「住民税非課税世帯」という言葉を見かけたら、まず自分の世帯に誰が入っているかを確かめてみてください。そのうえで判断がつかなければ、市区町村の窓口に相談するのが確実です。
参考資料
中本 智恵